東北大学 2023年 理系 第2問 解説

方針・初手
和積の公式を用いて $f(x)=\sin 3x+\sin x$ を因数分解すると,方程式 $f(x)=0$ の解が一気に求まる。
そのうえで,正の解は等差数列として並ぶので,$m$ 以下の解の個数 $p(m)$ は床関数で表せる。
解法1
和積の公式より,
$$ \sin 3x+\sin x=2\sin\frac{3x+x}{2}\cos\frac{3x-x}{2}=2\sin 2x\cos x $$
である。したがって,
$$ f(x)=0 $$
は
$$ 2\sin 2x\cos x=0 $$
と同値であるから,
$$ \sin 2x=0 \quad \text{または} \quad \cos x=0 $$
となる。
まず,
$$ \sin 2x=0 $$
より,
$$ 2x=n\pi \quad (n\in \mathbb{Z}) $$
すなわち,
$$ x=\frac{n\pi}{2} \quad (n\in \mathbb{Z}) $$
である。
また,
$$ \cos x=0 $$
より,
$$ x=\frac{(2k+1)\pi}{2} \quad (k\in \mathbb{Z}) $$
であるが,これはすでに $x=\dfrac{n\pi}{2}$ の中に含まれている。
よって,$f(x)=0$ を満たす実数解は
$$ x=\frac{n\pi}{2} \quad (n\in \mathbb{Z}) $$
であり,正の実数解は
$$ x=\frac{\pi}{2},\ \pi,\ \frac{3\pi}{2},\ 2\pi,\ \dots $$
である。
(1) 正の実数解のうち最小のものは
$$ \frac{\pi}{2} $$
である。
(2)
$m$ 以下の正の解の個数を $p(m)$ とする。
正の解は
$$ x=\frac{n\pi}{2} \quad (n=1,2,3,\dots) $$
であるから,これが $m$ 以下である条件は
$$ \frac{n\pi}{2}\le m $$
すなわち,
$$ n\le \frac{2m}{\pi} $$
である。したがって,
$$ p(m)=\left\lfloor \frac{2m}{\pi}\right\rfloor $$
となる。
よって,
$$ \frac{2m}{\pi}-1<\left\lfloor \frac{2m}{\pi}\right\rfloor \le \frac{2m}{\pi} $$
より,
$$ \frac{2}{\pi}-\frac{1}{m}<\frac{p(m)}{m}\le \frac{2}{\pi} $$
を得る。ここで $m\to\infty$ とすると,はさみうちの原理により
$$ \lim_{m\to\infty}\frac{p(m)}{m}=\frac{2}{\pi} $$
である。
解説
この問題の本質は,三角関数の和を積に直して零点を調べることである。
$\sin 3x+\sin x$ は一見すると複雑に見えるが,$2\sin 2x\cos x$ と変形すれば零点の位置がすぐに分かる。さらに,得られた正の解が $\dfrac{\pi}{2}$ 間隔で並ぶことから,個数の問題は「等差数列の何項目まで入るか」という単純な数え上げになる。
答え
$$ \text{(1)}\ \frac{\pi}{2} $$
$$ \text{(2)}\ \lim_{m\to\infty}\frac{p(m)}{m}=\frac{2}{\pi} $$
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