トップ 東京工業大学 1970年 理系 第6問

東京工業大学 1970年 理系 第6問 解説

数学2/指数対数数学3/微分法数学3/積分法
東京工業大学 1970年 理系 第6問 解説

方針・初手

1階線形微分方程式の解法(定数変化法)を誘導に従って実行する問題である。 問題文の誘導は、まず右辺を $0$ とした斉次方程式の解を求め、次にその解の定数部分を関数に置き換えて元の非斉次方程式の一般解を求めるという、定数変化法の基本手順そのものである。 各小問の指示通りに微分と代入の計算を丁寧に進めればよい。

解法1

(1)

$y = e^{mx}$ を $x$ で微分すると、合成関数の微分法より

$$ y' = me^{mx} $$

これを $3y' - 2y = 0$ に代入すると

$$ 3me^{mx} - 2e^{mx} = 0 $$

$$ (3m - 2)e^{mx} = 0 $$

すべての実数 $x$ において $e^{mx} > 0$ であるから、両辺を $e^{mx}$ で割ると

$$ 3m - 2 = 0 $$

よって

$$ m = \frac{2}{3} $$

(2)

(1) より、$m = \frac{2}{3}$ であるから

$$ y = e^{\frac{2}{3}x}u(x) $$

両辺を $x$ で微分すると、積の微分法より

$$ y' = \frac{2}{3}e^{\frac{2}{3}x}u(x) + e^{\frac{2}{3}x}u'(x) $$

これを① $3y' - 2y = e^x$ に代入すると

$$ 3\left( \frac{2}{3}e^{\frac{2}{3}x}u(x) + e^{\frac{2}{3}x}u'(x) \right) - 2e^{\frac{2}{3}x}u(x) = e^x $$

$$ 2e^{\frac{2}{3}x}u(x) + 3e^{\frac{2}{3}x}u'(x) - 2e^{\frac{2}{3}x}u(x) = e^x $$

整理すると

$$ 3e^{\frac{2}{3}x}u'(x) = e^x $$

両辺を $3e^{\frac{2}{3}x}$ で割ると

$$ u'(x) = \frac{1}{3}e^{x - \frac{2}{3}x} = \frac{1}{3}e^{\frac{1}{3}x} $$

両辺を $x$ について積分すると

$$ u(x) = \int \frac{1}{3}e^{\frac{1}{3}x} dx = e^{\frac{1}{3}x} + C \quad (C \text{ は積分定数}) $$

(3)

(2) の結果を $y = e^{\frac{2}{3}x}u(x)$ に代入すると、①の一般解は

$$ y = e^{\frac{2}{3}x}(e^{\frac{1}{3}x} + C) = e^x + Ce^{\frac{2}{3}x} \quad (C \text{ は積分定数}) $$

ここで、$x=0$ のとき $y=10$ であるから、代入して

$$ 10 = e^0 + Ce^0 $$

$$ 10 = 1 + C $$

よって

$$ C = 9 $$

したがって、求める解は

$$ y = e^x + 9e^{\frac{2}{3}x} $$

解説

1階線形微分方程式の解き方を問う問題である。一般に $y' + p(x)y = q(x)$ の形の微分方程式は、まず $q(x)=0$ とした方程式(斉次方程式)の解 $y = Cy_0(x)$ を求め、次に定数 $C$ を関数 $u(x)$ に置き換えて $y = u(x)y_0(x)$ を元の方程式に代入して $u(x)$ を求める手法(定数変化法)で解くことができる。 本問はまさにその手順を段階的に誘導している。(2) では「定めよ」という指示に対して、関数 $u(x)$ の一般形を求める必要があるため、積分定数 $C$ を忘れないように注意したい。ここで積分定数を書き忘れると、(3) の初期条件を満たす解が求められなくなってしまう。

答え

(1) $m = \frac{2}{3}$

(2) $u(x) = e^{\frac{1}{3}x} + C \quad (C \text{ は積分定数})$

(3) $y = e^x + 9e^{\frac{2}{3}x}$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。