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東京大学 1967年 文系 第4問 解説

数学2/図形と式テーマ/面積・体積テーマ/場合分け
東京大学 1967年 文系 第4問 解説

方針・初手

直線 $y=ax+b$ の傾き $a$ は正であるから、この直線が $\triangle ABC$ を2つに分割するとき、直線は必ず線分 $BC$ と交わる。そして、もう1つの交点は線分 $AC$ 上にあるか、線分 $AB$ 上にあるかのいずれかとなる。直線が $y$ 軸上の線分 $AC$ と交わるか、$x$ 軸上の線分 $AB$ と交わるか(すなわち $y$ 切片 $b$ の正負)で場合分けを行い、切り取られる三角形の面積が $\triangle ABC$ の面積の半分になるように立式する。

解法1

$\triangle ABC$ の頂点は $A(0,0)$, $B(1,0)$,$C(0,1)$ である。直線 $AB$ は $y=0$、直線 $AC$ は $x=0$、直線 $BC$ は $y=-x+1$ と表される。

$\triangle ABC$ の面積は $\frac{1}{2} \times 1 \times 1 = \frac{1}{2}$ であるから、直線 $L: y=ax+b$ が切り取る三角形の面積が $\frac{1}{4}$ になればよい。

$a>0$ であるから、直線 $L$ は右上がりである。 直線 $L$ と直線 $BC$ の交点を $P$ とおく。 $y=ax+b$ と $y=-x+1$ を連立して、

$$ ax+b = -x+1 $$

$$ x = \frac{1-b}{a+1} $$

となる。このとき、交点 $P$ の $y$ 座標は

$$ y = - \frac{1-b}{a+1} + 1 = \frac{a+b}{a+1} $$

である。 直線 $L$ が $\triangle ABC$ を分割するとき、以下の2つの場合が考えられる。

(i) 直線 $L$ が線分 $AC$ と交わる場合($b \ge 0$ のとき)

直線 $L$ と $y$ 軸(線分 $AC$)との交点を $Q$ とすると、$Q(0, b)$ である。 点 $Q$ が線分 $AC$ 上にあるためには、面積を2等分する条件から $0 \le b < 1$ でなければならない。

このとき、直線 $L$, $y$ 軸, 直線 $BC$ によって囲まれる三角形($\triangle PQC$)の面積が $\frac{1}{4}$ となる。 底辺を $y$ 軸上の線分 $QC$ とみると長さは $1-b$、高さは $P$ の $x$ 座標 $\frac{1-b}{a+1}$ であるから、

$$ \frac{1}{2} (1-b) \frac{1-b}{a+1} = \frac{1}{4} $$

$$ (1-b)^2 = \frac{a+1}{2} $$

$1-b > 0$ であるから、

$$ 1-b = \sqrt{\frac{a+1}{2}} $$

$$ b = 1 - \sqrt{\frac{a+1}{2}} $$

このとき、条件 $0 \le b < 1$ を満たす $a$ の範囲を求める。

$$ 0 \le 1 - \sqrt{\frac{a+1}{2}} < 1 $$

$$ -1 \le -\sqrt{\frac{a+1}{2}} < 0 $$

$$ 0 < \sqrt{\frac{a+1}{2}} \le 1 $$

$a > 0$ より $\sqrt{\frac{a+1}{2}} > \sqrt{\frac{1}{2}} > 0$ は常に成り立つ。 $\sqrt{\frac{a+1}{2}} \le 1$ を解くと、

$$ \frac{a+1}{2} \le 1 $$

$$ a \le 1 $$

よって、$0 < a \le 1$ のとき、

$$ b = 1 - \sqrt{\frac{a+1}{2}} $$

となる。

(ii) 直線 $L$ が線分 $AB$ と交わる場合($b < 0$ のとき)

直線 $L$ と $x$ 軸(線分 $AB$)との交点を $R$ とすると、$ax+b=0$ より $R\left(-\frac{b}{a}, 0\right)$ である。 点 $R$ が線分 $AB$ 上にあるためには、面積を2等分する条件から $0 < -\frac{b}{a} \le 1$ 、すなわち $-a \le b < 0$ でなければならない。

このとき、直線 $L$, $x$ 軸, 直線 $BC$ によって囲まれる三角形($\triangle PBR$)の面積が $\frac{1}{4}$ となる。 底辺を $x$ 軸上の線分 $RB$ とみると長さは $1 - \left(-\frac{b}{a}\right) = \frac{a+b}{a}$、高さは $P$ の $y$ 座標 $\frac{a+b}{a+1}$ であるから、

$$ \frac{1}{2} \left(\frac{a+b}{a}\right) \left(\frac{a+b}{a+1}\right) = \frac{1}{4} $$

$$ (a+b)^2 = \frac{a(a+1)}{2} $$

$-a \le b$ より $a+b \ge 0$ であるから、

$$ a+b = \sqrt{\frac{a(a+1)}{2}} $$

$$ b = \sqrt{\frac{a(a+1)}{2}} - a $$

このとき、条件 $-a \le b < 0$ を満たす $a$ の範囲を求める。 $b \ge -a$ は $a+b \ge 0$ より満たされる。 $b < 0$ について、

$$ \sqrt{\frac{a(a+1)}{2}} - a < 0 $$

$$ \sqrt{\frac{a(a+1)}{2}} < a $$

両辺は正であるから、2乗して

$$ \frac{a(a+1)}{2} < a^2 $$

$$ a^2 + a < 2a^2 $$

$$ a^2 - a > 0 $$

$$ a(a-1) > 0 $$

$a > 0$ であるから、$a > 1$ となる。 よって、$a > 1$ のとき、

$$ b = \sqrt{\frac{a(a+1)}{2}} - a $$

となる。

解説

直線が三角形を分割してできる図形の形状は、直線の傾きや切片によって変化するため、場合分けが必須となる問題である。 直線の $y$ 切片 $b$ の正負(あるいは直線が $y$ 軸の正の部分で交わるか、$x$ 軸の正の部分で交わるか)によって、切り取られる三角形が $x$ 軸側か $y$ 軸側かに分かれる。 計算においては、切り取られる三角形の面積を考える際、軸上の線分を底辺に設定することで、「底辺 $\times$ 交点の座標 $\div 2$」とシンプルに面積を立式できる。 最後に、求めた $b$ が場合分けの条件を満たすような $a$ の範囲を逆算して確認することが重要である。

答え

$0 < a \le 1$ のとき

$$ b = 1 - \sqrt{\frac{a+1}{2}} $$

$a > 1$ のとき

$$ b = \sqrt{\frac{a(a+1)}{2}} - a $$

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