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東京大学 1978年 文系 第2問 解説

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東京大学 1978年 文系 第2問 解説

方針・初手

2つの放物線が点 $P$ で交わり、かつその点における接線が直交するという2つの条件を立式し、$P$ の座標に関する変数を消去して $a$ と $b$ の関係式を導く。その後、得られた関係式を用いて放物線 (2) の式を $a$ について整理し、恒等式の考え方を用いて定点 $Q$ の座標を求める。最後に、条件を満たす点 $P$ が実在するかどうか(十分性)の確認を行う。

解法1

放物線 (1), (2) の方程式はそれぞれ以下の通りである。

$$ y = x^2 - 2x + 2 \cdots \cdots (1) $$

$$ y = -x^2 + ax + b \cdots \cdots (2) $$

2つの放物線の交点 $P$ の $x$ 座標を $p$ とおく。点 $P$ は (1), (2) の両方の上にあるから、以下の等式が成り立つ。

$$ p^2 - 2p + 2 = -p^2 + ap + b $$

整理すると、

$$ 2p^2 - (a+2)p + 2 - b = 0 \cdots \cdots \text{①} $$

次に、(1), (2) の式をそれぞれ $x$ で微分すると、

$$ y' = 2x - 2 $$

$$ y' = -2x + a $$

点 $P$ における (1), (2) の接線の傾きはそれぞれ $2p - 2$, $-2p + a$ となる。これら2つの接線は互いに直交するので、傾きの積が $-1$ である。

$$ (2p - 2)(-2p + a) = -1 $$

展開して整理すると、

$$ -4p^2 + 2(a+2)p - 2a + 1 = 0 \cdots \cdots \text{②} $$

①, ② から $p$ を消去して $a, b$ の関係式を求める。①の両辺を2倍すると、

$$ 4p^2 - 2(a+2)p + 4 - 2b = 0 $$

これと②を辺々加えると、$p$ の項が消去されて以下のようになる。

$$ 5 - 2a - 2b = 0 $$

これを $b$ について解くと、

$$ b = -a + \frac{5}{2} \cdots \cdots \text{③} $$

③を (2) の方程式に代入する。

$$ y = -x^2 + ax - a + \frac{5}{2} $$

この式が $a$ の値に無関係に成り立つ($a$ についての恒等式となる)ような $x, y$ の条件を求めるため、式を $a$ について整理する。

$$ a(x - 1) - x^2 - y + \frac{5}{2} = 0 $$

これが任意の $a$ について成り立つ条件は、

$$ \begin{cases} x - 1 = 0 \\ -x^2 - y + \frac{5}{2} = 0 \end{cases} $$

これを解くと、$x = 1$, $y = \frac{3}{2}$ となる。

したがって、放物線 (2) は $a, b$ の値に無関係な一定の点 $Q \left( 1, \frac{3}{2} \right)$ を通る。

最後に、このような交点 $P$ が実際に存在すること($p$ が実数解をもつこと)を確認する。③が成り立つとき、②の方程式は以下のようになる。

$$ 4p^2 - 2(a+2)p + 2a - 1 = 0 $$

この $p$ についての2次方程式の判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = (a+2)^2 - 4(2a - 1) = a^2 - 4a + 8 = (a-2)^2 + 4 $$

任意の実数 $a$ に対して $(a-2)^2 \geqq 0$ であるから、常に $\frac{D}{4} > 0$ となる。

ゆえに、異なる2つの実数 $p$ が常に存在し、題意を満たす交点 $P$ は実在する。

解説

「2曲線が点 $P$ で交わる」という条件から $y$ 座標の一致($f(p)=g(p)$)を導き、「点 $P$ で直交する」という条件から接線の傾きの積が $-1$($f'(p)g'(p)=-1$)を導くという、数学IIの微分における典型的な処理である。

計算の工夫として、立式した2つの式から交点の $x$ 座標 $p$ をいかにして消去するかがポイントとなる。今回の場合、最高次である $p^2$ の項の係数に注目し、一方を定数倍して足し合わせることで、うまく $p^2$ と $p$ の両方を一度に消去できる形になっている。これに気づけると計算量を大幅に削減できる。

また、図形的な存在条件(交点 $P$ が実数平面上に存在するかどうか)の確認を怠りやすいので注意したい。求めた関係式を元の方程式に戻し、実数解をもつことを判別式を用いて示すことで、より完全な解答となる。

答え

点 $Q$ の座標は $\left( 1, \frac{3}{2} \right)$

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