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東北大学 1995年 文系 第4問 解説

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東北大学 1995年 文系 第4問 解説

方針・初手

放物線 $$ y=\frac12(x^2+3) $$ の接線は,接点の $x$ 座標を $t$ とすると傾きが $t$ になる。したがって,まず $A,B$ における接線の方程式を求め,その交点 $P$ を計算する。

また,$\angle APB$ は $A,B$ における接線どうしのなす角であるから,傾き $a,b$ を用いた直線のなす角の公式を使えばよい。

解法1

(1) $P$ の座標を求める。

放物線 $$ y=\frac12(x^2+3) $$ を微分すると $$ y'=x $$ である。

したがって,$x=t$ における接線は

$$ y=t(x-t)+\frac12(t^2+3) =tx-\frac12t^2+\frac32 $$

である。

よって,$A,B$ における接線はそれぞれ

$$ y=ax-\frac12a^2+\frac32, \qquad y=bx-\frac12b^2+\frac32 $$

となる。

これらの交点を $P(x,y)$ とすると,

$$ ax-\frac12a^2+\frac32 ===================== bx-\frac12b^2+\frac32 $$

より

$$ (a-b)x=\frac12(a^2-b^2)=\frac12(a-b)(a+b) $$

である。$a<b$ だから $a\ne b$ であり,

$$ x=\frac{a+b}{2} $$

を得る。

これを接線の式に代入すると,

$$ y=a\cdot \frac{a+b}{2}-\frac12a^2+\frac32 =\frac{ab+3}{2} $$

となる。したがって,

$$ P\left(\frac{a+b}{2},\ \frac{ab+3}{2}\right) $$

である。

(2) $\angle APB=45^\circ$ のときの $a,b$ の関係を求める。

$P$ は $A$ における接線と $B$ における接線の交点であるから,$\angle APB$ は傾き $a,b$ の 2 直線のなす角である。

それぞれの直線の傾き角を $\alpha,\beta$ とすると, $$ \tan\alpha=a,\qquad \tan\beta=b $$ である。

2直線のなす小さい方の角が $45^\circ$ であるから, $$ \beta-\alpha=\frac{\pi}{4} \quad \text{または} \quad \beta-\alpha=\frac{3\pi}{4} $$ となる。したがって, $$ \tan(\beta-\alpha)=1 \quad \text{または} \quad \tan(\beta-\alpha)=-1 $$ である。

一方, $$ \tan(\beta-\alpha)=\frac{b-a}{1+ab} $$ だから,

$$ \frac{b-a}{1+ab}=\pm 1 $$

すなわち,

$$ b-a=\pm(1+ab) $$

を得る。

これを整理すると,

$$ (a-1)(b+1)=-2 \quad \text{または} \quad (a+1)(b-1)=-2 $$

である。

(3) $\angle APB=45^\circ$ を満たすように $A,B$ を動かすときの $P$ の軌跡を求める。

$P=(x,y)$ とおく。(1) より

$$ x=\frac{a+b}{2}, \qquad y=\frac{ab+3}{2} $$

である。

ここで $$ d=\frac{b-a}{2}\ (>0) $$ とおくと, $$ a=x-d,\qquad b=x+d $$ であり,

$$ ab=x^2-d^2 $$

が成り立つ。

また,(2) の条件 $$ b-a=\pm(1+ab) $$ は

$$ 2d=\pm{1+(2y-3)}=\pm 2(y-1) $$

となるから,

$$ d=|y-1| $$

である。

したがって,

$$ ab=x^2-d^2=x^2-(y-1)^2 $$

と $$ ab=2y-3 $$ を等置して,

$$ x^2-(y-1)^2=2y-3 $$

を得る。これを整理すると,

$$ x^2-(y^2-2y+1)=2y-3 $$

より

$$ x^2-y^2=-2 $$

すなわち,

$$ y^2-x^2=2 $$

となる。

よって,$P$ の軌跡は双曲線

$$ y^2-x^2=2 $$

である。

逆に,$y^2-x^2=2$ を満たす任意の点 $(x,y)$ に対して

$$ a=x-|y-1|,\qquad b=x+|y-1| $$

とおけば $a<b$ であり,

$$ \frac{a+b}{2}=x, \qquad ab=x^2-(y-1)^2=2y-3 $$

より

$$ \frac{ab+3}{2}=y $$

となる。さらに

$$ b-a=2|y-1|=|2y-2|=|1+ab| $$

だから,2直線のなす小さい方の角は $45^\circ$ になる。したがって,この双曲線上の点はすべて実際に軌跡となる。

ゆえに軌跡は $$ y^2-x^2=2 $$ 全体である。図示すると,中心は原点,頂点は $(0,\pm\sqrt2)$,漸近線は $$ y=\pm x $$ である上下 2 枝の双曲線である。

解説

この問題の要点は,$P$ が単なる交点ではなく,「接線どうしの交点」であることを使う点にある。したがって,$\angle APB$ は接線の傾き $a,b$ の情報だけで処理できる。

特に (2) では, $$ \frac{b-a}{1+ab}=1 $$ だけで終えるのは不十分である。2直線のなす小さい方の角が $45^\circ$ という条件からは,傾き角の差が $\frac{\pi}{4}$ の場合だけでなく $\frac{3\pi}{4}$ の場合もあり,したがって $$ \frac{b-a}{1+ab}=\pm1 $$ の両方を考えなければならない。

(3) では,$P$ の座標 $$ x=\frac{a+b}{2},\qquad y=\frac{ab+3}{2} $$ を先に得ているので,$a,b$ そのものを消去するよりも,差の半分 $d=\frac{b-a}{2}$ を導入すると整理しやすい。すると最終的に双曲線 $$ y^2-x^2=2 $$ が自然に現れる。

答え

$$ P\left(\frac{a+b}{2},\ \frac{ab+3}{2}\right) $$

$\angle APB=45^\circ$ のとき, $$ b-a=\pm(1+ab) $$ すなわち $$ (a-1)(b+1)=-2 \quad \text{または} \quad (a+1)(b-1)=-2 $$

$P$ の軌跡は $$ y^2-x^2=2 $$ である。中心は原点,頂点は $(0,\pm\sqrt2)$,漸近線は $y=\pm x$ の双曲線である。

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