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東京大学 1978年 文系 第4問 解説

数学2/微分法数学2/積分法テーマ/接線・法線テーマ/面積・体積
東京大学 1978年 文系 第4問 解説

方針・初手

接点の $x$ 座標を文字でおいて接線の方程式を立て、それが点 $P(-3, 6)$ を通るという条件から接点を決定する。その後、得られた接線と曲線の上下関係を調べ、区間を分けて定積分を行い面積を求める。

解法1

曲線 $y = x^3 - 5x^2 + x + 9$ を $C$ とし、$f(x) = x^3 - 5x^2 + x + 9$ とおく。

導関数は $f'(x) = 3x^2 - 10x + 1$ である。

曲線 $C$ 上の接点の $x$ 座標を $t$ とおくと、接点 $(t, t^3 - 5t^2 + t + 9)$ における接線の方程式は以下のようになる。

$$ y - (t^3 - 5t^2 + t + 9) = (3t^2 - 10t + 1)(x - t) $$

$$ y = (3t^2 - 10t + 1)x - 2t^3 + 5t^2 + 9 $$

この接線が点 $P(-3, 6)$ を通るので、$x = -3$、$y = 6$ を代入する。

$$ 6 = (3t^2 - 10t + 1)(-3) - 2t^3 + 5t^2 + 9 $$

展開して整理する。

$$ 6 = -9t^2 + 30t - 3 - 2t^3 + 5t^2 + 9 $$

$$ 2t^3 + 4t^2 - 30t = 0 $$

$$ 2t(t^2 + 2t - 15) = 0 $$

$$ 2t(t + 5)(t - 3) = 0 $$

これを解くと $t = -5, 0, 3$ を得る。

条件より接点の $x$ 座標は $x \geqq 0$ をみたすので、$t = 0, 3$ である。これが点 $Q, R$ の $x$ 座標となる。

($t = 0$ のとき) 接点の座標は $(0, 9)$、接線の方程式は $y = x + 9$ となる。

($t = 3$ のとき) 接点の座標は $(3, -6)$、接線の方程式は $y = -2x$ となる。

$Q, R$ は順不同であるため、接点 $(0, 9)$ を $Q$、接点 $(3, -6)$ を $R$ としても一般性を失わない。このとき、直線 $PQ$ は $y = x + 9$、直線 $PR$ は $y = -2x$ である。

次に、指定された領域の面積を求めるために、区間ごとの図形の上下関係を調べる。

$-3 \leqq x \leqq 0$ の区間においては、直線 $PQ$ と直線 $PR$ の上下関係を考える。

$$ (x + 9) - (-2x) = 3x + 9 = 3(x + 3) \geqq 0 $$

したがって、この区間では直線 $PQ$ が直線 $PR$ の上にある。

$0 \leqq x \leqq 3$ の区間においては、曲線 $C$ と直線 $PR$ の上下関係を考える。

$$ (x^3 - 5x^2 + x + 9) - (-2x) = x^3 - 5x^2 + 3x + 9 $$

曲線 $C$ と直線 $PR$ は $x = 3$ で接するため、この式は $(x - 3)^2$ を因数にもつ。因数分解すると以下のようになる。

$$ x^3 - 5x^2 + 3x + 9 = (x - 3)^2(x + 1) $$

$0 \leqq x \leqq 3$ においては $(x - 3)^2 \geqq 0$ かつ $x + 1 > 0$ であるため、常に $(x - 3)^2(x + 1) \geqq 0$ となる。したがって、この区間では曲線 $C$ が直線 $PR$ の上にある。

以上より、求める面積 $S$ は次のように立式できる。

$$ S = \int_{-3}^{0} \{ (x + 9) - (-2x) \} dx + \int_{0}^{3} \{ (x^3 - 5x^2 + x + 9) - (-2x) \} dx $$

それぞれの定積分を計算する。

$$ \int_{-3}^{0} (3x + 9) dx = \left[ \frac{3}{2}x^2 + 9x \right]_{-3}^{0} = 0 - \left( \frac{27}{2} - 27 \right) = \frac{27}{2} $$

$$ \int_{0}^{3} (x^3 - 5x^2 + 3x + 9) dx = \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{5}{3}x^3 + \frac{3}{2}x^2 + 9x \right]_{0}^{3} = \frac{81}{4} - 45 + \frac{27}{2} + 27 = \frac{63}{4} $$

これらを足し合わせて面積 $S$ を得る。

$$ S = \frac{27}{2} + \frac{63}{4} = \frac{54}{4} + \frac{63}{4} = \frac{117}{4} $$

解説

「曲線外の点から引いた接線」を求める定石通り、まずは接点の $x$ 座標を文字でおいて接線の方程式を立てることが重要である。面積計算においては、積分区間が接点の $x$ 座標を境に分かれることに注意し、各区間におけるグラフの上下関係を正しく把握する必要がある。また、曲線と接線で囲まれた部分の定積分において、接点の $x$ 座標を $\alpha$ としたときに被積分関数が $(x - \alpha)^2$ を因数にもつ性質を活用すると、計算の検算や符号の確認が容易になる。

答え

$$ \frac{117}{4} $$

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