大阪大学 1978年 文系 第4問 解説

方針・初手
3次関数 $f(x)$ が $x=3$ で極小値 $0$ をとるという条件から、$f(3) = 0$ かつ $f'(3) = 0$ が成り立つ。このことから、$f(x)$ は $(x-3)^2$ を因数にもつことがわかる。これを利用して $f(x) = (ax+b)(x-3)^2$ とおき、接線の条件から未定係数 $a, b$ を決定する。面積の計算では、得られた $f(x)$ のグラフと $x$ 軸の上下関係を調べ、定積分を行う。
解法1
(1)
$f(x)$ は3次式であり、$x=3$ のとき極小値 $0$ をとることから、$f(3) = 0$ かつ $f'(3) = 0$ が成り立つ。 因数定理と微分の性質から、$f(x)$ は $(x-3)^2$ を因数にもつ。 したがって、$f(x)$ を3次式とするために、実数 $a, b$ ($a \neq 0$)を用いて次のように表すことができる。
$$ f(x) = (ax+b)(x-3)^2 $$
これを微分すると、積の微分法より
$$ f'(x) = a(x-3)^2 + (ax+b) \cdot 2(x-3) = (x-3) \{ a(x-3) + 2(ax+b) \} = (x-3)(3ax - 3a + 2b) $$
となる。
次に、曲線 $y=f(x)$ 上の点 $(1, 8)$ における接線の方程式は
$$ y - f(1) = f'(1)(x - 1) $$
である。この接線が点 $(3, 0)$ を通るため、上の式に $x=3, y=0$ を代入して
$$ 0 - f(1) = f'(1)(3 - 1) $$
$$ -f(1) = 2f'(1) $$
を得る。 ここで、点 $(1, 8)$ が曲線 $y=f(x)$ 上にあることから $f(1) = 8$ である。これを代入すると
$$ -8 = 2f'(1) $$
$$ f'(1) = -4 $$
となる。
先ほど求めた $f(x)$ と $f'(x)$ の式に $x=1$ を代入すると
$$ f(1) = (a+b)(1-3)^2 = 4(a+b) $$
$$ f'(1) = (1-3)(3a - 3a + 2b) = -2(2b) = -4b $$
これらがそれぞれ $f(1)=8, f'(1)=-4$ と等しいので
$$ 4(a+b) = 8 $$
$$ -4b = -4 $$
この連立方程式を解くと、$b = 1$、$a = 1$ となる。(これは $a \neq 0$ を満たす) よって、関数 $f(x)$ は
$$ f(x) = (x+1)(x-3)^2 $$
となる。展開すると $f(x) = x^3 - 5x^2 + 3x + 9$ である。 (このとき $f'(x) = (x-3)(3x-1)$ となり、$x=3$ の前後で導関数の符号が負から正へ変わるため、確かに $x=3$ で極小値をとる。)
(2)
(1) の結果より、曲線 $y=f(x)$ と $x$ 軸の交点の $x$ 座標は、$f(x) = 0$ を解いて $x = -1, 3$ である。 区間 $-1 \leqq x \leqq 3$ において、$(x+1) \geqq 0$ かつ $(x-3)^2 \geqq 0$ であるから、$f(x) \geqq 0$ が成り立つ。 したがって、曲線と $x$ 軸で囲まれる図形の面積 $S$ は
$$ S = \int_{-1}^{3} f(x) dx = \int_{-1}^{3} (x+1)(x-3)^2 dx $$
この定積分を計算する際、被積分関数を $(x-3)$ の多項式に変形すると計算が容易になる。$x+1 = (x-3) + 4$ であるから
$$ (x+1)(x-3)^2 = \{ (x-3) + 4 \} (x-3)^2 = (x-3)^3 + 4(x-3)^2 $$
よって、面積 $S$ は
$$ S = \int_{-1}^{3} \{ (x-3)^3 + 4(x-3)^2 \} dx $$
$$ = \left[ \frac{1}{4}(x-3)^4 + \frac{4}{3}(x-3)^3 \right]_{-1}^{3} $$
$$ = 0 - \left\{ \frac{1}{4}(-4)^4 + \frac{4}{3}(-4)^3 \right\} $$
$$ = - \left( 64 - \frac{256}{3} \right) $$
$$ = - \left( \frac{192 - 256}{3} \right) $$
$$ = \frac{64}{3} $$
解説
(1) では、「$x=\alpha$ で極値 $0$ をとる」という条件から、関数が $(x-\alpha)^2$ を因数にもつことを見抜けるかどうかがポイントである。これにより未定係数を減らすことができ、計算が大幅に簡略化される。(2) の面積計算では、被積分関数を展開して項ごとに積分するのも間違いではないが、解説で示したような平行移動の考え方を応用した式変形(または、いわゆる「12分の1公式」の利用)を行うと、代入時の分数の計算ミスを減らすことができる。
答え
(1)
$f(x) = (x+1)(x-3)^2$ (または $f(x) = x^3 - 5x^2 + 3x + 9$)
(2)
$\frac{64}{3}$
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