東京大学 2007年 文系 第2問 解説

方針・初手
$n$ 回目の操作によって得られる円の半径や面積の和が、直前の状態からどのように変化するかに着目する。 操作 (P) によって $1$ つの円が $2$ つに分割されたときの、周の長さの和と面積の和の変化率をそれぞれ求め、漸化式を立てて一般項を導く。
解法1
$k$ 回目の操作で得られる $2^k$ 個の円の半径を、それぞれ $R_{k,1}, R_{k,2}, \dots, R_{k,2^k}$ とおく。 最初の円は $0$ 回目の操作で得られたと考え、$R_{0,1} = 1$ とする。 操作 (P) の条件 (1) より、半径 $R$ の円に対して操作を行ったとき、新しくできる $2$ つの円の半径は $rR$ と $(1-r)R$ である。
(1)
$k$ 回目の操作で得られる $2^k$ 個の円の周の長さの和を $L_k$ とすると、
$$ L_k = \sum_{i=1}^{2^k} 2\pi R_{k,i} $$
である。
$k$ 回目の操作で得られたそれぞれの円に対して操作 (P) を行い、$k+1$ 回目の状態になるため、
$$ \begin{aligned} L_{k+1} &= \sum_{i=1}^{2^k} \{ 2\pi (r R_{k,i}) + 2\pi (1-r) R_{k,i} \} \\ &= \sum_{i=1}^{2^k} 2\pi (r + 1 - r) R_{k,i} \\ &= \sum_{i=1}^{2^k} 2\pi R_{k,i} \\ &= L_k \end{aligned} $$
が成り立つ。
すなわち、数列 $\{L_k\}$ はすべての項が等しい定数数列である。 最初の円の周の長さは $L_0 = 2\pi \cdot 1 = 2\pi$ であるから、求める $n$ 回目の操作で得られる円の周の長さの和 $L_n$ は、
$$ L_n = 2\pi $$
となる。
(2)
$k$ 回目の操作で得られる $2^k$ 個の円の面積の和を $S_k$ とすると、
$$ S_k = \sum_{i=1}^{2^k} \pi R_{k,i}^2 $$
である。
(1)と同様に、$k+1$ 回目の操作後の面積の和 $S_{k+1}$ を考えると、
$$ \begin{aligned} S_{k+1} &= \sum_{i=1}^{2^k} \{ \pi (r R_{k,i})^2 + \pi ((1-r) R_{k,i})^2 \} \\ &= \sum_{i=1}^{2^k} \pi R_{k,i}^2 \{ r^2 + (1-r)^2 \} \\ &= (2r^2 - 2r + 1) \sum_{i=1}^{2^k} \pi R_{k,i}^2 \\ &= (2r^2 - 2r + 1) S_k \end{aligned} $$
が成り立つ。
すなわち、数列 $\{S_k\}$ は、初項 $S_0 = \pi \cdot 1^2 = \pi$、公比 $2r^2 - 2r + 1$ の等比数列であるから、
$$ S_k = \pi (2r^2 - 2r + 1)^k $$
と表される。
求める $2$ 回目の操作で得られる円の面積の和は $S_2$ であるから、
$$ S_2 = \pi (2r^2 - 2r + 1)^2 $$
となる。
(3)
(2)で求めた一般項より、$n$ 回目の操作で得られる $2^n$ 個の円の面積の和 $S_n$ は、
$$ S_n = \pi (2r^2 - 2r + 1)^n $$
となる。
解説
図の複雑さに惑わされず、$1$ つの円に対する操作 (P) の影響だけを取り出して考えることができれば、計算は非常に平易である。 全体を一度に考えるのではなく、あるステップにおける $1$ つの要素(今回は $1$ つの円)が次のステップでどのように変化するかを把握し、その総和をとるという漸化式のアプローチが有効である。
答え
(1)
$2\pi$
(2)
$\pi(2r^2-2r+1)^2$
(3)
$\pi(2r^2-2r+1)^n$
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