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東京大学 1967年 理系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/速度・距離
東京大学 1967年 理系 第2問 解説

方針・初手

自動車と飛行機の位置を、時刻を変数とした座標を設定してベクトルで処理する。空間座標において、東、北、鉛直上向きをそれぞれ $x$ 軸、$y$ 軸、$z$ 軸の正の向きとして定式化すると見通しがよい。

解法1

東、北、鉛直上向きをそれぞれ $x$ 軸、$y$ 軸、$z$ 軸の正の方向とする空間座標を設定する。長さの単位を $\text{km}$ とする。

自動車の時速は $100\text{km}$ であり、飛行機の時速は $100\sqrt{7}\text{km}$ である。 $36$ 秒の時間は $\frac{36}{3600} = \frac{1}{100}$ 時間であるため、この間の自動車と飛行機の移動距離はそれぞれ以下のようになる。

自動車の移動距離:

$$ 100 \times \frac{1}{100} = 1 $$

飛行機の移動距離:

$$ 100\sqrt{7} \times \frac{1}{100} = \sqrt{7} $$

最初の時刻を $t=0$ とし、このときの自動車の位置を原点 $O(0, 0, 0)$ とする。自動車は南から北へ進むため、$36$ 秒後の自動車の位置は $(0, 1, 0)$ となる。

飛行機の高度を $h$ とおく。 $t=0$ において、自動車から見て飛行機はちょうど西の方向($x$ 軸の負の方向)に仰角 $30^\circ$ に見えた。飛行機の水平面上への正射影と自動車との距離は $\frac{h}{\tan 30^\circ} = \sqrt{3}h$ であるから、$t=0$ における飛行機の位置 $P_0$ は以下のようになる。

$$ P_0(-\sqrt{3}h, 0, h) $$

$36$ 秒後において、自動車から見て飛行機は北から $30^\circ$ 西の方向に仰角 $30^\circ$ に見えた。このときも仰角は $30^\circ$ であるから、水平面上での自動車と飛行機の距離は $\sqrt{3}h$ である。 北($y$ 軸正の方向)から西($x$ 軸負の方向)へ $30^\circ$ の方向の単位ベクトルは $(-\sin 30^\circ, \cos 30^\circ, 0) = \left(-\frac{1}{2}, \frac{\sqrt{3}}{2}, 0\right)$ である。 したがって、$36$ 秒後の自動車の位置 $(0, 1, 0)$ から見た飛行機の相対位置ベクトルは $\left(-\frac{\sqrt{3}}{2}h, \frac{3}{2}h, h\right)$ となるため、このときの飛行機の位置 $P_1$ は以下のようになる。

$$ P_1\left(-\frac{\sqrt{3}}{2}h, 1 + \frac{3}{2}h, h\right) $$

飛行機は一直線上を飛んでいるため、この $36$ 秒間の飛行機の変位ベクトルの大きさは、移動距離 $\sqrt{7}$ に等しい。 変位ベクトル $\vec{P_0 P_1}$ は以下の通り計算できる。

$$ \begin{aligned} \vec{P_0 P_1} &= P_1 - P_0 \\ &= \left(-\frac{\sqrt{3}}{2}h - (-\sqrt{3}h), 1 + \frac{3}{2}h - 0, h - h\right) \\ &= \left(\frac{\sqrt{3}}{2}h, 1 + \frac{3}{2}h, 0\right) \end{aligned} $$

この変位ベクトルの大きさが $\sqrt{7}$ であることから、以下の等式が成り立つ。

$$ \left(\frac{\sqrt{3}}{2}h\right)^2 + \left(1 + \frac{3}{2}h\right)^2 = (\sqrt{7})^2 $$

これを展開して整理する。

$$ \begin{aligned} \frac{3}{4}h^2 + \left(1 + 3h + \frac{9}{4}h^2\right) &= 7 \\ 3h^2 + 3h + 1 &= 7 \\ 3h^2 + 3h - 6 &= 0 \\ h^2 + h - 2 &= 0 \\ (h+2)(h-1) &= 0 \end{aligned} $$

飛行機の高度 $h$ は正であるから、$h = 1$ を得る。 単位は $\text{km}$ で計算したため、飛行機の高度は $1\text{km}$、すなわち $1000\text{m}$ である。

解説

移動する観測者からの相対位置を扱う空間図形の問題である。状況を図に描いて幾何的に解くことも可能であるが、適当な直交座標系を導入してベクトルで処理する方が、立体の把握に頭を悩ませることなく機械的な計算に持ち込めるため確実性が高い。単位の変換(時間を $\text{h}$ に直して距離を $\text{km}$ で求めること)と、最終的な解答の単位($\text{m}$)に注意して処理する必要がある。

答え

$1000$

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