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東京大学 2016年 理系 第3問 解説

数学C/空間ベクトル数学2/微分法テーマ/空間図形テーマ/面積・体積テーマ/最大・最小
東京大学 2016年 理系 第3問 解説

方針・初手

点 $Q$ と各点 $P_1, P_2, P_3$ を通る直線の方程式をベクトルや媒介変数を用いて立式し、$xy$ 平面($z = 0$)との交点である $R_1, R_2, R_3$ の座標をそれぞれ求める。 求めた3点からなる三角形 $R_1R_2R_3$ の面積 $S(a)$ を $a$ の関数として表し、微分を用いて最小値を求める。

解法1

点 $Q(0, 0, a)$ と点 $P_k(x_k, y_k, z_k)$ を通る直線上の点は、実数 $t$ を用いて

$$ (0, 0, a) + t(x_k, y_k, z_k - a) = (tx_k, ty_k, a + t(z_k - a)) $$

と表される。 この直線と $xy$ 平面との交点 $R_k$ においては $z$ 座標が $0$ であるから、

$$ a + t(z_k - a) = 0 $$

が成り立つ。$1 < a < 3$ であり、与えられた $P_1, P_2, P_3$ の $z$ 座標は $1$ または $3$ であるから、$z_k - a \neq 0$ となり、

$$ t = \frac{a}{a - z_k} $$

と定まる。このとき、交点 $R_k$ の $x$ 座標と $y$ 座標はそれぞれ $x = \frac{a x_k}{a - z_k}$、$y = \frac{a y_k}{a - z_k}$ となる。

これを用いて $R_1, R_2, R_3$ の座標を求める。

($R_1$ の座標)

$P_1(1, 0, 1)$ より、$x_1 = 1, y_1 = 0, z_1 = 1$ であるから、

$$ R_1 \left( \frac{a}{a-1}, 0, 0 \right) $$

($R_2$ の座標)

$P_2(1, 1, 1)$ より、$x_2 = 1, y_2 = 1, z_2 = 1$ であるから、

$$ R_2 \left( \frac{a}{a-1}, \frac{a}{a-1}, 0 \right) $$

($R_3$ の座標)

$P_3(1, 0, 3)$ より、$x_3 = 1, y_3 = 0, z_3 = 3$ であるから、

$$ R_3 \left( \frac{a}{a-3}, 0, 0 \right) $$

点 $R_1, R_2, R_3$ はいずれも $xy$ 平面上にあるため、$z$ 座標を省略して2次元平面上で考える。 $R_1 \left( \frac{a}{a-1}, 0 \right)$ と $R_3 \left( \frac{a}{a-3}, 0 \right)$ はともに $x$ 軸上の点であり、線分 $R_1R_2$ は $y$ 軸に平行である。 したがって、三角形 $R_1R_2R_3$ は $\angle R_1 = 90^\circ$ の直角三角形となる。 底辺を線分 $R_1R_3$、高さを線分 $R_1R_2$ とみると、それぞれの長さは、

$$ \begin{aligned} R_1R_3 &= \left| \frac{a}{a-1} - \frac{a}{a-3} \right| = \left| \frac{a(a-3) - a(a-1)}{(a-1)(a-3)} \right| = \left| \frac{-2a}{(a-1)(a-3)} \right| \\ R_1R_2 &= \left| \frac{a}{a-1} \right| \end{aligned} $$

ここで、$1 < a < 3$ より $a > 0$、$a-1 > 0$、$a-3 < 0$ であるから、

$$ \begin{aligned} R_1R_3 &= \frac{-2a}{(a-1)(a-3)} = \frac{2a}{(a-1)(3-a)} \\ R_1R_2 &= \frac{a}{a-1} \end{aligned} $$

となる。よって、三角形 $R_1R_2R_3$ の面積 $S(a)$ は、

$$ \begin{aligned} S(a) &= \frac{1}{2} \cdot R_1R_3 \cdot R_1R_2 \\ &= \frac{1}{2} \cdot \frac{2a}{(a-1)(3-a)} \cdot \frac{a}{a-1} \\ &= \frac{a^2}{(a-1)^2(3-a)} \end{aligned} $$

次に $S(a)$ の最小値を求めるために、$a$ で微分する。 $1 < a < 3$ において $S(a) > 0$ であるから、両辺の自然対数をとると、

$$ \log S(a) = 2 \log a - 2 \log (a-1) - \log (3-a) $$

両辺を $a$ で微分して、

$$ \begin{aligned} \frac{S'(a)}{S(a)} &= \frac{2}{a} - \frac{2}{a-1} + \frac{1}{3-a} \\ &= \frac{2(a-1) - 2a}{a(a-1)} + \frac{1}{3-a} \\ &= \frac{-2}{a(a-1)} + \frac{1}{3-a} \\ &= \frac{-2(3-a) + a(a-1)}{a(a-1)(3-a)} \\ &= \frac{a^2 + a - 6}{a(a-1)(3-a)} \\ &= \frac{(a+3)(a-2)}{a(a-1)(3-a)} \end{aligned} $$

ゆえに、

$$ S'(a) = S(a) \cdot \frac{(a+3)(a-2)}{a(a-1)(3-a)} $$

$1 < a < 3$ の範囲において、$S(a) > 0$、$a(a-1)(3-a) > 0$、$a+3 > 0$ であるから、$S'(a)$ の符号は $a-2$ の符号と一致する。 したがって、$S'(a) = 0$ となるのは $a=2$ のときのみであり、増減表は以下のようになる。

$a$ $(1)$ $\cdots$ $2$ $\cdots$ $(3)$
$S'(a)$ $-$ $0$ $+$
$S(a)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

増減表より、$S(a)$ は $a=2$ のとき最小値をとる。 そのときの最小値は、

$$ S(2) = \frac{2^2}{(2-1)^2(3-2)} = \frac{4}{1^2 \cdot 1} = 4 $$

解説

空間図形における直線と平面の交点を求める典型問題である。直線のベクトル方程式を成分表示し、$xy$ 平面上の点であること($z=0$)から媒介変数を決定する基本操作を確実に行いたい。 三角形の面積を求めた後は、分数関数の微分計算となる。計算量が多くなりがちな商の微分法を避けるために、対数微分法を用いると計算ミスを減らしやすく見通しが良くなる。関数の符号が正であることが保証されている場合に有効な計算手法である。

答え

$a=2$ のとき、最小値 $4$

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