北海道大学 1963年 文系 第2問 解説

方針・初手
- 対称性から、正三角形 $\text{AEF}$ の頂点 $\text{E}, \text{F}$ が正方形のどの辺上にあるかを確定する。
- 頂点 $\text{A}$ における角度に注目し、三角比を用いて正三角形の1辺の長さを求めるか、線分の長さを文字でおいて三平方の定理から方程式を立てる。
- 後半の正三角形に内接する正方形については、直角三角形の辺の比を用いて、正方形の1辺の長さと正三角形の1辺の長さの関係式を導く。
解法1
正三角形 $\text{AEF}$ が正方形 $\text{ABCD}$ に内接しているとき、$\text{E}$ と $\text{F}$ が同じ辺上にあると正三角形にならないため、$\text{E}$ と $\text{F}$ はそれぞれ辺 $\text{BC}$、辺 $\text{CD}$ 上にあるとして一般性を失わない。
直角三角形 $\triangle \text{ABE}$ と $\triangle \text{ADF}$ において、$\text{AB} = \text{AD} = 1$ であり、$\text{AE} = \text{AF}$(正三角形の辺)である。直角三角形の斜辺と他の1辺がそれぞれ等しいため、$\triangle \text{ABE} \equiv \triangle \text{ADF}$ が成り立つ。
これより $\angle \text{BAE} = \angle \text{DAF}$ である。 $\angle \text{BAD} = 90^\circ$、$\angle \text{EAF} = 60^\circ$ であるから、
$$ \angle \text{BAE} + \angle \text{DAF} = 90^\circ - 60^\circ = 30^\circ $$
となり、$\angle \text{BAE} = 15^\circ$ が得られる。
直角三角形 $\triangle \text{ABE}$ において、
$$ \text{AE} = \frac{\text{AB}}{\cos 15^\circ} = \frac{1}{\cos 15^\circ} $$
半角の公式より、
$$ \cos^2 15^\circ = \frac{1 + \cos 30^\circ}{2} = \frac{1 + \frac{\sqrt{3}}{2}}{2} = \frac{2+\sqrt{3}}{4} $$
したがって、$\text{AE}^2$ は次のようになる。
$$ \text{AE}^2 = \frac{4}{2+\sqrt{3}} = 4(2-\sqrt{3}) = 8 - 4\sqrt{3} $$
正三角形 $\text{AEF}$ の面積を $S$ とすると、
$$ S = \frac{1}{2} \text{AE} \cdot \text{AF} \sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{4} \text{AE}^2 $$
$$ S = \frac{\sqrt{3}}{4} \cdot 4(2-\sqrt{3}) = 2\sqrt{3} - 3 $$
次に、正三角形 $\text{AEF}$ に内接する正方形 $\text{PQRS}$ の1辺の長さを $y$ とし、正三角形の1辺の長さを $a$ とする。 $\text{QR}$ が辺 $\text{EF}$ 上にあるとき、$\text{PQ} \perp \text{EF}$、$\text{SR} \perp \text{EF}$ である。直角三角形 $\triangle \text{PEQ}$ において、$\angle \text{PEQ} = 60^\circ$ であるから、
$$ \text{EQ} = \frac{\text{PQ}}{\tan 60^\circ} = \frac{y}{\sqrt{3}} $$
対称性から $\text{RF} = \frac{y}{\sqrt{3}}$ であり、辺 $\text{EF}$ の長さ $a$ について次が成り立つ。
$$ a = \text{EQ} + \text{QR} + \text{RF} = \frac{y}{\sqrt{3}} + y + \frac{y}{\sqrt{3}} = \frac{2+\sqrt{3}}{\sqrt{3}} y $$
よって、$y$ は次のように表される。
$$ y = \frac{\sqrt{3}}{2+\sqrt{3}} a = \sqrt{3}(2-\sqrt{3}) a = (2\sqrt{3}-3) a $$
ここで、$a = \text{AE} = \sqrt{8-4\sqrt{3}}$ である。二重根号を外すと、
$$ a = \sqrt{8 - 2\sqrt{12}} = \sqrt{6} - \sqrt{2} $$
したがって、求める正方形の1辺の長さ $y$ は、
$$ y = (2\sqrt{3}-3)(\sqrt{6}-\sqrt{2}) = 2\sqrt{18} - 2\sqrt{6} - 3\sqrt{6} + 3\sqrt{2} = 9\sqrt{2} - 5\sqrt{6} $$
解法2
$\triangle \text{ABE} \equiv \triangle \text{ADF}$ であることから、$\text{BE} = \text{DF} = x$ ($0 < x < 1$) とおく。 直角三角形 $\triangle \text{ABE}$ において三平方の定理より、
$$ \text{AE}^2 = 1^2 + x^2 = 1+x^2 $$
また、$\text{CE} = \text{CF} = 1-x$ であるから、直角三角形 $\triangle \text{ECF}$ において三平方の定理より、
$$ \text{EF}^2 = (1-x)^2 + (1-x)^2 = 2(1-x)^2 $$
正三角形であるため $\text{AE}^2 = \text{EF}^2$ が成り立つ。
$$ 1+x^2 = 2(1-2x+x^2) $$
整理して、
$$ x^2 - 4x + 1 = 0 $$
$0 < x < 1$ の条件から、
$$ x = 2 - \sqrt{3} $$
このとき、$\text{AE}^2$ は次のようになる。
$$ \text{AE}^2 = 1 + (2-\sqrt{3})^2 = 8 - 4\sqrt{3} $$
正三角形 $\text{AEF}$ の面積 $S$ は、
$$ S = \frac{\sqrt{3}}{4} \text{AE}^2 = \frac{\sqrt{3}}{4} (8 - 4\sqrt{3}) = 2\sqrt{3} - 3 $$
後半の正方形 $\text{PQRS}$ の1辺の長さを求める手順は、解法1と同様であるため省略する。
解説
正方形に内接する正三角形の配置は、対称性を利用して頂点がどの辺上にあるかを特定することが第一歩となる。本問では幾何的な角度の考察による解法(解法1)と、代数的に三平方の定理を用いて方程式を立てる解法(解法2)のいずれも有効である。後半の正三角形に内接する正方形については、線分の長さを分割して和をとる($\text{EF} = \text{EQ} + \text{QR} + \text{RF}$)ことで、容易に比率を求めることができる。二重根号の簡略化も正確に行う必要がある。
答え
正三角形 $\text{AEF}$ の面積: $2\sqrt{3} - 3$
正方形 $\text{PQRS}$ の1辺 $\text{QR}$ の長さ: $9\sqrt{2} - 5\sqrt{6}$
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