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北海道大学 1970年 文系 第5問 解説

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北海道大学 1970年 文系 第5問 解説

方針・初手

与えられた関数を $f(x)$ とおき、その導関数 $f'(x)$ を計算する。3次関数が極値を持つか持たないかは、$f'(x) = 0$ が異なる2つの実数解を持つかどうかに帰着される。極値をとる $x$ の値が求まれば、増減表(または $x^2$ の係数の符号)から極大値と極小値を判定できる。極大値はパラメータ $a$ によって場合分けが生じることに注意する。

解法1

関数を次のように定義する。

$$ f(x) = x^3 - \frac{3}{2}(a-1)x^2 - 3ax + 2 $$

$f(x)$ を微分すると、

$$ \begin{aligned} f'(x) &= 3x^2 - 3(a-1)x - 3a \\ &= 3\{x^2 - (a-1)x - a\} \\ &= 3(x-a)(x+1) \end{aligned} $$

となる。$f'(x) = 0$ の解は $x = a, -1$ である。

(1)

3次関数が極値をもたないための必要十分条件は、$f'(x) = 0$ が実数の重解をもつ、または実数解をもたないことである。

今回は $f'(x) = 0$ が実数解 $x = a, -1$ をもつので、これらが一致するとき、すなわち重解をもつときに極値をもたない。

したがって、求める条件は $a = -1$ である。

(2)

(1)より、$a \neq -1$ のとき $f(x)$ は $x = a, -1$ で極値をとる。極大値をとる $x$ の値は $a$ と $-1$ の大小関係によって変わるため、場合分けを行う。

(i) $a < -1$ のとき

$f'(x)$ の符号は $x < a$ で正、$a < x < -1$ で負、$-1 < x$ で正となる。したがって、$f(x)$ は $x = a$ で極大値をとる。

極大値は、

$$ \begin{aligned} f(a) &= a^3 - \frac{3}{2}(a-1)a^2 - 3a^2 + 2 \\ &= a^3 - \frac{3}{2}a^3 + \frac{3}{2}a^2 - 3a^2 + 2 \\ &= -\frac{1}{2}a^3 - \frac{3}{2}a^2 + 2 \end{aligned} $$

(ii) $a > -1$ のとき

$f'(x)$ の符号は $x < -1$ で正、$-1 < x < a$ で負、$a < x$ で正となる。したがって、$f(x)$ は $x = -1$ で極大値をとる。

極大値は、

$$ \begin{aligned} f(-1) &= (-1)^3 - \frac{3}{2}(a-1)(-1)^2 - 3a(-1) + 2 \\ &= -1 - \frac{3}{2}(a-1) + 3a + 2 \\ &= 1 - \frac{3}{2}a + \frac{3}{2} + 3a \\ &= \frac{3}{2}a + \frac{5}{2} \end{aligned} $$

(3)

(2)で求めた極大値を $g(a)$ とおく。

(i) $a < -1$ のとき

$$ g(a) = -\frac{1}{2}a^3 - \frac{3}{2}a^2 + 2 $$

$g(a)$ を $a$ について微分すると、

$$ \begin{aligned} g'(a) &= -\frac{3}{2}a^2 - 3a \\ &= -\frac{3}{2}a(a+2) \end{aligned} $$

$g'(a) = 0$ となるのは $a = 0, -2$ である。$a < -1$ の範囲において $g'(a) = 0$ となるのは $a = -2$ のみである。 $a < -2$ のとき $g'(a) < 0$、$-2 < a < -1$ のとき $g'(a) > 0$ となるため、$g(a)$ は $a = -2$ で極小かつ最小となる。

そのときの値は、

$$ g(-2) = -\frac{1}{2}(-8) - \frac{3}{2}(4) + 2 = 4 - 6 + 2 = 0 $$

(ii) $a > -1$ のとき

$$ g(a) = \frac{3}{2}a + \frac{5}{2} $$

このとき $g(a)$ は単調増加である。さらに、$a > -1$ において $g(a) > g(-1) = 1$ を満たすため、この範囲に最小値は存在しない。

(i)(ii) より、極大値の最小値は $0$ であり、そのときの $a$ の値は $a = -2$ である。

(4)

3次関数のグラフが $x$ 軸に接するための条件は、関数が極値をもち、かつ「極大値が $0$」または「極小値が $0$」となることである。 つまり、極値をとる $x$ の値 $a, -1$ について、$f(a) = 0$ または $f(-1) = 0$ となればよい。極値をもつ必要があるので $a \neq -1$ が前提となる。

$f(a) = 0$ のとき

$$ -\frac{1}{2}a^3 - \frac{3}{2}a^2 + 2 = 0 $$

両辺に $-2$ を掛けて整理する。

$$ a^3 + 3a^2 - 4 = 0 $$

因数定理を用いて因数分解する。

$$ \begin{aligned} (a-1)(a^2 + 4a + 4) &= 0 \\ (a-1)(a+2)^2 &= 0 \end{aligned} $$

よって、$a = 1, -2$ である。これらは $a \neq -1$ を満たす。

$f(-1) = 0$ のとき

$$ \frac{3}{2}a + \frac{5}{2} = 0 $$

$$ 3a + 5 = 0 $$

よって、$a = -\frac{5}{3}$ である。これも $a \neq -1$ を満たす。

以上より、求める $a$ の値は $a = 1, -2, -\frac{5}{3}$ である。

解説

文字係数を含む3次関数の極値、およびグラフと $x$ 軸の接条件を扱う標準的な問題である。(2)で極大値をとる $x$ が $a$ の値によって切り替わるため、場合分けが必要となる点がポイントである。 (4)の「3次関数が $x$ 軸に接する」という条件は、「(極大値) $\times$ (極小値) $= 0$」と言い換えることもできる。本問ではすでに $f(a)$ と $f(-1)$ の式を求めていたため、それぞれが $0$ になる方程式を立てて解くのが自然な流れである。

答え

(1) $a = -1$

(2) $a < -1$ のとき、$-\frac{1}{2}a^3 - \frac{3}{2}a^2 + 2$ $a > -1$ のとき、$\frac{3}{2}a + \frac{5}{2}$

(3) $a = -2$

(4) $a = 1, -2, -\frac{5}{3}$

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