北海道大学 1989年 文系 第4問 解説

方針・初手
(1) は点 P の $x$ 座標を文字で置き、接線の方程式を求めて各点の座標を計算します。座標から線分の長さを求めて比を計算するという、素直な計算問題です。
(2) は「関数 $f(x)$ が最大値をもつ」ための条件に注意します。4次関数が最大値をもつためには、最高次である $x^4$ の係数が負である必要があります。最大値を与える $x$ の値(導関数 $f'(x)=0$ を満たす値)を求め、その点での座標が直線 $y=x$ 上にあるという条件を立式します。
解法1
(1)
曲線 $y = f(x)$ 上の原点 O 以外の点 P の $x$ 座標を $p$ $(p \neq 0)$ とおく。 点 P の座標は $(p, ap^4 + a^2p)$ である。
$f(x) = ax^4 + a^2x$ より、導関数は以下のようになる。
$$ f'(x) = 4ax^3 + a^2 $$
点 P における接線の方程式は、
$$ y - (ap^4 + a^2p) = (4ap^3 + a^2)(x - p) $$
整理すると、
$$ y = (4ap^3 + a^2)x - 3ap^4 $$
この接線が $y$ 軸と交わる点 Q の $y$ 座標は、$x=0$ を代入して $-3ap^4$ である。 したがって、点 Q の座標は $(0, -3ap^4)$ となり、線分 OQ の長さは以下のようになる。
$$ \mathrm{OQ} = |-3ap^4| = 3|a|p^4 $$
次に、点 P $(p, ap^4 + a^2p)$ を通り $y$ 軸に平行な直線の方程式は $x = p$ である。 この直線と直線 $y = a^2x$ の交点 R の座標は $(p, a^2p)$ である。 線分 PR は $y$ 軸に平行であるから、その長さは点 P と点 R の $y$ 座標の差の絶対値となる。
$$ \mathrm{PR} = |(ap^4 + a^2p) - a^2p| = |ap^4| = |a|p^4 $$
$a \neq 0$ かつ $p \neq 0$ より $|a|p^4 \neq 0$ であるから、求める線分の長さの比は以下のようになる。
$$ \mathrm{OQ} : \mathrm{PR} = 3|a|p^4 : |a|p^4 = 3 : 1 $$
(2)
関数 $f(x) = ax^4 + a^2x$ が最大値をもつためには、$x^4$ の係数 $a$ が負でなければならない。 よって、以下の条件が必要である。
$$ a < 0 $$
このとき、$f'(x) = 4ax^3 + a^2 = 0$ とすると、
$$ x^3 = -\frac{a^2}{4a} = -\frac{a}{4} $$
これを満たす実数 $x$ はただ1つ存在し、それを $x = \alpha$ とおく。すなわち、
$$ \alpha^3 = -\frac{a}{4} $$
である。$a < 0$ より $f(x)$ は $x = \alpha$ で単調増加から単調減少に転じるため、$x = \alpha$ で最大値 $f(\alpha)$ をとる。
条件より、この最大値を与える点 $(\alpha, f(\alpha))$ は、曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=x$ の交点である。 したがって、この点は直線 $y=x$ 上にあるため、次が成り立つ。
$$ f(\alpha) = \alpha $$
すなわち、
$$ a\alpha^4 + a^2\alpha = \alpha $$
$$ \alpha(a\alpha^3 + a^2 - 1) = 0 $$
ここで $\alpha = 0$ と仮定すると、$\alpha^3 = -\frac{a}{4} = 0$ より $a=0$ となるが、これは $a \neq 0$ に矛盾する。 よって $\alpha \neq 0$ であるから、次が成り立つ。
$$ a\alpha^3 + a^2 - 1 = 0 $$
これに $\alpha^3 = -\frac{a}{4}$ を代入して $a$ の方程式を解く。
$$ a \left( -\frac{a}{4} \right) + a^2 - 1 = 0 $$
$$ -\frac{1}{4}a^2 + a^2 - 1 = 0 $$
$$ \frac{3}{4}a^2 = 1 $$
$$ a^2 = \frac{4}{3} $$
$$ a = \pm \frac{2}{\sqrt{3}} = \pm \frac{2\sqrt{3}}{3} $$
$a < 0$ の条件を満たすのは負の方である。
$$ a = -\frac{2\sqrt{3}}{3} $$
このとき、確かに $f(x)$ は最大値をもち、その点が直線 $y=x$ 上にあるため条件を満たす。
解説
(1) は基本的な微分法の計算問題です。文字が多くなりますが、慌てずに各点の座標を文字式で表し、絶対値をつけて距離を求めれば確実に解けます。
(2) は「関数が最大値をもつ」という記述から、4次関数のグラフの形状(上に凸の概形が必要)を決定し、$a < 0$ の条件を引き出せるかが最大のポイントです。この条件を見落とすと、解の吟味ができなくなります。また、「交点の中のどれかが最大値を与える」と捉えるより、「最大値を与える点が $y=x$ 上にある」と解釈して立式すると、論理の飛躍なくスムーズに解き進めることができます。
答え
(1) $3 : 1$
(2) $a = -\frac{2\sqrt{3}}{3}$
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