北海道大学 2021年 文系 第2問 解説

方針・初手
内積の定義と垂直条件を利用して位置ベクトルを決定していく、平面ベクトルの標準的な問題である。 (1)では、点Fが直線OA上にあることから定数倍で表し、$\vec{BF} \perp \vec{OA}$ の条件からその定数を定める。 (2)では、直線に関する対称点の性質を用いる。線分DEの中点が直線OA上にあり、かつ直線DEと直線OAが直交するという条件からアプローチする。 (3)は、(1)と(2)で求めた結果を利用してベクトルの大きさを計算し、与えられた等式から $|\vec{b}|$ についての方程式を立てて解く。
解法1
(1)
点Fは直線OA上にあるので、実数 $k$ を用いて $\vec{OF} = k\vec{a}$ と表せる。
$\vec{BF} \perp \vec{OA}$ であるから、内積について以下が成り立つ。
$$ \vec{BF} \cdot \vec{OA} = 0 $$
ここで、$\vec{BF} = \vec{OF} - \vec{OB} = k\vec{a} - \vec{b}$ であり、$\vec{OA} = \vec{a}$ であるから、
$$ (k\vec{a} - \vec{b}) \cdot \vec{a} = 0 $$
展開して整理すると、
$$ k|\vec{a}|^2 - \vec{a} \cdot \vec{b} = 0 $$
問題の条件より $|\vec{a}| = 4$、$\vec{a} \cdot \vec{b} = 6$ であるから、これらを代入して
$$ 16k - 6 = 0 $$
これより $k = \frac{3}{8}$ となる。
したがって、
$$ \vec{OF} = \frac{3}{8}\vec{a} $$
(2)
点Dは辺ABを2:1に内分するので、位置ベクトルは次のように表される。
$$ \vec{OD} = \frac{1 \cdot \vec{OA} + 2 \cdot \vec{OB}}{2+1} = \frac{1}{3}\vec{a} + \frac{2}{3}\vec{b} $$
直線OAに関して点Dと対称な点がEである。線分DEの中点をMとすると、点Mは直線OA上にあり、直線DEは直線OAと垂直に交わる。
点Mは直線OA上にあるので、実数 $t$ を用いて $\vec{OM} = t\vec{a}$ と表せる。
$\vec{DM} \perp \vec{OA}$ であるから、
$$ \vec{DM} \cdot \vec{OA} = 0 $$
ここで、$\vec{DM} = \vec{OM} - \vec{OD} = t\vec{a} - \left(\frac{1}{3}\vec{a} + \frac{2}{3}\vec{b}\right) = \left(t - \frac{1}{3}\right)\vec{a} - \frac{2}{3}\vec{b}$ となるため、
$$ \left\{ \left(t - \frac{1}{3}\right)\vec{a} - \frac{2}{3}\vec{b} \right\} \cdot \vec{a} = 0 $$
展開すると、
$$ \left(t - \frac{1}{3}\right)|\vec{a}|^2 - \frac{2}{3}\vec{a} \cdot \vec{b} = 0 $$
$|\vec{a}| = 4$、$\vec{a} \cdot \vec{b} = 6$ を代入して、
$$ 16\left(t - \frac{1}{3}\right) - \frac{2}{3} \cdot 6 = 0 $$
$$ 16t - \frac{16}{3} - 4 = 0 $$
$$ 16t = \frac{28}{3} $$
これを解いて $t = \frac{7}{12}$ を得る。よって、
$$ \vec{OM} = \frac{7}{12}\vec{a} $$
点Mは線分DEの中点であるから、$\vec{OM} = \frac{\vec{OD} + \vec{OE}}{2}$ が成り立つ。ゆえに、
$$ \vec{OE} = 2\vec{OM} - \vec{OD} $$
求めたベクトルを代入して計算すると、
$$ \vec{OE} = 2 \left(\frac{7}{12}\vec{a}\right) - \left(\frac{1}{3}\vec{a} + \frac{2}{3}\vec{b}\right) $$
$$ \vec{OE} = \frac{7}{6}\vec{a} - \frac{1}{3}\vec{a} - \frac{2}{3}\vec{b} = \frac{5}{6}\vec{a} - \frac{2}{3}\vec{b} $$
(3)
(1)の結果を用いると、$\vec{OF}$ の大きさは以下のように求められる。
$$ |\vec{OF}| = \left|\frac{3}{8}\vec{a}\right| = \frac{3}{8}|\vec{a}| = \frac{3}{8} \cdot 4 = \frac{3}{2} $$
与えられた条件式 $9|\vec{OE}| = 20|\vec{OF}|$ に代入すると、
$$ 9|\vec{OE}| = 20 \cdot \frac{3}{2} = 30 $$
よって、$|\vec{OE}| = \frac{10}{3}$ となり、両辺を2乗して
$$ |\vec{OE}|^2 = \frac{100}{9} $$
一方で、(2)で求めた $\vec{OE}$ の式から大きさを計算する。
$$ |\vec{OE}|^2 = \left|\frac{5}{6}\vec{a} - \frac{2}{3}\vec{b}\right|^2 $$
$$ |\vec{OE}|^2 = \frac{25}{36}|\vec{a}|^2 - 2 \cdot \frac{5}{6} \cdot \frac{2}{3} (\vec{a} \cdot \vec{b}) + \frac{4}{9}|\vec{b}|^2 $$
$|\vec{a}|^2 = 16$、$\vec{a} \cdot \vec{b} = 6$ を代入すると、
$$ |\vec{OE}|^2 = \frac{25}{36} \cdot 16 - \frac{20}{18} \cdot 6 + \frac{4}{9}|\vec{b}|^2 $$
$$ |\vec{OE}|^2 = \frac{100}{9} - \frac{60}{9} + \frac{4}{9}|\vec{b}|^2 = \frac{40}{9} + \frac{4}{9}|\vec{b}|^2 $$
この結果を先ほどの値と等置して方程式を解く。
$$ \frac{40}{9} + \frac{4}{9}|\vec{b}|^2 = \frac{100}{9} $$
$$ \frac{4}{9}|\vec{b}|^2 = \frac{60}{9} $$
$$ 4|\vec{b}|^2 = 60 $$
$$ |\vec{b}|^2 = 15 $$
ベクトルの大きさは正であるから、$|\vec{b}| > 0$ より、
$$ |\vec{b}| = \sqrt{15} $$
解説
ベクトルの基本操作である「定数倍」と「内積による垂直条件の処理」を問う問題である。 垂線の足や直線に関する対称点の位置ベクトルを求める手順は、多くの入試問題で登場する頻出のテーマである。正射影ベクトルの考え方に慣れていれば、(1)の点Fや(2)の点Mの位置ベクトルは公式から直接導くことも可能であり、見通しよく計算を進められる。 (3)は(1)と(2)の結果を正しく用いて展開計算を間違えずに遂行する力が求められる。
答え
(1) $\vec{OF} = \frac{3}{8}\vec{a}$
(2) $\vec{OE} = \frac{5}{6}\vec{a} - \frac{2}{3}\vec{b}$
(3) $|\vec{b}| = \sqrt{15}$
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