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北海道大学 1971年 理系 第4問 解説

数学2/微分法数学2/図形と式数学1/二次関数テーマ/接線・法線
北海道大学 1971年 理系 第4問 解説

方針・初手

放物線上の点 $P(a, b)$ における法線の方程式を立て、それが $y$ 軸上の点を通る条件から $a$ の方程式を導出する。 導かれた方程式を $k = g(a)$ や $c = g(a)$ の形に変形し、関数 $g(a)$ の増減やグラフの概形を調べることで、(1) および (2) の条件を視覚的かつ代数的に処理する。

解法1

放物線の方程式 $y = x^2+x-2$ を微分すると $y' = 2x+1$ となる。 点 $P(a, a^2+a-2)$ における接線の傾きは $2a+1$ である。

(i) $2a+1 = 0$ すなわち $a = -\frac{1}{2}$ のとき

接線は $x$ 軸に平行となり、点 $P$ における法線は $y$ 軸に平行な直線 $x = -\frac{1}{2}$ となる。 この直線が $y$ 軸上の点 $(0, k)$ や $(0, c)$ を通ることはないため、条件を満たさない。

(ii) $2a+1 \neq 0$ すなわち $a \neq -\frac{1}{2}$ のとき

点 $P$ における法線の傾きは $-\frac{1}{2a+1}$ であり、法線の方程式は次のように表される。

$$ y - (a^2+a-2) = -\frac{1}{2a+1}(x - a) $$

(1)

この法線が点 $(0, k)$ を通るから、

$$ k = a^2+a-2 + \frac{a}{2a+1} $$

ここで、右辺を $g(a)$ とおく。

$$ g(a) = a^2+a-2 + \frac{a}{2a+1} $$

関数 $g(a)$ の増減を調べるために微分する。

$$ \begin{aligned} g'(a) &= 2a+1 + \frac{1 \cdot (2a+1) - a \cdot 2}{(2a+1)^2} \\ &= 2a+1 + \frac{1}{(2a+1)^2} \\ &= \frac{(2a+1)^3 + 1}{(2a+1)^2} \end{aligned} $$

$g'(a) = 0$ となるのは $(2a+1)^3 = -1$ より $2a+1 = -1$、すなわち $a = -1$ のときである。 $a \neq -\frac{1}{2}$ における $g(a)$ の増減表は次のようになる。

$a$ $\cdots$ $-1$ $\cdots$ $-\frac{1}{2}$ $\cdots$
$g'(a)$ $-$ $0$ $+$ $\times$ $+$
$g(a)$ $\searrow$ $-1$ $\nearrow$ $\times$ $\nearrow$

極限を調べると、

$$ \lim_{a \to -\frac{1}{2}-0} g(a) = \infty, \quad \lim_{a \to -\frac{1}{2}+0} g(a) = -\infty $$

$$ \lim_{a \to \pm\infty} g(a) = \infty $$

であり、極小値は $g(-1) = -1$ である。 点 $(0, k)$ を通る法線が存在するための $a$ の範囲は、$-1 \leqq g(a) \leqq \frac{1}{3}$ を満たす $a$ の範囲である。 まず、$g(a) \geqq -1$ について解く。

$$ a^2+a-2 + \frac{a}{2a+1} \geqq -1 $$

$$ a^2+a-1 + \frac{a}{2a+1} \geqq 0 $$

$$ \frac{(a^2+a-1)(2a+1)+a}{2a+1} \geqq 0 $$

$$ \frac{2a^3+3a^2-1}{2a+1} \geqq 0 $$

分子は $a=-1$ で $0$ になるため、因数分解して

$$ \frac{(a+1)^2(2a-1)}{2a+1} \geqq 0 $$

$(a+1)^2 \geqq 0$ であるから、$a = -1$ はこの不等式を満たす。 $a \neq -1$ のとき、不等式は $\frac{2a-1}{2a+1} \geqq 0$ と同値であり、$(2a-1)(2a+1) > 0$ ($2a+1 \neq 0$ より)を解いて $a < -\frac{1}{2}$, $\frac{1}{2} \leqq a$ を得る。 これらは $a=-1$ を含むため、$g(a) \geqq -1$ の解は

$$ a < -\frac{1}{2}, \quad a \geqq \frac{1}{2} $$

次に、$g(a) \leqq \frac{1}{3}$ について解く。

$$ a^2+a-2 + \frac{a}{2a+1} \leqq \frac{1}{3} $$

$$ \frac{3(a^2+a-2)-1}{3} + \frac{a}{2a+1} \leqq 0 $$

$$ \frac{3a^2+3a-7}{3} + \frac{a}{2a+1} \leqq 0 $$

$$ \frac{(3a^2+3a-7)(2a+1)+3a}{3(2a+1)} \leqq 0 $$

$$ \frac{6a^3+9a^2-8a-7}{3(2a+1)} \leqq 0 $$

分子の式に $a=1$ を代入すると $6+9-8-7=0$ となるため、$a-1$ を因数にもつ。

$$ \frac{(a-1)(6a^2+15a+7)}{3(2a+1)} \leqq 0 $$

$6a^2+15a+7 = 0$ を解くと、$a = \frac{-15 \pm \sqrt{15^2 - 4 \cdot 6 \cdot 7}}{12} = \frac{-15 \pm \sqrt{57}}{12}$ となる。 $7 < \sqrt{57} < 8$ より、$-\frac{22}{12} < \frac{-15-\sqrt{57}}{12} < -\frac{21}{12}$ および $-\frac{8}{12} < \frac{-15+\sqrt{57}}{12} < -\frac{7}{12}$ であるから、これら2つの解はともに $-\frac{1}{2}$ より小さい。 分子と分母の符号変化を考慮すると、不等式の解は

$$ \frac{-15-\sqrt{57}}{12} \leqq a \leqq \frac{-15+\sqrt{57}}{12}, \quad -\frac{1}{2} < a \leqq 1 $$

求める $a$ の範囲は、$g(a) \geqq -1$ と $g(a) \leqq \frac{1}{3}$ の解の共通部分である。 $a < -\frac{1}{2}$ の範囲では $\frac{-15-\sqrt{57}}{12} \leqq a \leqq \frac{-15+\sqrt{57}}{12}$ がそのまま残り、$a > -\frac{1}{2}$ の範囲では $a \geqq \frac{1}{2}$ と $a \leqq 1$ の共通部分である $\frac{1}{2} \leqq a \leqq 1$ となる。

(2)

法線が点 $(0, c)$ を通るとき、(1) と同様にして $c = g(a)$ が成り立つ。 法線が3本引けるための条件は、法線の傾きが $a$ に対して一意に定まることから、方程式 $c = g(a)$ が $a \neq -\frac{1}{2}$ の範囲に異なる3つの実数解をもつことである。 これは、関数 $y = g(a)$ のグラフと直線 $y = c$ が異なる3個の共有点をもつことに等しい。

(1) で求めた増減表および極限より、$y = g(a)$ のグラフは以下の特徴をもつ。

したがって、直線 $y = c$ が $y = g(a)$ のグラフと3点で交わるための条件は、直線が極小値 $-1$ より上にあることである。

解説

法線の方程式を立て、それを接点の $x$ 座標 $a$ の関数として捉え直す典型的な問題である。 (1) の不等式を直接解くのは計算量が多いため、(2) で方程式の実数解の個数を問われていることを見越し、最初に関数 $g(a)$ の増減表を作ってグラフの概形を把握しておく方針が有効である。有理関数の不等式を解く際は、分母の符号による場合分けや、グラフによる視覚的な裏付けを活用することで、符号ミスや条件漏れを防ぐことができる。

答え

(1)

$$ \frac{-15-\sqrt{57}}{12} \leqq a \leqq \frac{-15+\sqrt{57}}{12}, \quad \frac{1}{2} \leqq a \leqq 1 $$

(2)

$$ c > -1 $$

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