北海道大学 1979年 理系 第5問 解説

方針・初手
点 $A$ は時刻 $t=0$ で原点を通過し、一定の速度 $a$ で動くため、時刻 $t$ における点 $A$ の座標は $(at, 0)$ である。したがって、$x = at$ という関係が成り立つ。 曲線 $y = f(x)$ 上の点 $(x, f(x))$ における接線の方程式を立て、その接線と $x$ 軸の交点 $Q$ の $x$ 座標を $x$ と $f(x)$ を用いて表す。 各小問で与えられた点 $Q$ の運動条件(速度や加速度)から、時刻 $t$ における $Q$ の位置を決定し、それを $x$ で表すことで $f(x)$ に関する微分方程式を導き、これを解く。
解法1
時刻 $t$ における点 $A$ の座標は $(at, 0)$ なので、$x = at$ である。
点 $(x, f(x))$ における曲線 $y = f(x)$ の接線の方程式は、 $$ y - f(x) = f'(x)(X - x) $$ である。この接線と $x$ 軸 ($y = 0$) との交点 $Q$ の $X$ 座標を $q$ とすると、 $$ -f(x) = f'(x)(q - x) $$ 条件より $f'(x) \neq 0$ であるから、両辺を $f'(x)$ で割って整理すると、 $$ q = x - \frac{f(x)}{f'(x)} $$ となる。
(1)
点 $Q$ が一定の速度 $ka$ で動くので、時刻 $t$ における $Q$ の位置 $q(t)$ は、積分定数 $C_1$ を用いて $$ q(t) = kat + C_1 $$ と表せる。 $t = 1$ のとき、$Q$ の座標は $(ka, 0)$ であるから、$q(1) = ka$ より $$ ka \cdot 1 + C_1 = ka \iff C_1 = 0 $$ よって、$q(t) = kat$ となる。 ここで $t = \frac{x}{a}$ を代入すると、$Q$ の $x$ 座標 $q$ は $$ q = kx $$ と表される。先ほど求めた $q$ の式と等置すると、 $$ kx = x - \frac{f(x)}{f'(x)} $$ $$ \frac{f(x)}{f'(x)} = (1 - k)x $$ $k \neq 1$ および $x > 0$ に注意して逆数をとると、 $$ \frac{f'(x)}{f(x)} = \frac{1}{(1 - k)x} $$ 両辺を $x$ について積分すると、 $$ \int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \frac{1}{1 - k} \int \frac{1}{x} dx $$ $$ \log |f(x)| = \frac{1}{1 - k} \log x + C_2 \quad (C_2 \text{ は積分定数}) $$ 真数の条件 $x > 0$ より絶対値は不要である。これを変形すると、 $$ |f(x)| = e^{C_2} x^{\frac{1}{1 - k}} $$ $f'(x) \neq 0$ かつ $f(x)$ は連続であるため、$f(x)$ の符号は変わらない。したがって、$C$ を $0$ でない任意定数として、 $$ f(x) = C x^{\frac{1}{1 - k}} $$ と求められる。
(2)
点 $Q$ が一定の加速度 $\frac{a}{2}$ で動くので、時刻 $t$ における $Q$ の速度 $v(t)$ は、積分定数 $C_3$ を用いて $$ v(t) = \frac{a}{2}t + C_3 $$ と表せる。 $t = 1$ のとき速度は $2a$ であるから、$v(1) = 2a$ より $$ \frac{a}{2} \cdot 1 + C_3 = 2a \iff C_3 = \frac{3}{2}a $$ よって、$v(t) = \frac{a}{2}t + \frac{3}{2}a$ となる。 さらに積分して、時刻 $t$ における $Q$ の位置 $q(t)$ は、積分定数 $C_4$ を用いて $$ q(t) = \frac{a}{4}t^2 + \frac{3}{2}at + C_4 $$ と表せる。 $t = 1$ のとき $Q$ の座標は $\left(\frac{7}{4}a, 0\right)$ であるから、$q(1) = \frac{7}{4}a$ より $$ \frac{a}{4} \cdot 1^2 + \frac{3}{2}a \cdot 1 + C_4 = \frac{7}{4}a \iff C_4 = 0 $$ よって、$q(t) = \frac{a}{4}t^2 + \frac{3}{2}at$ となる。 ここに $t = \frac{x}{a}$ を代入すると、 $$ q = \frac{a}{4}\left(\frac{x}{a}\right)^2 + \frac{3}{2}a\left(\frac{x}{a}\right) = \frac{x^2}{4a} + \frac{3}{2}x $$ 先ほど求めた接線と $x$ 軸の交点の式と等置すると、 $$ \frac{x^2}{4a} + \frac{3}{2}x = x - \frac{f(x)}{f'(x)} $$ 整理すると、 $$ \frac{f(x)}{f'(x)} = -\frac{x^2}{4a} - \frac{1}{2}x = -\frac{x(x + 2a)}{4a} $$ $x > 0, a > 0$ であるから右辺は $0$ にならない。逆数をとって変形すると、 $$ \frac{f'(x)}{f(x)} = -\frac{4a}{x(x + 2a)} $$ 右辺を部分分数分解すると、 $$ \frac{f'(x)}{f(x)} = \frac{2}{x + 2a} - \frac{2}{x} $$ 両辺を $x$ について積分すると、 $$ \int \frac{f'(x)}{f(x)} dx = \int \left( \frac{2}{x + 2a} - \frac{2}{x} \right) dx $$ $$ \log |f(x)| = 2\log(x + 2a) - 2\log x + C_5 \quad (C_5 \text{ は積分定数}) $$ $x > 0, a > 0$ より絶対値記号はそのまま外すことができる。 $$ \log |f(x)| = \log \left( \frac{x + 2a}{x} \right)^2 + C_5 $$ $$ |f(x)| = e^{C_5} \left( \frac{x + 2a}{x} \right)^2 $$ (1) と同様に $f(x)$ の符号は変化しないため、$C$ を $0$ でない任意定数として、 $$ f(x) = C \left( \frac{x + 2a}{x} \right)^2 $$ と求められる。
解説
運動に関する物理的条件(速度、加速度)から位置の関数を特定し、それを幾何学的な接線の条件と結びつけて微分方程式を立てる問題である。 時刻 $t$ をパラメータとしているが、点 $A$ の位置 $x = at$ を用いることで、$t$ の関数を $x$ の関数へと変換できることが最大のポイントである。微分方程式自体は変数分離形であり、(2) では部分分数分解を用いる定石的な積分計算が要求される。 また、$f'(x) \neq 0$ という条件が積分計算における分母が $0$ にならないことの保証として機能している点にも着目したい。
答え
(1) $$ f(x) = C x^{\frac{1}{1 - k}} \quad (C \text{ は } 0 \text{ でない任意定数}) $$
(2) $$ f(x) = C \left( \frac{x + 2a}{x} \right)^2 \quad (C \text{ は } 0 \text{ でない任意定数}) $$
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