トップ 北海道大学 2021年 理系 第3問

北海道大学 2021年 理系 第3問 解説

数学2/指数対数数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/不等式の証明
北海道大学 2021年 理系 第3問 解説

方針・初手

(1) は指数の底を $3$ に揃えて方程式を整理する。部分的に変数を置き換えることで、因数分解しやすい形に帰着させる。

(2) は底の変換公式を用いて式を対数の和の形に直し、真数をまとめることで (1) の結果が使える1変数の最大・最小問題に帰着させる。隠れた変域(真数条件と問題文の条件)に注意する。

解法1

(1)

与えられた方程式の左辺と右辺の項について、底を $3$ にそろえる。

$$ \frac{(3^2)^{4x} + (3^2)^{y^2+1}}{6} = 3^{4x+y^2} $$

$$ \frac{3^{8x} + 9 \cdot 3^{2y^2}}{6} = 3^{4x} \cdot 3^{y^2} $$

両辺を $6$ 倍して整理する。

$$ 3^{8x} + 9 \cdot 3^{2y^2} = 6 \cdot 3^{4x} \cdot 3^{y^2} $$

ここで、$X = 3^{4x}$, $Y = 3^{y^2}$ とおくと、$x, y$ は実数より $X > 0, Y > 0$ である。方程式は次のように表される。

$$ X^2 + 9Y^2 = 6XY $$

移行して因数分解する。

$$ X^2 - 6XY + 9Y^2 = 0 $$

$$ (X - 3Y)^2 = 0 $$

よって、$X = 3Y$ である。元に戻すと、次のようになる。

$$ 3^{4x} = 3 \cdot 3^{y^2} $$

$$ 3^{4x} = 3^{y^2+1} $$

底が $3$ で等しいので、指数を比較して以下の関係を得る。

$$ 4x = y^2 + 1 $$

$$ y^2 = 4x - 1 $$

(2)

与えられた式を $S$ とおく。

$$ S = \frac{1}{\log_{1+\frac{x}{y}} 4} + \frac{1}{\log_{1-\frac{x}{y}} 4} $$

問題の条件 $x>0, y>0$ より $\frac{x}{y} > 0$ であるから、第1項の底は $1+\frac{x}{y} > 1$ となり、底の条件(正かつ $1$ でない)を満たす。また、条件 $1-\frac{x}{y} > 0$ より $0 < \frac{x}{y} < 1$ であり、第2項の底は $0 < 1-\frac{x}{y} < 1$ となり、こちらも底の条件を満たす。

底の変換公式 $\frac{1}{\log_a b} = \log_b a$ を用いて、$S$ を変形する。

$$ S = \log_4 \left( 1+\frac{x}{y} \right) + \log_4 \left( 1-\frac{x}{y} \right) $$

対数の性質を用いて1つにまとめる。

$$ S = \log_4 \left\{ \left( 1+\frac{x}{y} \right)\left( 1-\frac{x}{y} \right) \right\} = \log_4 \left( 1 - \frac{x^2}{y^2} \right) $$

ここで、$x$ の取り得る値の範囲を求める。$0 < \frac{x}{y} < 1$ より $x < y$ である。両辺は正なので2乗しても大小関係は変わらない。

$$ x^2 < y^2 $$

(1) の結果 $y^2 = 4x - 1$ を代入する。

$$ x^2 < 4x - 1 $$

$$ x^2 - 4x + 1 < 0 $$

これを解いて、以下の変域を得る。

$$ 2 - \sqrt{3} < x < 2 + \sqrt{3} \cdots \text{①} $$

なお、$y^2 = 4x - 1 > 0$ より $x > \frac{1}{4}$ であるが、$2 - \sqrt{3} \approx 0.268 > 0.25$ より、①の範囲であれば $x > \frac{1}{4}$ は満たされている。

$S$ を最大にするためには、底が $4 > 1$ であるため、真数部分 $1 - \frac{x^2}{y^2}$ を最大にすればよい。すなわち、$f(x) = \frac{x^2}{y^2} = \frac{x^2}{4x - 1}$ とおき、$f(x)$ の最小値を考える。

①の範囲で $f(x)$ を微分する。

$$ f'(x) = \frac{2x(4x-1) - x^2 \cdot 4}{(4x-1)^2} $$

$$ f'(x) = \frac{8x^2 - 2x - 4x^2}{(4x-1)^2} $$

$$ f'(x) = \frac{2x(2x-1)}{(4x-1)^2} $$

①の範囲においては $x > 0$ であるから、$f'(x) = 0$ となるのは $x = \frac{1}{2}$ のときである。$x = \frac{1}{2}$ は①の範囲に含まれる。

$2 - \sqrt{3} < x < \frac{1}{2}$ では $f'(x) < 0$、$\frac{1}{2} < x < 2 + \sqrt{3}$ では $f'(x) > 0$ となるため、$f(x)$ は $x = \frac{1}{2}$ で極小かつ最小となる。

このときの最小値は次のように計算できる。

$$ f\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{\left(\frac{1}{2}\right)^2}{4 \cdot \frac{1}{2} - 1} = \frac{\frac{1}{4}}{1} = \frac{1}{4} $$

よって、真数 $1 - f(x)$ の最大値は $1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}$ となる。

したがって、求める $S$ の最大値は以下の通り。

$$ \log_4 \frac{3}{4} $$

解法2

(2) において、$f(x) = \frac{x^2}{4x - 1}$ の最小値を求める部分を、相加平均と相乗平均の大小関係を用いて解く別解である。((1) および $S$ の変形と変域①の導出までは解法1と同様とする)

$t = 4x - 1$ とおく。①の範囲より $x > 2 - \sqrt{3} > \frac{1}{4}$ であるから、$t > 0$ である。

$x = \frac{t+1}{4}$ を $f(x)$ に代入して $t$ の式で表す。

$$ f(x) = \frac{\left( \frac{t+1}{4} \right)^2}{t} $$

$$ f(x) = \frac{t^2+2t+1}{16t} $$

$$ f(x) = \frac{1}{16} \left( t + \frac{1}{t} + 2 \right) $$

$t > 0, \frac{1}{t} > 0$ であるから、相加平均と相乗平均の大小関係より次の不等式が成り立つ。

$$ t + \frac{1}{t} \geqq 2\sqrt{t \cdot \frac{1}{t}} = 2 $$

等号が成立するのは $t = \frac{1}{t}$、すなわち $t^2 = 1$ のときであり、$t > 0$ より $t = 1$ のときである。

$t = 1$ のとき、$4x - 1 = 1$ より $x = \frac{1}{2}$ であり、これは①の範囲を満たす。

このとき、$f(x)$ の最小値は次のようになる。

$$ f\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{1}{16} (2 + 2) = \frac{1}{4} $$

これより、真数 $1 - f(x)$ の最大値は $1 - \frac{1}{4} = \frac{3}{4}$ となる。

よって、求める最大値は $\log_4 \frac{3}{4}$ である。

解説

指数方程式と対数関数の最大・最小を組み合わせた典型問題である。

(1) は、式をよく観察して共通する塊(ここでは $3^{4x}$ と $3^{y^2}$ )を見つけ、置き換えによって2次同次式の因数分解に帰着させるのが定石である。

(2) は、分母に対数があるため、底の変換公式を用いて逆数をとることで扱いやすい真数の積の形にまとめる発想が必要になる。その後は1変数の分数関数の最大最小問題となるが、対数の真数条件と問題文の条件から定義域を正確に絞り込むことが極めて重要である。

分数の最大最小を求める際、解法1のようにそのまま微分してもよいが、解法2のように置換を通じて相加平均と相乗平均の大小関係に持ち込むと、計算量が減り見通しが良くなることが多い。

答え

(1) $$ y^2 = 4x - 1 $$

(2) $$ \log_4 \frac{3}{4} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。