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北海道大学 2023年 理系 第2問 解説

数学C/空間ベクトル数学1/立体図形テーマ/空間図形テーマ/図形総合
北海道大学 2023年 理系 第2問 解説

方針・初手

(1) 球面 $S$ が平面 $\alpha$ と交わってできる円について考える。球の中心から平面に下ろした垂線の足は、その交わりの円の中心と一致する。この性質と三平方の定理を用いて線分 $AP$ の長さを求める。

(2) 線分 $AP$ は平面 $\alpha$ に垂直である。したがって、ベクトル $\overrightarrow{AP}$ は平面 $\alpha$ の法線ベクトルに平行である。平面上の2つのベクトルに垂直なベクトルを求め、$P$ の座標を特定する。

(3) 球の中心から直線への距離を求め、三平方の定理を用いて弦の長さを計算する。

解法1

(1) 球面 $S$ の中心 $P$ から平面 $\alpha$ に下ろした垂線の足は、$S$ と $\alpha$ の交わりの円の中心に一致する。 問題の条件より、交わりの円の中心は $A$ であるから、直線 $AP$ は平面 $\alpha$ と垂直である。 また、円は点 $B$ を通るため、この円の半径 $r$ は線分 $AB$ の長さに等しい。

$$ r^2 = |\overrightarrow{AB}|^2 = (1 - 4)^2 + (-4 - 2)^2 + (1 - 1)^2 = (-3)^2 + (-6)^2 + 0^2 = 45 $$

点 $B$ は球面 $S$ 上の点でもあり、球の半径は $9$ であるから、$PB = 9$ である。 $\triangle PAB$ は $\angle PAB = 90^\circ$ の直角三角形であるため、三平方の定理より以下が成り立つ。

$$ AP^2 + AB^2 = PB^2 $$

$$ AP^2 + 45 = 9^2 $$

$$ AP^2 = 81 - 45 = 36 $$

$AP > 0$ であるから、線分 $AP$ の長さは $6$ である。

(2) 直線 $AP$ は平面 $\alpha$ に垂直であるから、$\overrightarrow{AP}$ は平面 $\alpha$ の法線ベクトルに平行である。 平面 $\alpha$ 上の2つのベクトル $\overrightarrow{AB}$ と $\overrightarrow{AC}$ を求める。

$$ \overrightarrow{AB} = (-3, -6, 0) $$

$$ \overrightarrow{AC} = (2 - 4, 2 - 2, -1 - 1) = (-2, 0, -2) $$

平面 $\alpha$ の法線ベクトルの1つを $\vec{n} = (a, b, c)$ とおく。 $\vec{n} \cdot \overrightarrow{AB} = 0$ かつ $\vec{n} \cdot \overrightarrow{AC} = 0$ であるから、

$$ \begin{cases} -3a - 6b = 0 \\ -2a - 2c = 0 \end{cases} $$

これを解くと、$a = -2b$ かつ $c = -a = 2b$ となる。 $b = 1$ とすると、$\vec{n} = (-2, 1, 2)$ となる。このベクトルの大きさは

$$ |\vec{n}| = \sqrt{(-2)^2 + 1^2 + 2^2} = \sqrt{4 + 1 + 4} = 3 $$

$\overrightarrow{AP}$ は $\vec{n}$ と平行であり、(1) より $|\overrightarrow{AP}| = 6$ であるから、

$$ \overrightarrow{AP} = \pm \frac{6}{3} \vec{n} = \pm 2(-2, 1, 2) = \pm (-4, 2, 4) $$

よって、点 $P$ の位置ベクトルは $\overrightarrow{OP} = \overrightarrow{OA} + \overrightarrow{AP}$ より、

$$ \overrightarrow{OP} = (4, 2, 1) \pm (-4, 2, 4) $$

複号が正のとき $P(0, 4, 5)$、負のとき $P(8, 0, -3)$ となる。 問題の条件より $P$ の $z$ 座標は正であるから、$P$ の座標は $(0, 4, 5)$ である。

(3) 点 $P(0, 4, 5)$ から直線 $OC$ に下ろした垂線の足を $H$ とおく。 $H$ は直線 $OC$ 上にあるため、実数 $k$ を用いて $\overrightarrow{OH} = k\overrightarrow{OC} = (2k, 2k, -k)$ と表せる。

$$ \overrightarrow{PH} = \overrightarrow{OH} - \overrightarrow{OP} = (2k, 2k - 4, -k - 5) $$

$PH \perp OC$ より $\overrightarrow{PH} \cdot \overrightarrow{OC} = 0$ であるから、

$$ 2(2k) + 2(2k - 4) - 1(-k - 5) = 0 $$

$$ 4k + 4k - 8 + k + 5 = 0 $$

$$ 9k - 3 = 0 \iff k = \frac{1}{3} $$

このとき、

$$ \overrightarrow{PH} = \left( \frac{2}{3}, \frac{2}{3} - 4, -\frac{1}{3} - 5 \right) = \left( \frac{2}{3}, -\frac{10}{3}, -\frac{16}{3} \right) $$

よって、$P$ と直線 $OC$ の距離の2乗は、

$$ |\overrightarrow{PH}|^2 = \left( \frac{2}{3} \right)^2 + \left( -\frac{10}{3} \right)^2 + \left( -\frac{16}{3} \right)^2 = \frac{4 + 100 + 256}{9} = \frac{360}{9} = 40 $$

直線 $OC$ が球面 $S$ によって切り取られる線分(2点間の距離)を $L$ とすると、三平方の定理より、

$$ \left( \frac{L}{2} \right)^2 + |\overrightarrow{PH}|^2 = 9^2 $$

$$ \frac{L^2}{4} + 40 = 81 $$

$$ \frac{L^2}{4} = 41 \iff L^2 = 164 $$

$L > 0$ であるから、$L = \sqrt{164} = 2\sqrt{41}$ となる。

解法2

(3) の別解

球面 $S$ は中心 $P(0, 4, 5)$、半径 $9$ であるから、その方程式は

$$ x^2 + (y - 4)^2 + (z - 5)^2 = 81 $$

直線 $OC$ 上の点は、実数 $t$ を用いて $(2t, 2t, -t)$ と表せる。 これが球面 $S$ 上にあるための条件は、球面の式に代入して、

$$ (2t)^2 + (2t - 4)^2 + (-t - 5)^2 = 81 $$

$$ 4t^2 + (4t^2 - 16t + 16) + (t^2 + 10t + 25) = 81 $$

$$ 9t^2 - 6t - 40 = 0 $$

解の公式を用いて $t$ を求めると、

$$ t = \frac{3 \pm \sqrt{(-3)^2 - 9 \cdot (-40)}}{9} = \frac{3 \pm \sqrt{9 + 360}}{9} = \frac{3 \pm \sqrt{369}}{9} = \frac{1 \pm \sqrt{41}}{3} $$

2つの交点に対応する $t$ の値を $t_1, t_2$ とする。 $\overrightarrow{OC}$ の大きさは $|\overrightarrow{OC}| = \sqrt{2^2 + 2^2 + (-1)^2} = 3$ であるから、求める2点間の距離は

$$ |t_1 - t_2| |\overrightarrow{OC}| = \left| \frac{1 + \sqrt{41}}{3} - \frac{1 - \sqrt{41}}{3} \right| \times 3 = \frac{2\sqrt{41}}{3} \times 3 = 2\sqrt{41} $$

解説

空間図形における球と平面、球と直線の交わりを扱う標準的な問題です。 (1) では「球の中心から切断面の円に下ろした垂線の足は、円の中心に一致する」という幾何学的な性質を把握できているかが問われています。 (2) では平面に垂直なベクトル(法線ベクトル)の導出がポイントです。平面上の2つのベクトルに垂直である条件から連立方程式を立てる手法は頻出です。 (3) は解法1のように図形的に「点と直線の距離」を求めて三平方の定理を使う方法と、解法2のように「球面と直線のパラメータ表示」を連立させて代数的に処理する方法の2つがあります。どちらも確実に行えるようにしておくと良いでしょう。

答え

(1) $6$ (2) $P(0, 4, 5)$ (3) $2\sqrt{41}$

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