京都大学 2004年 文系 第2問 解説

方針・初手
定積分 $\int_{-1}^{1} f(x) dx$ を、積分区間を $[-1, 0]$ と $[0, 1]$ の2つに分割して評価する。関数の具体的な式が与えられておらず、「グラフが右図のようになっている」と指定されているため、図に引かれた補助線(格子状の破線)に着目し、それぞれの区間における $f(x)$ のとりうる値の範囲(下限)を読み取って定積分の不等式を作る。
解法1
定積分を次のように2つの区間に分割する。
$$ \int_{-1}^{1} f(x) dx = \int_{-1}^{0} f(x) dx + \int_{0}^{1} f(x) dx $$
(i) 区間 $-1 \leqq x \leqq 0$ について
グラフは点 $(-1, 1)$ と点 $(0, 1)$ を通っており、この区間全体にわたって $f(x) \geqq 1$ が成り立つ。
両辺を $-1$ から $0$ まで積分すると、
$$ \int_{-1}^{0} f(x) dx \geqq \int_{-1}^{0} 1 \, dx = 1 $$
(ii) 区間 $0 \leqq x \leqq 1$ について
グラフは点 $(0, 1)$ から点 $(1, -2)$ まで結ばれており、この区間全体にわたって $f(x) \geqq -2$ が成り立つ。
両辺を $0$ から $1$ まで積分すると、
$$ \int_{0}^{1} f(x) dx \geqq \int_{0}^{1} (-2) \, dx = -2 $$
(i), (ii) の評価を足し合わせると、
$$\begin{aligned} \int_{-1}^{1} f(x) dx &= \int_{-1}^{0} f(x) dx + \int_{0}^{1} f(x) dx \\ &\geqq 1 + (-2) \\ &= -1 \end{aligned}$$
となり、$\int_{-1}^{1} f(x) dx \geqq -1$ が示された。 (証明終)
解説
関数の具体的な式を用いず、「グラフの概形」のみから定積分の不等式を証明する問題である。定積分が「符号付き面積」であることを踏まえると、本問が要求しているのは「曲線と長方形の面積比較」であると気づける。
図にわざわざ描かれた $x = -1, 0, 1$ および $y = 1, -1, -2$ の破線は単なる背景ではなく、面積を評価するための「枠」として機能している。
- $[-1, 0]$ の部分の面積は、底辺 $1$、高さ $1$ の長方形の面積以上
- $[0, 1]$ の部分の符号付き面積は、底辺 $1$、高さ $2$ の長方形が $x$ 軸下方に作る面積($-2$)以上
これらを足し合わせることで、目的の不等式が極めて簡潔に導かれる。
答え
略(解法1の証明を参照)
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