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大阪大学 1991年 文系 第4問 解説

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大阪大学 1991年 文系 第4問 解説

方針・初手

2つの曲線の交点を求め、グラフの上下関係を把握する。その後、定積分によって面積を計算するが、逆関数の積分と同様に $y$ 軸方向の積分や図形的な意味(長方形の面積)を利用すると、計算が大幅に簡略化される。

解法1

2つの曲線の交点を求めるため、$y = ax^n$ を $x = by^n$ に代入する。

$$ x = b(ax^n)^n = a^n b x^{n^2} $$

$$ x (1 - a^n b x^{n^2-1}) = 0 $$

$a, b$ は正の定数、$n$ は2以上の自然数であり、$x \geqq 0$ であるから、交点の $x$ 座標は $x = 0$ と $x = (a^n b)^{-\frac{1}{n^2-1}}$ である。 原点以外の交点を $(x_0, y_0)$ とおくと、

$$ x_0 = a^{-\frac{n}{n^2-1}} b^{-\frac{1}{n^2-1}} $$

$$ y_0 = a x_0^n = a \cdot a^{-\frac{n^2}{n^2-1}} b^{-\frac{n}{n^2-1}} = a^{-\frac{1}{n^2-1}} b^{-\frac{n}{n^2-1}} $$

となる。

区間 $0 < x < x_0$ においては、 $x < (a^n b)^{-\frac{1}{n^2-1}}$ より $a^n b x^{n^2-1} < 1$ が成り立つ。 両辺に $x (>0)$ を掛けると $a^n b x^{n^2} < x$ となり、さらに $b$ で割り $\frac{1}{n}$ 乗することで $ax^n < \left(\frac{x}{b}\right)^{\frac{1}{n}}$ となる。 したがって、この区間では曲線 $x = by^n$ の方が上側にある。

求める面積 $S$ は、図形的な関係から長方形の面積 $x_0 y_0$ からそれぞれの曲線と軸とで囲まれる面積を引くことで計算できる。

$$ S = x_0 y_0 - \int_0^{y_0} b y^n dy - \int_0^{x_0} a x^n dx $$

それぞれの定積分を計算する。

$$ S = x_0 y_0 - \left[ \frac{b}{n+1} y^{n+1} \right]_0^{y_0} - \left[ \frac{a}{n+1} x^{n+1} \right]_0^{x_0} $$

$$ = x_0 y_0 - \frac{1}{n+1} b y_0^{n+1} - \frac{1}{n+1} a x_0^{n+1} $$

ここで、交点の条件 $b y_0^n = x_0$ および $a x_0^n = y_0$ を用いると、

$$ b y_0^{n+1} = (b y_0^n) y_0 = x_0 y_0 $$

$$ a x_0^{n+1} = (a x_0^n) x_0 = y_0 x_0 $$

となるため、面積 $S$ は以下のように整理される。

$$ S = x_0 y_0 - \frac{1}{n+1} x_0 y_0 - \frac{1}{n+1} x_0 y_0 = \frac{n-1}{n+1} x_0 y_0 $$

最後に $x_0 y_0$ を計算する。

$$ x_0 y_0 = a^{-\frac{n}{n^2-1}} b^{-\frac{1}{n^2-1}} \cdot a^{-\frac{1}{n^2-1}} b^{-\frac{n}{n^2-1}} $$

$$ = a^{-\frac{n+1}{n^2-1}} b^{-\frac{n+1}{n^2-1}} $$

$$ = a^{-\frac{1}{n-1}} b^{-\frac{1}{n-1}} $$

$$ = (ab)^{-\frac{1}{n-1}} $$

以上より、求める面積は $S = \frac{n-1}{n+1} (ab)^{-\frac{1}{n-1}}$ である。

解法2

交点 $(x_0, y_0)$ と上下関係を求める過程は解法1と同様である。 面積 $S$ を $x$ についての積分として直接立式して計算する。 $x = by^n \ (y \geqq 0)$ より $y = \left(\frac{x}{b}\right)^{\frac{1}{n}} = b^{-\frac{1}{n}} x^{\frac{1}{n}}$ であるから、

$$ S = \int_0^{x_0} \left( b^{-\frac{1}{n}} x^{\frac{1}{n}} - ax^n \right) dx $$

$$ = \left[ b^{-\frac{1}{n}} \frac{n}{n+1} x^{\frac{n+1}{n}} - \frac{a}{n+1} x^{n+1} \right]_0^{x_0} $$

$$ = \frac{n}{n+1} b^{-\frac{1}{n}} x_0^{\frac{n+1}{n}} - \frac{1}{n+1} a x_0^{n+1} $$

ここで、交点の条件より $y_0 = b^{-\frac{1}{n}} x_0^{\frac{1}{n}}$ および $y_0 = a x_0^n$ が成り立つことを利用して式を変形する。

$$ b^{-\frac{1}{n}} x_0^{\frac{n+1}{n}} = \left( b^{-\frac{1}{n}} x_0^{\frac{1}{n}} \right) x_0 = y_0 x_0 $$

$$ a x_0^{n+1} = (a x_0^n) x_0 = y_0 x_0 $$

これらを代入すると、

$$ S = \frac{n}{n+1} x_0 y_0 - \frac{1}{n+1} x_0 y_0 = \frac{n-1}{n+1} x_0 y_0 $$

以後の計算は解法1と同様であり、$S = \frac{n-1}{n+1} (ab)^{-\frac{1}{n-1}}$ となる。

解説

逆関数の関係に近い2つの曲線で囲まれた面積を求める問題である。交点の座標の累乗が煩雑になるため、$(x_0, y_0)$ のまま計算を進め、最後に代入する工夫が必須となる。

交点の座標を直接積分結果に代入して指数の計算を行うことも可能だが、$a x_0^n = y_0$ などの関係式を用いて次数下げ(あるいは簡略化)を行うことで、計算ミスを防ぐことができる。また、解法1のように図形的な面積の足し引きを考えるアプローチは、逆関数の定積分において定石となる重要な発想である。

答え

$$ \frac{n-1}{n+1} (ab)^{-\frac{1}{n-1}} $$

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