京都大学 1962年 理系 第5問 解説

方針・初手
関数が極値をもつための条件は、導関数 $f'(x)$ が $0$ になる実数 $x$ が存在し、かつその前後で $f'(x)$ の符号が変化することである。まずは $f(x)$ を微分し、三角関数の合成を用いて $f'(x)$ の式を整理することで符号変化の条件を考える。極大値をとる点の座標については、$f'(x)=0$ を満たす $x$ のうち、導関数の符号が正から負に変わるものを一般角を用いて表し、そのときの $y$ 座標を計算する。
解法1
(イ)
$f(x) = \sqrt{2}a\pi x + \cos\pi x + \sin\pi x$ を $x$ について微分すると、
$$ f'(x) = \sqrt{2}a\pi - \pi\sin\pi x + \pi\cos\pi x $$
となる。三角関数の合成を用いると、
$$ f'(x) = \pi \left\{ \sqrt{2}a - (\sin\pi x - \cos\pi x) \right\} = \sqrt{2}\pi \left\{ a - \sin\left(\pi x - \frac{\pi}{4}\right) \right\} $$
と変形できる。
関数 $f(x)$ が極値をもつための条件は、導関数 $f'(x)$ が符号を変化させることである。
$\sin\left(\pi x - \frac{\pi}{4}\right)$ は $-1$ から $1$ までのすべての実数値をとる連続関数であるから、$f'(x)$ が符号を変化させるための条件は、
$$ -1 < a < 1 $$
である。問題文より $a$ は正の定数であるから、求める条件は、
$$ 0 < a < 1 $$
である。
(ロ)
(イ) の条件 $0 < a < 1$ が満たされているとする。
$f'(x) = 0$ を満たす $x$ は、$\sin\left(\pi x - \frac{\pi}{4}\right) = a$ を満たす。
$0 < a < 1$ であるから、$\sin\alpha = a$ かつ $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$ を満たす実数 $\alpha$ がただ1つ存在する。
これを用いると、$\sin\left(\pi x - \frac{\pi}{4}\right) = \sin\alpha$ となり、これを満たす $x$ は整数 $n$ を用いて、
$$ \pi x - \frac{\pi}{4} = \alpha + 2n\pi \quad \text{または} \quad \pi x - \frac{\pi}{4} = (\pi - \alpha) + 2n\pi $$
と表される。すなわち、
$$ x = 2n + \frac{1}{4} + \frac{\alpha}{\pi} \quad \text{または} \quad x = 2n + \frac{5}{4} - \frac{\alpha}{\pi} $$
である。
ここで、$f'(x)$ の符号変化を調べる。$x$ が増加しながら $x = 2n + \frac{1}{4} + \frac{\alpha}{\pi}$ を通過するとき、$\pi x - \frac{\pi}{4}$ は $\alpha + 2n\pi$ を通過して増加する。このとき、$\sin\left(\pi x - \frac{\pi}{4}\right)$ の値は $a$ より小さい値から $a$ より大きい値へと変化するため、$f'(x)$ の符号は正から負に変化する。したがって、$f(x)$ はこの点で極大値をとる。
一方、$x = 2n + \frac{5}{4} - \frac{\alpha}{\pi}$ を通過するときは、$f'(x)$ の符号は負から正に変化するため、極小値をとる。
ゆえに、$f(x)$ が極大値をとる $x$ 座標は、$n$ を整数として、
$$ x_n = 2n + \frac{1}{4} + \frac{\alpha}{\pi} $$
と表される数列になる。このとき、
$$ x_{n+1} - x_n = 2 $$
であり、極大値をとる $x$ 座標は間隔 $2$ で等間隔に並んでいる。
次に、このときの極大値 $f(x_n)$ を求める。
$\pi x_n = 2n\pi + \alpha + \frac{\pi}{4}$ であるから、
$$ \cos\pi x_n + \sin\pi x_n = \sqrt{2}\sin\left(\pi x_n + \frac{\pi}{4}\right) = \sqrt{2}\sin\left(2n\pi + \alpha + \frac{\pi}{2}\right) = \sqrt{2}\cos\alpha $$
となる。ここで、$\sin\alpha = a$ および $0 < \alpha < \frac{\pi}{2}$ より、$\cos\alpha = \sqrt{1 - \sin^2\alpha} = \sqrt{1 - a^2}$ であるから、
$$ \cos\pi x_n + \sin\pi x_n = \sqrt{2(1 - a^2)} $$
となる。したがって、極大値は、
$$ f(x_n) = \sqrt{2}a\pi x_n + \sqrt{2(1 - a^2)} $$
と表される。
これは、極大値をとる点 $(x_n, f(x_n))$ がすべて直線 $y = \sqrt{2}a\pi x + \sqrt{2(1 - a^2)}$ 上にあることを示している。
以上より、曲線 $y=f(x)$ の上で、$f(x)$ が極大値をとる点は、すべて1つの直線上に間隔 $2$ ずつ等間隔に並ぶ。
解説
導関数に現れる $\sin$ と $\cos$ の一次結合は、三角関数の合成によってまとめると扱いやすい。極値をもつためには、導関数が $0$ になるだけでなく、その前後で符号が変わる必要があるため、曲線と直線が接する場合(今回であれば $a=1$ や $a=-1$)を除外することに注意する。
(ロ) については、三角方程式の一般解を文字 $\alpha$ などを置いて具体的に書き出し、極大・極小の判定を正しく行うことが求められる。また、極大値をとる点が「1つの直線上にある」ことは、極大値 $f(x_n)$ を $x_n$ の1次式($f(x_n) = px_n + q$ の形)として表せることを意味する。
答え
(イ)
$$ 0 < a < 1 $$
(ロ)
$\sin\alpha = a \ (0 < \alpha < \frac{\pi}{2})$ とすると、極大値をとる点は
$$ \left( 2n + \frac{1}{4} + \frac{\alpha}{\pi}, \ \sqrt{2}a\pi \left( 2n + \frac{1}{4} + \frac{\alpha}{\pi} \right) + \sqrt{2(1-a^2)} \right) \quad (n \in \mathbb{Z}) $$
であり、これらは直線
$$ y = \sqrt{2}a\pi x + \sqrt{2(1-a^2)} $$
上に $x$ 方向の間隔 $2$ で等間隔に並ぶ。
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