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京都大学 2001年 理系 第1問 解説

数学2/微分法数学2/三角関数テーマ/接線・法線テーマ/場合分け
京都大学 2001年 理系 第1問 解説

方針・初手

点 $P$ の座標を $(p, p^3)$ とおき、点 $P$ における接線の傾きを $\tan \theta$ と表します。そこから反時計回りに $45^\circ$ 回転した直線 $L$ の傾きを、正接の加法定理を用いて $p$ で表します。 曲線 $C$ と直線 $L$ の方程式から $y$ を消去した $x$ についての3次方程式が、相異なる3つの実数解をもつような $p$ の条件を求めます。

解法1

曲線 $C: y = x^3$ について、$y' = 3x^2$ である。 曲線 $C$ 上の点 $P$ の座標を $(p, p^3)$ とおくと、点 $P$ における接線の傾きは $3p^2$ となる。 この接線が $x$ 軸の正の向きとなす角を $\theta$ とすると、

$$ \tan \theta = 3p^2 $$

と表せる。直線 $L$ は、この接線を点 $P$ を中心に反時計回りに $45^\circ$ 回転させたものであるから、$L$ が $x$ 軸の正の向きとなす角は $\theta + 45^\circ$ である。

(i)

$p \neq \pm\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ のとき

$3p^2 \neq 1$ より $\tan \theta \neq 1$ すなわち $\tan \theta \neq \tan 45^\circ$ である。 このとき、直線 $L$ の傾き $m$ は定義され、加法定理より

$$ m = \tan(\theta + 45^\circ) = \frac{\tan \theta + \tan 45^\circ}{1 - \tan \theta \tan 45^\circ} = \frac{3p^2 + 1}{1 - 3p^2} $$

となる。直線 $L$ は点 $P(p, p^3)$ を通るので、その方程式は

$$ y = m(x - p) + p^3 $$

である。曲線 $C$ と直線 $L$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の実数解として求められる。

$$ x^3 = m(x - p) + p^3 $$

$$ x^3 - p^3 - m(x - p) = 0 $$

$$ (x - p)(x^2 + px + p^2) - m(x - p) = 0 $$

$$ (x - p)(x^2 + px + p^2 - m) = 0 $$

$C$ と $L$ が相異なる3点で交わるための条件は、2次方程式 $x^2 + px + p^2 - m = 0$ が $x = p$ 以外の異なる2つの実数解をもつことである。すなわち、以下の2つの条件を同時に満たすことである。

  1. 判別式 $D > 0$
  2. $x = p$ を代入した値が $0$ にならない($3p^2 - m \neq 0$)

まず、条件2について確認する。

$$ 3p^2 - m = 3p^2 - \frac{3p^2 + 1}{1 - 3p^2} = \frac{3p^2(1 - 3p^2) - (3p^2 + 1)}{1 - 3p^2} = \frac{-9p^4 - 1}{1 - 3p^2} $$

$p$ は実数であるから、常に $-9p^4 - 1 < 0$ であり、$3p^2 - m = 0$ となることはない。よって、条件2は常に満たされる。

次に、条件1($D > 0$)について考える。

$$ D = p^2 - 4(p^2 - m) = 4m - 3p^2 > 0 $$

これに $m = \dfrac{3p^2 + 1}{1 - 3p^2}$ を代入して整理する。

$$ 4 \left( \frac{3p^2 + 1}{1 - 3p^2} \right) - 3p^2 > 0 $$

$$ \frac{4(3p^2 + 1) - 3p^2(1 - 3p^2)}{1 - 3p^2} > 0 $$

$$ \frac{9p^4 + 9p^2 + 4}{1 - 3p^2} > 0 $$

ここで、$p$ は実数であるから、常に $9p^4 + 9p^2 + 4 > 0$ が成り立つ。したがって、上式が成り立つ条件は分母が正となることである。

$$ 1 - 3p^2 > 0 \iff p^2 < \frac{1}{3} \iff -\frac{1}{\sqrt{3}} < p < \frac{1}{\sqrt{3}} $$

これは場合分けの条件 $p \neq \pm\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ を満たしている。

(ii)

$p = \pm\dfrac{1}{\sqrt{3}}$ のとき

$\tan \theta = 3p^2 = 1$ より、接線の傾きは $1$ であり、$\theta = 45^\circ$ または $\theta = 225^\circ$ である。これを反時計回りに $45^\circ$ 回転させた直線 $L$ のなす角は $90^\circ$ または $270^\circ$ となり、$L$ は $y$ 軸に平行な直線 $x = p$ となる。関数 $y = x^3$ は単調増加であるから、$y$ 軸に平行な直線とは1点(点 $P$)でのみ交わり、相異なる3点で交わることはない。よって不適。

以上 (i), (ii) より、条件を満たす点 $P$ の $x$ 座標の範囲は $-\dfrac{1}{\sqrt{3}} < x < \dfrac{1}{\sqrt{3}}$ である。

解説

直線の回転角を正接($\tan$)の加法定理を用いて処理する典型的な問題です。$\tan 90^\circ$ が定義されないことから、回転後の直線が $y$ 軸に平行になるケースを場合分けして除外することが数学的な厳密性として求められます。3次曲線と直線の交点を求める際、交点の1つが自明(今回は回転の中心である $P$)であるため、因数分解 $(x-p)$ が必ずできることを意識して計算を進めると見通しが良くなります。不等式を解く過程で現れる分子の $9p^4 + 9p^2 + 4$ が常に正であることを見抜くのもポイントです。

答え

点 $P$ の範囲は、曲線 $C: y = x^3$ 上の点のうち、$-\dfrac{1}{\sqrt{3}} < x < \dfrac{1}{\sqrt{3}}$ を満たす部分である。

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