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九州大学 1994年 文系 第1問 解説

数学2/指数対数数学1/方程式不等式テーマ/不等式の証明
九州大学 1994年 文系 第1問 解説

注意

画像の一部が不鮮明で、特に「(2)で用いる下の表」の読取りに不確実性(画像から見切れている)があります。以下は「表には $1.024^n$ の値が与えられており、$1.024^9 < 1.25 < 1.024^{10}$ と判断できる」として解釈した場合の解答解説です。

方針・初手

解法1

(1)

示すべき不等式は以下の2つである。

$$\frac{3}{10} < \log_{10} 2 \quad \cdots \text{①}$$

$$\log_{10} 2 < \frac{4}{13} \quad \cdots \text{②}$$

①について、両辺を $10$ 倍すると、

$$3 < 10 \log_{10} 2$$

$$3 \log_{10} 10 < 10 \log_{10} 2$$

$$\log_{10} 10^3 < \log_{10} 2^{10}$$

$$\log_{10} 1000 < \log_{10} 1024$$

底の $10$ は $1$ より大きいため、真数の大小関係より $1000 < 1024$ は真である。 よって、同値変形を逆にたどることで①は成立する。

②について、両辺を $13$ 倍すると、

$$13 \log_{10} 2 < 4$$

$$13 \log_{10} 2 < 4 \log_{10} 10$$

$$\log_{10} 2^{13} < \log_{10} 10^4$$

ここで、$2^{10} = 1024$, $2^3 = 8$ であるから、

$$2^{13} = 1024 \times 8 = 8192$$

よって、

$$\log_{10} 8192 < \log_{10} 10000$$

底の $10$ は $1$ より大きいため、真数の大小関係より $8192 < 10000$ は真である。 したがって、②も成立する。

以上より、$\frac{3}{10} < \log_{10} 2 < \frac{4}{13}$ が示された。

(2)

$a$ の式を変形すると、

$$a = \frac{\log_{10} 10 - \log_{10} 2^3}{\log_{10} 2^{10} - \log_{10} 10^3}$$

$$a = \frac{\log_{10} 10 - \log_{10} 8}{\log_{10} 1024 - \log_{10} 1000}$$

対数の性質 $\log_c x - \log_c y = \log_c \frac{x}{y}$ を用いて、

$$a = \frac{\log_{10} \frac{10}{8}}{\log_{10} \frac{1024}{1000}}$$

$$a = \frac{\log_{10} 1.25}{\log_{10} 1.024}$$

底の変換公式より、

$$a = \log_{1.024} 1.25$$

となる。

ここで、$b < a < b+1$ を満たす整数 $b$ を求めることは、

$$b < \log_{1.024} 1.25 < b+1$$

$$1.024^b < 1.25 < 1.024^{b+1}$$

を満たす整数 $b$ を求めることと同値である。 表より $1.024^9 < 1.25 < 1.024^{10}$ であることが読み取れるとすると、求める整数は $b = 9$ である。

(3)

(2) の結果より、

$$9 < a < 10$$

である。ここに $a = \frac{1 - 3 \log_{10} 2}{10 \log_{10} 2 - 3}$ を代入すると、

$$9 < \frac{1 - 3 \log_{10} 2}{10 \log_{10} 2 - 3} < 10$$

となる。

ここで、(1) の不等式 $\frac{3}{10} < \log_{10} 2$ の両辺を $10$ 倍して整理すると、

$$3 < 10 \log_{10} 2$$

$$10 \log_{10} 2 - 3 > 0$$

であることがわかる。 よって、上の不等式の各辺に正の値 $(10 \log_{10} 2 - 3)$ を掛けても不等号の向きは変わらず、

$$9 (10 \log_{10} 2 - 3) < 1 - 3 \log_{10} 2 < 10 (10 \log_{10} 2 - 3)$$

が得られる。これを左側の不等式と右側の不等式に分けて解く。

(i) 左側の不等式

$$90 \log_{10} 2 - 27 < 1 - 3 \log_{10} 2$$

これを移項して整理すると、

$$93 \log_{10} 2 < 28$$

$$\log_{10} 2 < \frac{28}{93} \quad \cdots \text{③}$$

(ii) 右側の不等式

$$1 - 3 \log_{10} 2 < 100 \log_{10} 2 - 30$$

これを移項して整理すると、

$$31 < 103 \log_{10} 2$$

$$\frac{31}{103} < \log_{10} 2 \quad \cdots \text{④}$$

③、④より、

$$\frac{31}{103} < \log_{10} 2 < \frac{28}{93}$$

が示された。

解説

対数の近似値をテーマにした問題である。(1) で粗い評価を行い、それを足場にして (2) で式変形を扱い、(3) でより精度の高い評価を導出する。(2) の $a$ の定義式が、$\log_{10} 2$ の値を精度よく絞り込むために意図的に設定された関数であることが (3) の計算から実感できる。(1) の結果が (3) で分母が正であることの保証に使われる点など、誘導に乗ることで自然と結論にたどり着くことができる。

答え

(1) 略(証明終)

(2) $b = 9$

(3) 略(証明終)

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