東北大学 2016年 理系 第5問 解説

方針・初手
交線 $l$ を $z$ 軸とみなし,平面 $\alpha,\beta$ を座標で表すと処理しやすい。
まず,$m,n$ はともに $l$ に垂直で $O$ を通るから,$P,Q$ はともに $O$ を通る $xy$ 平面上にある。したがって,$OP,OQ,PQ$ から,$m$ と $n$ のなす角を余弦定理で求められる。
そのうえで点 $T$ の座標を $t$ で表し,中心 $T$ から各平面までの距離を出せば,球の切り口は半径 $\sqrt{2-d^2}$ の円になるので,面積が求まる。
解法1
座標を次のようにとる。
- $O=(0,0,0)$
- 交線 $l$ を $z$ 軸
- 平面 $\alpha$ を $y=0$
さらに,平面 $\alpha$ 上の直線 $m$ を $x$ 軸とすれば,
$$ P=(\sqrt{3},0,0) $$
とおける。
一方,平面 $\beta$ 上の直線 $n$ は $xy$ 平面内で $m$ となす角を $\theta$ とすると,$OQ=2$ より
$$ Q=(2\cos\theta,,2\sin\theta,,0) $$
と表せる。
ここで $PQ=1$ だから,三角形 $POQ$ に余弦定理を用いて
$$ 1^2=(\sqrt{3})^2+2^2-2\cdot \sqrt{3}\cdot 2\cos\theta $$
すなわち
$$ 1=3+4-4\sqrt{3}\cos\theta $$
より
$$ 4\sqrt{3}\cos\theta=6,\qquad \cos\theta=\frac{\sqrt{3}}{2} $$
したがって
$$ \theta=\frac{\pi}{6} $$
である。よって
$$ Q=(\sqrt{3},1,0) $$
となる。
線分 $PQ$ 上で $PT=t$,しかも $PQ=1$ であるから,$T$ は
$$ T=(\sqrt{3},,t,,0)\qquad (0\le t\le 1) $$
と表せる。
平面 $\alpha$ による切り口
平面 $\alpha$ は $y=0$ だから,点 $T$ から平面 $\alpha$ までの距離は
$$ d_\alpha=t $$
である。
半径 $\sqrt{2}$ の球を,中心から距離 $d_\alpha$ の平面で切った切り口は半径
$$ \sqrt{2-d_\alpha^2}=\sqrt{2-t^2} $$
の円である。したがって面積は
$$ \pi(2-t^2) $$
である。
よって,求める面積は
$$ \pi(2-t^2) $$
である。
平面 $\beta$ による切り口
平面 $\beta$ は,$xy$ 平面で見ると直線 $n$ を含むので,
$$ y=\frac{1}{\sqrt{3}}x $$
すなわち
$$ -x+\sqrt{3}y=0 $$
と表せる。
したがって,点 $T=(\sqrt{3},t,0)$ から平面 $\beta$ までの距離は
$$ d_\beta= \frac{|-\sqrt{3}+\sqrt{3}t|}{\sqrt{(-1)^2+(\sqrt{3})^2}} ======================================================== \frac{\sqrt{3}(1-t)}{2} $$
である。ただし $0\le t\le 1$ を用いた。
よって,平面 $\beta$ による切り口の面積は
$$ \pi\left(2-d_\beta^2\right) =========================== \pi\left(2-\frac{3}{4}(1-t)^2\right) $$
である。
したがって,面積の和 $f(t)$ は
$$ f(t)=\pi(2-t^2)+\pi\left(2-\frac{3}{4}(1-t)^2\right) $$
すなわち
$$ f(t)=\frac{\pi}{4}(13+6t-7t^2) $$
となる。
これは下に凸の二次関数であるから,最大値は頂点でとる。頂点の $t$ は
$$ t=-\frac{6}{2(-7)}=\frac{3}{7} $$
である。
このとき
$$ f\left(\frac{3}{7}\right) ========================= # \frac{\pi}{4}\left(13+\frac{18}{7}-7\cdot \frac{9}{49}\right) # \frac{\pi}{4}\left(13+\frac{9}{7}\right) # \frac{\pi}{4}\cdot \frac{100}{7} \frac{25\pi}{7} $$
となる。
解説
この問題の本質は,空間図形そのものを追いかけることではなく,「中心から平面までの距離」に落とすことである。
球を平面で切った切り口の面積は,中心と平面の距離が分かれば即座に求まる。そのため,まず $P,Q,T$ を座標で具体化するのが最も自然である。
また,$PQ=1$ から $m,n$ のなす角が $\pi/6$ と決まり,結果として $Q=(\sqrt{3},1,0)$ となるので,$PQ$ が非常に扱いやすい形になる。ここを先に見抜けると計算が大幅に簡単になる。
答え
$$ \text{平面 }\alpha\text{ による切り口の面積}=\pi(2-t^2) $$
また,
$$ f(t)=\frac{\pi}{4}(13+6t-7t^2) $$
であり,最大値は
$$ \frac{25\pi}{7} $$
そのとき
$$ t=\frac{3}{7} $$
である。
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