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名古屋大学 1980年 文系 第2問 解説

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名古屋大学 1980年 文系 第2問 解説

方針・初手

接線の方程式を求めるため、曲線 $C$ 上の点 $(t, f(t))$ における接線を立式し、それが原点を通るという条件から接点の座標を決定する。その後、曲線と直線の交点の座標と上下関係を調べ、定積分により面積を計算する。

解法1

曲線 $C$ の方程式を $y = f(x)$ とおくと、

$$f(x) = x^3 - 3x^2 + 2x$$

である。これを微分すると、

$$f'(x) = 3x^2 - 6x + 2$$

曲線 $C$ 上の原点以外の点を $(t, t^3 - 3t^2 + 2t)$ とおく(ただし $t \neq 0$)。 この点における接線の方程式は、

$$y - (t^3 - 3t^2 + 2t) = (3t^2 - 6t + 2)(x - t)$$

すなわち、

$$y = (3t^2 - 6t + 2)x - 2t^3 + 3t^2$$

この直線が原点を通るので、 $(x, y) = (0, 0)$ を代入して、

$$0 = -2t^3 + 3t^2$$

$$t^2(2t - 3) = 0$$

原点以外の点での接線であるから、$t \neq 0$ より、

$$t = \frac{3}{2}$$

したがって、求める接線 $l$ の傾きは、

$$f'\left(\frac{3}{2}\right) = 3\left(\frac{3}{2}\right)^2 - 6\left(\frac{3}{2}\right) + 2 = \frac{27}{4} - 9 + 2 = -\frac{1}{4}$$

よって、接線 $l$ の方程式は、

$$y = -\frac{1}{4}x$$

次に、曲線 $C$ と接線 $l$ で囲まれた部分の面積 $S$ を求める。 交点の $x$ 座標は、方程式 $x^3 - 3x^2 + 2x = -\frac{1}{4}x$ の解である。これを整理して、

$$x^3 - 3x^2 + \frac{9}{4}x = 0$$

$$x\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 = 0$$

よって、交点の $x$ 座標は $x = 0, \frac{3}{2}$ である。 区間 $0 \leqq x \leqq \frac{3}{2}$ において、$x \geqq 0$ かつ $\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 \geqq 0$ であるから、

$$x^3 - 3x^2 + \frac{9}{4}x \geqq 0$$

すなわち、この区間では曲線 $C$ は接線 $l$ の上側(または同じ高さ)にある。 したがって、求める面積 $S$ は、

$$S = \int_{0}^{\frac{3}{2}} \left\{ (x^3 - 3x^2 + 2x) - \left(-\frac{1}{4}x\right) \right\} dx$$

$$= \int_{0}^{\frac{3}{2}} \left( x^3 - 3x^2 + \frac{9}{4}x \right) dx$$

$$= \left[ \frac{1}{4}x^4 - x^3 + \frac{9}{8}x^2 \right]_{0}^{\frac{3}{2}}$$

$$= \frac{1}{4}\left(\frac{3}{2}\right)^4 - \left(\frac{3}{2}\right)^3 + \frac{9}{8}\left(\frac{3}{2}\right)^2$$

$$= \frac{81}{64} - \frac{27}{8} + \frac{81}{32}$$

通分して計算すると、

$$= \frac{81 - 216 + 162}{64}$$

$$= \frac{27}{64}$$

解説

3次関数とその接線によって囲まれる面積を求める典型的な問題である。

接線の立式において「原点を通る」という条件を「接点の $x$ 座標を $0$ とおく」と勘違いしないことが重要である。接点座標を $(t, f(t))$ とおいて接線の方程式を作り、そこに通過点の座標 $(0, 0)$ を代入するというセオリー通りに進めればよい。

また、面積の定積分計算においては、被積分関数が因数分解された形 $x\left(x - \frac{3}{2}\right)^2$ となることを利用して、いわゆる $\frac{1}{12}$ 公式を用いて次のように計算を省略することもできる。

$$\int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta)^2 dx = \frac{1}{12}(\beta - \alpha)^4$$

今回の被積分関数と区間を用いれば、

$$\int_{0}^{\frac{3}{2}} x\left(x - \frac{3}{2}\right)^2 dx = \frac{1}{12}\left(\frac{3}{2} - 0\right)^4 = \frac{1}{12} \cdot \frac{81}{16} = \frac{27}{64}$$

と、より早く正確に求めることが可能である。

答え

接線 $l$ の方程式は $y = -\frac{1}{4}x$ 面積は $\frac{27}{64}$

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