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名古屋大学 1980年 文系 第4問 解説

数学2/指数対数数学3/微分法テーマ/不等式の証明
名古屋大学 1980年 文系 第4問 解説

方針・初手

(1) は与えられた関数を微分して導関数を求め、符号の変化から増減を調べるという基本的な微分の問題である。積の微分法と合成関数の微分法を用いて計算ミスに注意して導関数を求める。 (2) は (1) の結果を利用して大小比較を行う誘導問題である。比較する2つの数を変形し、(1) で考えた関数 $f(x)$ とどのような関係があるかを見抜くことが重要である。

解法1

(1)

与えられた関数 $f(x) = (1-x)^{n-1}(1+x)^{n+1}$ を $x$ について微分する。積の微分法を用いる。

$$ f'(x) = -(n-1)(1-x)^{n-2}(1+x)^{n+1} + (1-x)^{n-1} \cdot (n+1)(1+x)^n $$

共通因数である $(1-x)^{n-2}(1+x)^n$ でくくると、

$$ \begin{aligned} f'(x) &= (1-x)^{n-2}(1+x)^n \{ -(n-1)(1+x) + (n+1)(1-x) \} \\ &= (1-x)^{n-2}(1+x)^n ( -n - nx + 1 + x + n - nx + 1 - x ) \\ &= (1-x)^{n-2}(1+x)^n (2 - 2nx) \\ &= 2(1-nx)(1-x)^{n-2}(1+x)^n \end{aligned} $$

$n$ は2以上の整数であり、$0 < x < 1$ において $(1-x)^{n-2} > 0$、$(1+x)^n > 0$ である。 したがって、$f'(x) = 0$ となるのは $1-nx = 0$ のとき、すなわち $x = \frac{1}{n}$ のときである。 $n \geqq 2$ より $0 < \frac{1}{n} \leqq \frac{1}{2} < 1$ であるから、この値は定義域 $0 \leqq x \leqq 1$ に含まれる。

よって、$0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の増減表は次のようになる。

$x$ $0$ $\cdots$ $\frac{1}{n}$ $\cdots$ $1$
$f'(x)$ $+$ $0$ $-$
$f(x)$ $1$ $\nearrow$ 極大 $\searrow$ $0$

ゆえに、$f(x)$ は $0 \leqq x \leqq \frac{1}{n}$ で単調に増加し、$\frac{1}{n} \leqq x \leqq 1$ で単調に減少する。

(2)

(1) で考えた関数 $f(x)$ において、$n = 100$ とおく。

$$ f(x) = (1-x)^{99}(1+x)^{101} $$

この関数について、$x = \frac{1}{100} = 0.01$ のときの値を考える。

$$ f(0.01) = (1 - 0.01)^{99} (1 + 0.01)^{101} = (0.99)^{99} (1.01)^{101} $$

(1) の増減の調査結果より、$n=100$ のとき、関数 $f(x)$ は $x = \frac{1}{100} = 0.01$ で極大かつ最大となる。 特に、$0 < 0.01 \leqq \frac{1}{100}$ であるから、$f(0) < f(0.01)$ が成り立つ。

$f(0) = (1-0)^{99}(1+0)^{101} = 1$ であるから、

$$ 1 < (0.99)^{99} (1.01)^{101} $$

両辺に正の数である $(1.01)^{-101}$ を掛けると、

$$ (1.01)^{-101} < (0.99)^{99} $$

となり、大小関係が導かれる。

解説

(1) の微分計算において、括弧を展開せずに共通因数でくくるという式変形を正確に行えるかがポイントである。(2) では、比較すべき2つの数の形から、(1) で与えられた関数 $f(x)$ との関係性を探る。指数がそれぞれ $99, -101$ となっていること、底が $0.99 = 1 - 0.01$ と $1.01 = 1 + 0.01$ であることから、$n=100, x=0.01$ を代入する発想に至ることができる。また、差をとって比較するのではなく、商の形を作り $1$ と比較するというのも数の大小比較における重要な手法の一つである。

答え

(1) $0 \leqq x \leqq \frac{1}{n}$ において単調に増加し、$\frac{1}{n} \leqq x \leqq 1$ において単調に減少する。

(2) $(0.99)^{99} > (1.01)^{-101}$

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