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名古屋大学 1969年 文系 第6問 解説

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名古屋大学 1969年 文系 第6問 解説

方針・初手

与えられた関数 $f(x)$ を2回微分し、$f''(x)$ の符号を調べる。条件が「不等式 $ax^2+bx+c>0$ を満たすすべての $x$ について $f''(x) \leqq 0$ となる」であることから、$f''(x)$ の分子を取り出し、平方完成を行って判別式 $b^2-4ac$ との関連を見いだす。必要十分条件の証明であるため、「十分性($b^2-4ac \geqq 0 \implies f''(x) \leqq 0$)」と「必要性($f''(x) \leqq 0 \implies b^2-4ac \geqq 0$)」の2つに分けて論証する。

解法1

真数条件より、関数 $f(x) = \log(ax^2+bx+c)$ の定義域は $ax^2+bx+c>0$ である。 ここで、$g(x) = ax^2+bx+c$、$D = b^2-4ac$ とおく。

$f(x) = \log g(x)$ を $x$ で微分すると、 $$ f'(x) = \frac{g'(x)}{g(x)} = \frac{2ax+b}{ax^2+bx+c} $$ さらに微分すると、 $$ \begin{aligned} f''(x) &= \frac{2a(ax^2+bx+c) - (2ax+b)^2}{(ax^2+bx+c)^2} \\ &= \frac{2a^2x^2+2abx+2ac - (4a^2x^2+4abx+b^2)}{\{g(x)\}^2} \\ &= \frac{-2a^2x^2-2abx+2ac-b^2}{\{g(x)\}^2} \end{aligned} $$ となる。

$f''(x)$ の分子を $h(x)$ とおき、平方完成すると以下のようになる。 $$ \begin{aligned} h(x) &= -2a^2x^2-2abx+2ac-b^2 \\ &= -2a^2 \left( x^2 + \frac{b}{a}x \right) + 2ac - b^2 \\ &= -2a^2 \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 + 2a^2 \left( \frac{b}{2a} \right)^2 + 2ac - b^2 \\ &= -2a^2 \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 + \frac{b^2}{2} + 2ac - b^2 \\ &= -2a^2 \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 - \frac{1}{2}(b^2-4ac) \\ &= -2a^2 \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 - \frac{1}{2}D \end{aligned} $$

また、$g(x)$ を平方完成すると、 $$ g(x) = a \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 - \frac{D}{4a} $$ である。

問題の条件「$g(x)>0$ を満たすすべての $x$ について $f''(x) \leqq 0$」は、分母 $\{g(x)\}^2 > 0$ であることから、「$g(x)>0$ を満たすすべての $x$ について $h(x) \leqq 0$」と言い換えられる。

(i) 十分性の証明

$D \geqq 0$ と仮定する。 このとき、任意の実数 $x$ に対して、$-2a^2 \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 \leqq 0$ かつ $-\frac{1}{2}D \leqq 0$ が成り立つ。 したがって、実数 $x$ の値にかかわらず常に $h(x) \leqq 0$ となる。 当然、$g(x)>0$ を満たすすべての $x$ についても $h(x) \leqq 0$ となり、$f''(x) \leqq 0$ が成立する。 よって、$D \geqq 0$ は十分条件である。

(ii) 必要性の証明

「$g(x)>0$ を満たすすべての $x$ について $h(x) \leqq 0$」が成り立つと仮定し、$D < 0$ と仮定して矛盾を導く(背理法)。 $a>0$ かつ $D<0$ のとき、$-\frac{D}{4a} > 0$ であり、$a \left( x + \frac{b}{2a} \right)^2 \geqq 0$ であるため、すべての実数 $x$ に対して $g(x) > 0$ となる。 よって、仮定より、すべての実数 $x$ について $h(x) \leqq 0$ とならなければならない。

しかし、$x = -\frac{b}{2a}$ を代入すると、 $$ h\left(-\frac{b}{2a}\right) = -\frac{1}{2}D > 0 $$ となり、$h(x) \leqq 0$ に矛盾する。 したがって、$D \geqq 0$ でなければならない。 よって、$D \geqq 0$ は必要条件である。

(i)、**(ii)**より、$f''(x) \leqq 0$ となるためには、$b^2-4ac \geqq 0$ が必要かつ十分であることが証明された。

解説

必要十分条件の証明は、「$P \implies Q$(必要性)」と「$Q \implies P$(十分性)」の双方を示すことが基本となる。本問では、$f(x)$ の第2次導関数を計算したあと、分母が常に正であることを利用して分子の符号のみに帰着させるのがポイントである。分子の2次式を平方完成し、判別式 $D$ と関連付けることで見通しよく証明できる。必要性の証明では、背理法を用いてすべての実数で成り立つはずの条件から特定の $x$(頂点の $x$ 座標)を代入して矛盾を導く方法が論理の飛躍がなく確実である。

答え

題意の通り証明された。(証明の詳細は解法1を参照)

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