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名古屋大学 2011年 文系 第1問 解説

数学2/微分法数学2/図形と式数学1/方程式不等式テーマ/接線・法線テーマ/最大・最小
名古屋大学 2011年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) 導関数を求めて増減表を作成し、極値や $x$ 軸との交点などを調べてグラフの概形を描きます。

(2) 曲線上の点 $(t, t^3 - t^2)$ における接線の方程式を立て、それが点 $\left(\frac{3}{2}, 0\right)$ を通るという条件から $t$ についての方程式を導き、接点を求めます。

(3) 求める実数解の個数は、方程式を 2 つの関数のグラフに分けたときの共有点の個数と一致します。定数 $p$ を分離して $y = p$ ともう一つの曲線の交点として考えるか、曲線 $y = x^3 - x^2$ と点 $\left(\frac{3}{2}, 0\right)$ を中心に回転する直線の交点として視覚的に捉えるかのいずれかでアプローチします。

解法1

(1)

$y = x^3 - x^2$ について、微分すると

$$ y' = 3x^2 - 2x = x(3x - 2) $$

$y' = 0$ とすると $x = 0, \frac{2}{3}$ である。増減表を作成すると以下のようになる。

$x$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $\frac{2}{3}$ $\cdots$
$y'$ $+$ $0$ $-$ $0$ $+$
$y$ $\nearrow$ $0$ $\searrow$ $-\frac{4}{27}$ $\nearrow$

極大値は $0$ ($x=0$)、極小値は $-\frac{4}{27}$ ($x=\frac{2}{3}$) である。 また、$y = x^2(x - 1)$ より、$x$ 軸との交点は $(0, 0), (1, 0)$ である。 以上より、グラフは原点で $x$ 軸に接し、点 $(1,0)$ で交わる 3 次関数の概形となる。

(2)

曲線上の点 $(t, t^3 - t^2)$ における接線の方程式は、

$$ y - (t^3 - t^2) = (3t^2 - 2t)(x - t) $$

すなわち、

$$ y = (3t^2 - 2t)x - 2t^3 + t^2 $$

これが点 $\left(\frac{3}{2}, 0\right)$ を通るので、

$$ 0 = (3t^2 - 2t) \cdot \frac{3}{2} - 2t^3 + t^2 $$

$$ 0 = \frac{9}{2}t^2 - 3t - 2t^3 + t^2 $$

両辺を 2 倍して整理すると、

$$ 4t^3 - 11t^2 + 6t = 0 $$

$$ t(4t^2 - 11t + 6) = 0 $$

$$ t(4t - 3)(t - 2) = 0 $$

よって、$t = 0, \frac{3}{4}, 2$ を得る。

(i) $t = 0$ のとき 接線の傾きは $0$ であり、接線の方程式は $y = 0$ である。

(ii) $t = \frac{3}{4}$ のとき 接線の傾きは $3 \left(\frac{3}{4}\right)^2 - 2 \cdot \frac{3}{4} = \frac{3}{16}$ であり、接線の方程式は、

$$ y = \frac{3}{16}\left(x - \frac{3}{2}\right) \quad \text{すなわち} \quad y = \frac{3}{16}x - \frac{9}{32} $$

(iii) $t = 2$ のとき 接線の傾きは $3 \cdot 2^2 - 2 \cdot 2 = 8$ であり、接線の方程式は、

$$ y = 8\left(x - \frac{3}{2}\right) \quad \text{すなわち} \quad y = 8x - 12 $$

(3)

方程式 $x^3 - x^2 = p\left(x - \frac{3}{2}\right)$ について、仮に $x = \frac{3}{2}$ とすると左辺は $\frac{9}{8}$、右辺は $0$ となり等式は成立しない。よって $x \neq \frac{3}{2}$ としてよい。 両辺を $x - \frac{3}{2}$ で割ると、

$$ p = \frac{x^3 - x^2}{x - \frac{3}{2}} $$

実数解の個数は、曲線 $y = \frac{x^3 - x^2}{x - \frac{3}{2}}$ と直線 $y = p$ の共有点の個数に等しい。 $g(x) = \frac{x^3 - x^2}{x - \frac{3}{2}} = \frac{2x^3 - 2x^2}{2x - 3}$ とおく。

$$ g'(x) = \frac{(6x^2 - 4x)(2x - 3) - (2x^3 - 2x^2) \cdot 2}{(2x - 3)^2} = \frac{8x^3 - 22x^2 + 12x}{(2x - 3)^2} = \frac{2x(4x - 3)(x - 2)}{(2x - 3)^2} $$

$g'(x) = 0$ となるのは、$x = 0, \frac{3}{4}, 2$ のときである。 $g(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $\cdots$ $0$ $\cdots$ $\frac{3}{4}$ $\cdots$ $\frac{3}{2}$ $\cdots$ $2$ $\cdots$
$g'(x)$ $-$ $0$ $+$ $0$ $-$ $\times$ $-$ $0$ $+$
$g(x)$ $\searrow$ $0$ $\nearrow$ $\frac{3}{16}$ $\searrow$ $\times$ $\searrow$ $8$ $\nearrow$

また、極限を調べると、

$$ \lim_{x \to \pm \infty} g(x) = \infty, \quad \lim_{x \to \frac{3}{2}-0} g(x) = -\infty, \quad \lim_{x \to \frac{3}{2}+0} g(x) = \infty $$

したがって、$y = g(x)$ のグラフと直線 $y = p$ の共有点の個数を調べると、以下のように求まる。

解法2

(3)

方程式 $x^3 - x^2 = p\left(x - \frac{3}{2}\right)$ の異なる実数解の個数は、曲線 $y = x^3 - x^2$ と直線 $y = p\left(x - \frac{3}{2}\right)$ の共有点の個数に等しい。 直線は定点 $\mathrm{A}\left(\frac{3}{2}, 0\right)$ を通り、傾きが $p$ である。 (2) の結果より、点 $\mathrm{A}$ を通る曲線の接線は 3 本存在し、それぞれの接点の $x$ 座標と接線の傾きは以下の通りである。

曲線の概形と点 $\mathrm{A}$ の位置関係をもとに、直線の傾き $p$ を $-\infty$ から連続的に増加させたときの共有点の個数の変化を追う。

以上により、実数解の個数が求まる。

解説

(3) のような「定数 $p$ を含む方程式の実数解の個数」を問う問題では、定数分離(解法 1)が非常に有効です。右辺を $p$ だけにすることで、複雑に動く直線を考える代わりに、固定された曲線 $y = g(x)$ と水平な直線 $y = p$ の上下移動の交点に帰着させることができます。 一方で、解法 2 のように直線の傾き変化として視覚的に捉える方法も重要です。この場合、(2) で求めた接線がまさに「交点の個数が切り替わる境界」として機能します。誘導に乗るという意味では、解法 2 の方が本問の構成意図に沿っていると言えます。

答え

(1) 極大値 $0$ ($x=0$)、極小値 $-\frac{4}{27}$ ($x=\frac{2}{3}$) を持ち、原点で $x$ 軸に接し $(1,0)$ を通る曲線となる(増減表は解法内に記載)。

(2) $y = 0, \quad y = \frac{3}{16}x - \frac{9}{32}, \quad y = 8x - 12$

(3)

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