トップ 名古屋大学 2002年 文系 第2問

名古屋大学 2002年 文系 第2問 解説

数学B/数列数学A/図形の性質テーマ/漸化式テーマ/接線・法線
名古屋大学 2002年 文系 第2問 解説

方針・初手

問題の条件である「円が $x$ 軸に接する」ことと、「2つの円が外接する」ことを数式化する。 $x$ 軸に接する円の半径は、中心の $y$ 座標の絶対値に等しいことに注意する。 (1) は $C_0$ と $C_n$ が外接する条件から直接導かれる。(2) は $C_{n-1}$ と $C_n$ が外接する条件から $a_n$ に関する漸化式を立て、「$C_n$ が $C_{n-2}$ でない」という条件を用いて漸化式を解く。

解法1

(1)

$C_n (n \geqq 1)$ は $x$ 軸に接するため、その半径 $r_n$ は $r_n = |b_n|$ と表される。 $C_0$ の中心は $\left(0, \frac{1}{2}\right)$、半径は $\frac{1}{2}$ である。 $C_n$ と $C_0$ は外接するので、中心間の距離の2乗はそれぞれの半径の和の2乗に等しい。

$$ a_n^2 + \left(b_n - \frac{1}{2}\right)^2 = \left(|b_n| + \frac{1}{2}\right)^2 $$

これを展開して整理する。

$$ a_n^2 + b_n^2 - b_n + \frac{1}{4} = b_n^2 + |b_n| + \frac{1}{4} $$

$$ a_n^2 = b_n + |b_n| $$

ここで、$b_n \leqq 0$ と仮定すると $|b_n| = -b_n$ となり、$a_n^2 = 0$ すなわち $a_n = 0$ となる。このとき $b_n + |b_n| = 0$ より $C_n$ は半径が $0$ の点円となるか、$x$ 軸の下側にあり $C_1$ などと連鎖的に外接する条件を満たさなくなるため不適である。 よって $b_n > 0$ であり、$|b_n| = b_n$ となる。

$$ a_n^2 = 2b_n $$

したがって、次が成り立つ。

$$ b_n = \frac{a_n^2}{2} $$

(2)

$n \geqq 2$ に対して、$C_n$ と $C_{n-1}$ も外接するので、(1) と同様に中心間の距離と半径の和の関係から次が成り立つ。

$$ (a_n - a_{n-1})^2 + (b_n - b_{n-1})^2 = (b_n + b_{n-1})^2 $$

これを展開して整理する。

$$ (a_n - a_{n-1})^2 = 4b_n b_{n-1} $$

(1) の結果 $b_n = \frac{a_n^2}{2}$、$b_{n-1} = \frac{a_{n-1}^2}{2}$ を代入する。

$$ (a_n - a_{n-1})^2 = 4 \cdot \frac{a_n^2}{2} \cdot \frac{a_{n-1}^2}{2} $$

$$ (a_n - a_{n-1})^2 = a_n^2 a_{n-1}^2 $$

$a_n = 0$ とすると $b_n = 0$ となり円が潰れてしまうため、$a_n \neq 0$ である。 両辺の平方根をとると、次を得る。(複号任意)

$$ a_n - a_{n-1} = \pm a_n a_{n-1} $$

両辺を $a_n a_{n-1} \neq 0$ で割る。

$$ \frac{1}{a_{n-1}} - \frac{1}{a_n} = \pm 1 $$

$$ \frac{1}{a_n} - \frac{1}{a_{n-1}} = \mp 1 $$

数列 $\left\{\frac{1}{a_n}\right\}$ の階差数列を $d_n = \frac{1}{a_n} - \frac{1}{a_{n-1}}$ とおくと、$d_n = 1$ または $d_n = -1$ である。 ここで、$n = 2$ のときを考える。$C_1$ の中心は $\left(1, \frac{1}{2}\right)$ より $a_1 = 1$ であるから、

$$ \frac{1}{a_2} - 1 = \pm 1 $$

$$ \frac{1}{a_2} = 1 \pm 1 = 2, 0 $$

$a_2 \neq 0$ より $\frac{1}{a_2} = 0$ は不適である。よって $\frac{1}{a_2} = 2$ であり、$d_2 = 1$ と確定する。 次に、$n \geqq 3$ に対して $d_n = -d_{n-1}$ となる $n$ が存在したと仮定する。

$$ \frac{1}{a_n} = \frac{1}{a_{n-1}} + d_n = \left(\frac{1}{a_{n-2}} + d_{n-1}\right) - d_{n-1} = \frac{1}{a_{n-2}} $$

このとき $a_n = a_{n-2}$ となり、(1) より $b_n = b_{n-2}$ も成り立つので、$C_n$ は $C_{n-2}$ と完全に一致してしまう。 これは問題の「$C_n$ は $C_{n-2}$ でない」という条件に矛盾する。 したがって、すべての $n \geqq 2$ において $d_n = d_{n-1}$ でなければならず、常に $d_n = 1$ である。 以上より、数列 $\left\{\frac{1}{a_n}\right\}$ は初項 $\frac{1}{a_1} = 1$、公差 $1$ の等差数列となる。

$$ \frac{1}{a_n} = 1 + (n - 1) \cdot 1 = n $$

よって、$a_n$ は次のように求まる。

$$ a_n = \frac{1}{n} $$

解説

円が互いに外接する条件から漸化式を立てる典型的な問題である。 注意すべき点として、$x$ 軸に接する円の半径は $y$ 座標そのものではなく「 $y$ 座標の絶対値」である。この絶対値の処理を厳密に行うことで、議論の飛躍を防ぐことができる。 また、漸化式を解く過程で現れる複号 $\pm$ について、問題文の「$C_n$ は $C_{n-2}$ でない」という条件を用いて符号を一つに決定する論理展開が本問の核心となる。

答え

(1) 解説の通り示された。

(2) $$ a_n = \frac{1}{n} $$

自分の記録

ログインすると保存できます。

誤りを報告

解説の誤り、誤字、表示崩れに気づいた場合は送信してください。ログイン不要です。