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名古屋大学 2006年 文系 第2問 解説

数学C/平面ベクトル数学2/図形と式数学2/微分法テーマ/軌跡・領域テーマ/図形総合
名古屋大学 2006年 文系 第2問 解説

方針・初手

直線 $l$ は、点 $A$ と $x$ 軸上の点 $A'$ を結ぶ線分の垂直二等分線であるという幾何的性質を利用する。点 $P$ が直線 $l$ 上にあることは、「点 $P$ から点 $A$ および点 $A'$ までの距離が等しい」ことと言い換えられる。この条件から $P, A, A'$ の座標を用いて立式するのが最も見通しがよい。

解法1

(1)

直線 $l$ は線分 $AA'$ の垂直二等分線である。 点 $P(p, q)$ が直線 $l$ 上にあるための条件は、点 $P$ から点 $A(2, 4)$ と点 $A'(t, 0)$ までの距離が等しいことである。 したがって、$PA = PA'$ が成り立ち、両辺を $2$ 乗して

$$ PA^2 = PA'^2 $$

$$ (p-2)^2 + (q-4)^2 = (p-t)^2 + (q-0)^2 $$

$$ p^2 - 4p + 4 + q^2 - 8q + 16 = p^2 - 2pt + t^2 + q^2 $$

式を整理して

$$ t^2 - 2pt + 4p + 8q - 20 = 0 $$

(2)

点 $P(p, q)$ を通るピッタリ直線が $2$ 本存在することは、(1) で設定した点 $A'$ が $2$ つ存在することと同値である。 点 $A(2, 4)$ と点 $A'(t, 0)$ は $y$ 座標が異なるため、どのような実数 $t$ に対しても $A \neq A'$ となり、対応する垂直二等分線は常に一意に定まる。 したがって、(1) で得られた $t$ についての $2$ 次方程式

$$ t^2 - 2pt + 4p + 8q - 20 = 0 $$

が異なる $2$ つの実数解をもてばよい。 この方程式の判別式を $D$ とすると、$D > 0$ であるから

$$ \frac{D}{4} = (-p)^2 - (4p + 8q - 20) > 0 $$

$$ p^2 - 4p - 8q + 20 > 0 $$

$$ 8q < p^2 - 4p + 20 $$

$$ q < \frac{1}{8} (p-2)^2 + 2 $$

これを $xy$ 平面上の点 $(x, y)$ の関係として捉えると、求める存在範囲は不等式 $y < \frac{1}{8}(x-2)^2 + 2$ が表す領域となる。

(3)

点 $P(p, q)$ を通る $2$ 本のピッタリ直線に対応する $x$ 軸上の点を $A_1(t_1, 0)$、$A_2(t_2, 0)$ とする。 $t_1, t_2$ は $2$ 次方程式 $t^2 - 2pt + 4p + 8q - 20 = 0$ の異なる $2$ つの実数解であるから、解と係数の関係より

$$ \begin{cases} t_1 + t_2 = 2p \\ t_1 t_2 = 4p + 8q - 20 \end{cases} $$

が成り立つ。 $2$ 本のピッタリ直線はそれぞれ線分 $AA_1$、$AA_2$ の垂直二等分線であるため、各直線の法線ベクトルは $\vec{AA_1} = (t_1-2, -4)$ と $\vec{AA_2} = (t_2-2, -4)$ である。 $2$ 直線が直交するとき、それらの法線ベクトルも直交するため、内積は $0$ となる。

$$ \vec{AA_1} \cdot \vec{AA_2} = 0 $$

$$ (t_1-2)(t_2-2) + (-4) \cdot (-4) = 0 $$

$$ t_1 t_2 - 2(t_1 + t_2) + 20 = 0 $$

ここに解と係数の関係の式を代入して

$$ (4p + 8q - 20) - 2(2p) + 20 = 0 $$

$$ 8q = 0 $$

$$ q = 0 $$

このとき、(2) で求めた条件 $8q < p^2 - 4p + 20$ を満たしているか確認する。 $q = 0$ を代入すると

$$ 0 < p^2 - 4p + 20 $$

$$ 0 < (p-2)^2 + 16 $$

となり、これはすべての実数 $p$ について成り立つ。 したがって、点 $P(p, q)$ の存在範囲は直線 $q = 0$、すなわち $xy$ 平面上における $x$ 軸全体である。

解説

図形と方程式における軌跡・領域の標準的な問題である。 直線の式を $y = mx + n$ のように直接設定して解くことも可能だが、(1) で「垂直二等分線上の点は、両端点からの距離が等しい」という性質を利用することで計算量を大幅に減らすことができる。 また (3) においては、直線の直交条件を「傾きの積が $-1$」で処理しようとすると、直線が $y$ 軸に平行になる場合(傾きが定義できない場合)の例外処理が必要になる。法線ベクトルの内積を用いることで、場合分けをせずに簡潔に直交条件を処理できる。

答え

(1)

$$ t^2 - 2pt + 4p + 8q - 20 = 0 $$

(2) $xy$ 平面上の点 $(x, y)$ の存在範囲は

$$ y < \frac{1}{8} (x-2)^2 + 2 $$

図示すると、放物線 $y = \frac{1}{8}(x-2)^2 + 2$ の下側の領域である。境界線を含まない。

(3) $xy$ 平面上の点 $(x, y)$ の存在範囲は

$$ y = 0 $$

図示すると、$x$ 軸全体となる。境界線($x$ 軸上のすべての点)を実線で描く。

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