北海道大学 2006年 文系 第3問 解説

方針・初手
(1) 与えられた3次関数を微分し、導関数が0となる $x$ の値を求めて増減表を作成する。増減表から極値とグラフの概形を把握する。
(2) 方程式を $f(x) = p$ の形に変形し、関数 $y = f(x)$ のグラフと直線 $y = p$ の共有点の問題として捉える。定義域 $0 \leqq x \leqq 1$ における $y = f(x)$ のグラフの形状から、直線 $y = p$ との共有点がただ1つとなる $p$ の範囲を視覚的に求める定石を用いる。
解法1
(1)
与えられた関数は以下の通りである。
$$ f(x) = 4x^3 - 12x^2 + 9x $$
これを $x$ について微分する。
$$ f'(x) = 12x^2 - 24x + 9 = 3(4x^2 - 8x + 3) = 3(2x - 1)(2x - 3) $$
$f'(x) = 0$ とすると、$x = \frac{1}{2}, \frac{3}{2}$ である。
関数 $f(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $\frac{1}{2}$ | $\cdots$ | $\frac{3}{2}$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | $2$ | $\searrow$ | $0$ | $\nearrow$ |
ここで、極値は以下の通り計算される。
$x = \frac{1}{2}$ のとき、極大値をとる。
$$ f\left(\frac{1}{2}\right) = 4\left(\frac{1}{8}\right) - 12\left(\frac{1}{4}\right) + 9\left(\frac{1}{2}\right) = \frac{1}{2} - 3 + \frac{9}{2} = 2 $$
$x = \frac{3}{2}$ のとき、極小値をとる。
$$ f\left(\frac{3}{2}\right) = 4\left(\frac{27}{8}\right) - 12\left(\frac{9}{4}\right) + 9\left(\frac{3}{2}\right) = \frac{27}{2} - 27 + \frac{27}{2} = 0 $$
また、$x=0$ のとき $f(0) = 0$ であるから、グラフは原点を通る。
これらより、$y=f(x)$ のグラフは点 $(0,0)$ を通り、点 $\left(\frac{1}{2}, 2\right)$ で極大、点 $\left(\frac{3}{2}, 0\right)$ で極小となり、$x$ 軸と接する右上がりの3次関数の曲線となる。(グラフ図は省略するが、上述の点と増減を反映した曲線を描くこと)
(2)
与えられた方程式は以下のように変形できる。
$$ 4x^3 - 12x^2 + 9x = p $$
すなわち、
$$ f(x) = p $$
この方程式の実数解は、曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = p$ の共有点の $x$ 座標に等しい。
したがって、求める条件は、区間 $0 \leqq x \leqq 1$ において、曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = p$ がただ1つの共有点をもつことである。
(1) の結果から、区間 $0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の値の増減を調べる。
$x = 1$ のときの関数の値は以下の通りである。
$$ f(1) = 4(1)^3 - 12(1)^2 + 9(1) = 4 - 12 + 9 = 1 $$
よって、$0 \leqq x \leqq 1$ における $y=f(x)$ のグラフは、点 $(0,0)$ から単調に増加して点 $\left(\frac{1}{2}, 2\right)$ で極大となり、その後単調に減少して点 $(1,1)$ に至る曲線となる。
この曲線と直線 $y = p$ がただ1つの共有点をもつような $p$ の値の範囲を考える。
$y=p$ を上下に動かして共有点の個数を調べると、以下のようになる。
- $p < 0$ のとき:共有点は $0$ 個
- $0 \leqq p < 1$ のとき:共有点は $1$ 個($0 \leqq x < \frac{1}{2}$ の範囲にのみ存在する)
- $p = 1$ のとき:共有点は $2$ 個($x=1$ と、$0 < x < \frac{1}{2}$ の範囲の点)
- $1 < p < 2$ のとき:共有点は $2$ 個
- $p = 2$ のとき:共有点は $1$ 個($x = \frac{1}{2}$ のみ)
- $p > 2$ のとき:共有点は $0$ 個
したがって、条件を満たす $p$ の範囲は $0 \leqq p < 1$ または $p = 2$ である。
解説
方程式の解の個数をグラフの共有点の個数に帰着させる典型問題である。「定数分離」と呼ばれる手法で、変数部分と定数部分を両辺に分け、固定されたグラフと動く横線の交点として視覚的に捉えるのがセオリーである。
本問で受験生が陥りやすいミスは、定義域の端点である $x=1$ における $y$ の値の確認を怠り、単に極大値と極小値の間だけで場合分けをしてしまうことである。問題で指定された範囲 $0 \leqq x \leqq 1$ におけるグラフのみを正確に切り出し、直線と交差させることで正しい条件が得られる。また、$p=1$ のときの交点が2個であることや、$p=2$ のときが接点1個となることなど、境界となる値での判定を丁寧に行うことが求められる。
答え
(1) 極大値 $2 \quad \left( x = \frac{1}{2} のとき \right)$ 極小値 $0 \quad \left( x = \frac{3}{2} のとき \right)$
(2) $0 \leqq p < 1$ または $p = 2$
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