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名古屋大学 2014年 文系 第1問 解説

数学2/図形と式数学A/図形の性質テーマ/接線・法線テーマ/図形総合
名古屋大学 2014年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) 円上の接点の座標を文字でおき、そこにおける接線の方程式を立てる。その接線が点 $P$ を通る条件式から、2つの接点を通る直線(極線)の方程式を導き出し、$x$ 軸との交点を求める。 (2) 点 $R$ の座標を $(x, y)$ とおき、円上の点である条件 $x^2 + y^2 = 1$ を用いて、$PR^2$ と $QR^2$ をそれぞれ $x$ の式で表して比をとる。 (3) $\angle PRQ = 90^\circ$ を処理する。三平方の定理 $PR^2 + QR^2 = PQ^2$ を用いて (2) の結果を利用するか、ベクトルの内積 $\overrightarrow{RP} \cdot \overrightarrow{RQ} = 0$ を用いて $x$ 座標を直接求める。

解法1

(1) 円 $C$ 上の接点の座標を $(x_1, y_1)$ とすると、この点における接線の方程式は

$$ x_1x + y_1y = 1 $$

である。この直線が点 $P(a, 0)$ を通るので、代入して

$$ ax_1 = 1 \iff x_1 = \frac{1}{a} $$

これは、点 $P$ から引いた2本の接線の接点の $x$ 座標がともに $\frac{1}{a}$ であることを示している。したがって、2つの接点を結ぶ直線の方程式は $x = \frac{1}{a}$ となる。 点 $Q$ はこの直線と $x$ 軸の交点であるから、$Q$ の $x$ 座標は $\frac{1}{a}$ である。

(2) 点 $R$ の座標を $(x, y)$ とおく。$R$ は円 $C$ 上にあるので、

$$ x^2 + y^2 = 1 $$

が成り立つ。点 $P(a, 0)$、点 $Q\left(\frac{1}{a}, 0\right)$ と点 $R(x, y)$ の距離の2乗をそれぞれ計算する。

$$ \begin{aligned} PR^2 &= (x - a)^2 + y^2 \\ &= x^2 - 2ax + a^2 + y^2 \\ &= 1 - 2ax + a^2 \end{aligned} $$

$$ \begin{aligned} QR^2 &= \left(x - \frac{1}{a}\right)^2 + y^2 \\ &= x^2 - \frac{2}{a}x + \frac{1}{a^2} + y^2 \\ &= 1 - \frac{2}{a}x + \frac{1}{a^2} \\ &= \frac{a^2 - 2ax + 1}{a^2} \end{aligned} $$

よって、$PR^2 = a^2 QR^2$ が成り立つ。 $PR > 0, QR > 0, a > 1$ であるから、$PR = aQR$ すなわち

$$ \frac{PR}{QR} = a $$

となり、比 $\frac{PR}{QR}$ は $R$ の位置によらず $a$ で一定である。

(3) $\angle PRQ = 90^\circ$ より、三平方の定理から

$$ PR^2 + QR^2 = PQ^2 $$

が成り立つ。(2) より $QR = \frac{PR}{a}$ であり、$PQ = a - \frac{1}{a}$ であるから、

$$ PR^2 + \frac{PR^2}{a^2} = \left(a - \frac{1}{a}\right)^2 $$

$$ \frac{a^2 + 1}{a^2} PR^2 = \frac{(a^2 - 1)^2}{a^2} $$

$a > 1$ より $a^2 - 1 > 0$ であるから、

$$ PR^2 = \frac{(a^2 - 1)^2}{a^2 + 1} $$

$$ PR = \frac{a^2 - 1}{\sqrt{a^2 + 1}} $$

次に、$R$ の座標 $(x, y)$ を求める。(2) の計算過程より、$PR^2 = 1 - 2ax + a^2$ であるから、

$$ 1 - 2ax + a^2 = \frac{(a^2 - 1)^2}{a^2 + 1} $$

これを $x$ について解く。

$$ 2ax = a^2 + 1 - \frac{(a^2 - 1)^2}{a^2 + 1} $$

$$ 2ax = \frac{(a^2 + 1)^2 - (a^2 - 1)^2}{a^2 + 1} $$

分子を展開すると $(a^4 + 2a^2 + 1) - (a^4 - 2a^2 + 1) = 4a^2$ となるので、

$$ 2ax = \frac{4a^2}{a^2 + 1} $$

$$ x = \frac{2a}{a^2 + 1} $$

さらに、$x^2 + y^2 = 1$ より、

$$ \begin{aligned} y^2 &= 1 - x^2 \\ &= 1 - \left(\frac{2a}{a^2 + 1}\right)^2 \\ &= \frac{(a^2 + 1)^2 - 4a^2}{(a^2 + 1)^2} \\ &= \frac{(a^2 - 1)^2}{(a^2 + 1)^2} \end{aligned} $$

$a > 1$ より $a^2 - 1 > 0$ であるから、

$$ y = \pm \frac{a^2 - 1}{a^2 + 1} $$

したがって、求める $R$ の座標は $\left(\frac{2a}{a^2 + 1}, \pm \frac{a^2 - 1}{a^2 + 1}\right)$ である。

解法2

(3) の別解 $\angle PRQ = 90^\circ$ より、ベクトル $\overrightarrow{RP}$ と $\overrightarrow{RQ}$ は垂直に交わるので、内積は $0$ になる。

$$ \overrightarrow{RP} \cdot \overrightarrow{RQ} = 0 $$

$R$ の座標を $(x, y)$ とおくと、$\overrightarrow{RP} = (a - x, -y), \overrightarrow{RQ} = \left(\frac{1}{a} - x, -y\right)$ であるから、

$$ (a - x)\left(\frac{1}{a} - x\right) + (-y)(-y) = 0 $$

$$ x^2 - \left(a + \frac{1}{a}\right)x + 1 + y^2 = 0 $$

$R$ は円 $C$ 上の点であり、$x^2 + y^2 = 1$ が成り立つので、これを代入する。

$$ 1 - \left(a + \frac{1}{a}\right)x + 1 = 0 $$

$$ \left(\frac{a^2 + 1}{a}\right)x = 2 $$

$$ x = \frac{2a}{a^2 + 1} $$

これ以降は解法1と同様にして $y$ 座標を求める。$R$ の座標が求まった後は、2点間の距離の公式を用いて $PR$ の長さを求めればよい。

解説

(1) は円外の点から引いた2本の接線の接点を通る直線(極線)の方程式を求める基本操作である。 (2) はアポロニウスの円を背景とする問題である。2定点 $P, Q$ からの距離の比が一定である点の軌跡が円となる性質に結びついているが、計算上は円上にある条件を代入して整理するだけで容易に示せる。 (3) は直角の条件をいかに処理するかがポイントとなる。解法1のように (2) の結果と三平方の定理を組み合わせる方法と、解法2のようにベクトルの内積を用いる方法のどちらを選んでもよい。内積を用いる方が $x$ 座標を一発で取り出せるため、計算量が少なくミスを防ぎやすい。

答え

(1) $\frac{1}{a}$ (2) 一定値は $a$ (証明は解法に記載) (3) $R$ の座標は $\left(\frac{2a}{a^2 + 1}, \pm \frac{a^2 - 1}{a^2 + 1}\right)$、線分 $PR$ の長さは $\frac{a^2 - 1}{\sqrt{a^2 + 1}}$

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