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名古屋大学 1964年 理系 第2問 解説

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名古屋大学 1964年 理系 第2問 解説

方針・初手

定積分で定義された関数 $F(t)$ の最大・最小を調べる問題である。関数 $f(x)$ が具体的に与えられているため、アプローチとしては以下の2つが考えられる。

  1. 微分して増減を調べる:微積分学の基本定理を用いて $F'(t)$ を計算し、増減表を作成する。
  2. 定積分を計算する:$F(t)$ を $t$ の関数として具体的に求め、その関数の形状(今回は2次関数になる)から最大・最小を判断する。

問題文では「最大または最小となるか」と問われているため、最大値が存在するか、最小値が存在するかの両方について吟味する必要がある。

解法1

関数 $F(t)$ を $t$ について微分する。

$$ F'(t) = \frac{d}{dt} \int_{t}^{t+2} f(x) dx = f(t+2) - f(t) $$

$f(x) = 2 - x^2$ であるから、これを代入して計算すると、

$$ F'(t) = \{ 2 - (t+2)^2 \} - ( 2 - t^2 ) $$

$$ = 2 - (t^2 + 4t + 4) - 2 + t^2 $$

$$ = -4t - 4 $$

$$ = -4(t+1) $$

$F'(t) = 0$ となるのは $t = -1$ のときである。$F(t)$ の増減表は以下のようになる。

$$ \begin{array}{c|ccc} t & \cdots & -1 & \cdots \\ \hline F'(t) & + & 0 & - \\ \hline F(t) & \nearrow & \text{極大} & \searrow \end{array} $$

増減表より、$F(t)$ は $t = -1$ で極大かつ最大となる。

一方、$t \to \pm\infty$ のとき $F(t) \to -\infty$ となるため、最小値は存在しない。したがって、最小となる $t$ の値はない。

解法2

定積分を直接計算して $F(t)$ を $t$ の関数として求める。

$$ F(t) = \int_{t}^{t+2} (2 - x^2) dx $$

$$ = \left[ 2x - \frac{1}{3}x^3 \right]_{t}^{t+2} $$

$$ = \left\{ 2(t+2) - \frac{1}{3}(t+2)^3 \right\} - \left( 2t - \frac{1}{3}t^3 \right) $$

$$ = 2t + 4 - \frac{1}{3}(t^3 + 6t^2 + 12t + 8) - 2t + \frac{1}{3}t^3 $$

$$ = 4 - 2t^2 - 4t - \frac{8}{3} $$

$$ = -2t^2 - 4t + \frac{4}{3} $$

得られた $F(t)$ は $t$ の2次関数である。平方完成をして頂点を求める。

$$ F(t) = -2(t^2 + 2t) + \frac{4}{3} $$

$$ = -2(t+1)^2 + 2 + \frac{4}{3} $$

$$ = -2(t+1)^2 + \frac{10}{3} $$

したがって、$y = F(t)$ のグラフは上に凸な放物線であり、頂点は $\left(-1, \frac{10}{3}\right)$ である。

よって、$F(t)$ は $t = -1$ のとき最大となる。 また、下に凸でないため最小値は存在せず、最小となる $t$ の値はない。

解説

積分区間の幅が $(t+2) - t = 2$ で一定である定積分関数の最大・最小問題である。 被積分関数 $f(x)$ が2次関数であるため、積分すると3次関数になるように思えるが、上端と下端を代入して引く際に3次の項が相殺され、結果的に $F(t)$ は $t$ の2次関数となる。

解法1のように微積分学の基本定理 $\frac{d}{dt} \int_{g(t)}^{h(t)} f(x) dx = f(h(t))h'(t) - f(g(t))g'(t)$ を用いると、積分の計算を回避して直接導関数を求めることができ、計算ミスを減らすことができるので有効な手法である。

また、「最大または最小となるか」と聞かれているため、最大となる $t$ の値を答えるだけでなく、最小値が存在しないことにも言及することが重要である。

答え

最大となるのは $t = -1$ のとき。 最小となる $t$ の値はない。

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