大阪大学 1975年 文系 第2問 解説

方針・初手
対数を含む不等式を解く際の鉄則として、真っ先に「真数条件」を確認する。これを忘れると、求めた解が元の不等式を満たさない場合があるため注意が必要である。
次に、2つの対数の底が $2$ と $4$ で異なっているため、底の変換公式を用いて底を統一する。通常は小さい方の底(ここでは $2$)に揃えるのが計算しやすい。底を揃えた後は、対数の性質を用いて不等式の左辺を1つの対数にまとめ、真数部分の比較へと持ち込む。
解法1
まず、真数は正でなければならないため、真数条件より
$$ 1-x > 0 \quad \text{かつ} \quad x+4 > 0 $$
これを解いて、
$$ -4 < x < 1 $$
を得る。これを条件 (A) とする。
次に、与えられた不等式
$$ \log_2(1-x) + \log_4(x+4) \leqq 2 $$
について、底の変換公式を用いて第2項の底を $2$ に変換する。
$$ \log_2(1-x) + \frac{\log_2(x+4)}{\log_2 4} \leqq 2 $$
$$ \log_2(1-x) + \frac{1}{2}\log_2(x+4) \leqq 2 $$
両辺を $2$ 倍して分母を払う。
$$ 2\log_2(1-x) + \log_2(x+4) \leqq 4 $$
対数の性質を用いて、左辺を1つの対数にまとめる。
$$ \log_2(1-x)^2 + \log_2(x+4) \leqq 4 $$
$$ \log_2 \{(1-x)^2(x+4)\} \leqq \log_2 2^4 $$
底の $2$ は $1$ より大きいため、大小関係はそのまま真数の大小関係に一致する。
$$ (1-x)^2(x+4) \leqq 16 $$
左辺を展開して整理する。
$$ (x^2 - 2x + 1)(x+4) \leqq 16 $$
$$ x^3 + 4x^2 - 2x^2 - 8x + x + 4 \leqq 16 $$
$$ x^3 + 2x^2 - 7x - 12 \leqq 0 $$
左辺を $P(x) = x^3 + 2x^2 - 7x - 12$ とおく。因数定理を用いて $P(x)$ を因数分解する。 $P(-3) = -27 + 18 + 21 - 12 = 0$ となるため、$P(x)$ は $x+3$ を因数にもつ。 組立除法などを用いて割り算を行うと、
$$ x^3 + 2x^2 - 7x - 12 = (x+3)(x^2 - x - 4) $$
となる。したがって、解くべき不等式は以下のようになる。
$$ (x+3)(x^2 - x - 4) \leqq 0 $$
ここで、$x^2 - x - 4 = 0$ の解は、解の公式より
$$ x = \frac{1 \pm \sqrt{17}}{2} $$
である。よって、3次不等式の解は
$$ x \leqq -3, \quad \frac{1-\sqrt{17}}{2} \leqq x \leqq \frac{1+\sqrt{17}}{2} $$
となる。これを条件 (B) とする。
最後に、真数条件 (A) と不等式の解 (B) の共通範囲を求める。 境界となる値の大小関係を把握するために、$\sqrt{17}$ を評価する。 $4 < \sqrt{17} < 5$ であるから、
$$ -5 < -\sqrt{17} < -4 $$
$$ -4 < 1-\sqrt{17} < -3 $$
$$ -2 < \frac{1-\sqrt{17}}{2} < -1.5 $$
また、
$$ 5 < 1+\sqrt{17} < 6 $$
$$ 2.5 < \frac{1+\sqrt{17}}{2} < 3 $$
これらより、各値の大小関係は以下のようになる。
$$ -4 < -3 < \frac{1-\sqrt{17}}{2} < 1 < \frac{1+\sqrt{17}}{2} $$
したがって、(A) と (B) の共通範囲を求めると、
$$ -4 < x \leqq -3, \quad \frac{1-\sqrt{17}}{2} \leqq x < 1 $$
となる。
解説
対数不等式の典型的な問題であり、以下の3つのステップを確実に踏めるかが問われている。
- 真数条件の確認:対数を見たら真っ先に真数条件を書き出す癖をつけること。最後に共通範囲をとるのを忘れてはならない。
- 底の統一:底の変換公式を用いて底を揃える。このとき、底を $1$ より大きい値(今回は $2$)に揃えることで、真数同士を比較する際に不等号の向きが変わるミスを防ぐことができる。
- 高次不等式の解法と値の評価:3次不等式を解くための因数定理の活用、そして無理数を含む解と真数条件の境界値との大小関係を正確に評価する力が求められる。平方根のおおよその値($\sqrt{16} < \sqrt{17} < \sqrt{25}$)を基に不等式を作って評価すれば確実である。
答え
$$ -4 < x \leqq -3, \quad \frac{1-\sqrt{17}}{2} \leqq x < 1 $$
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