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大阪大学 1975年 理系 第3問 解説

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大阪大学 1975年 理系 第3問 解説

方針・初手

曲線と直線 $y=d$ の交点の $x$ 座標が連続した3整数であるという条件から、3次関数の式を立てる。 面積を求めるにあたっては、図形を $x$ 軸方向に平行移動しても面積が変わらない性質を利用し、扱いやすい関数に帰着させると計算が見通しやすくなる。 また、曲線が $x$ 軸に接するという条件は、関数が極値 $0$ をもつこと、あるいは式が $(x-\alpha)^2(x-\beta)$ の形に因数分解できることと同値である。

解法1

曲線 $y = f(x) = x^3 + ax^2 + bx + c$ と直線 $y = d$ との交点の $x$ 座標は連続した3整数であるから、それらを $n-1, n, n+1$($n$ は整数)とおくことができる。 $x^3$ の係数が $1$ であることと因数定理より、以下の恒等式が成り立つ。

$$ f(x) - d = (x - n + 1)(x - n)(x - n - 1) $$

図形の面積は平行移動しても不変であるから、曲線を $x$ 軸方向に $-n$ だけ平行移動した曲線を $y = g(x)$ とすると、$g(x) = f(x+n)$ であり、以下の式を得る。

$$ g(x) - d = (x + 1)x(x - 1) = x^3 - x $$

$$ g(x) = x^3 - x + d $$

曲線 $y = f(x)$ が $x$ 軸に接するとき、平行移動した曲線 $y = g(x)$ も $x$ 軸に接する。 したがって、$g(x)$ は極値として $0$ をもつ。 $g(x)$ を微分すると、以下のようになる。

$$ g'(x) = 3x^2 - 1 $$

$g'(x) = 0$ とすると、$x = \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ である。 極値は $g\left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right)$ と $g\left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right)$ であり、これらが $0$ になるための条件を調べる。

(i) 極小値が $0$ になるとき

$$ g\left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right) = \left( \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^3 - \frac{1}{\sqrt{3}} + d = -\frac{2}{3\sqrt{3}} + d = 0 $$

よって、$d = \frac{2}{3\sqrt{3}}$ である。 このとき、$g(x)$ は以下のように因数分解できる。

$$ g(x) = x^3 - x + \frac{2}{3\sqrt{3}} = \left( x + \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^2 \left( x - \frac{2}{\sqrt{3}} \right) $$

(ii) 極大値が $0$ になるとき

$$ g\left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right) = \left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right)^3 - \left( -\frac{1}{\sqrt{3}} \right) + d = \frac{2}{3\sqrt{3}} + d = 0 $$

よって、$d = -\frac{2}{3\sqrt{3}}$ である。 このとき、$g(x)$ は以下のように因数分解できる。

$$ g(x) = x^3 - x - \frac{2}{3\sqrt{3}} = \left( x - \frac{1}{\sqrt{3}} \right)^2 \left( x + \frac{2}{\sqrt{3}} \right) $$

(i)、(ii) のいずれの場合も、曲線 $y = g(x)$ と $x$ 軸の交点の $x$ 座標を $\alpha, \beta$($\alpha$ は接点の $x$ 座標)とすると、$|\beta - \alpha| = \sqrt{3}$ となる。 3次関数とその接線(本問では $x$ 軸)で囲まれる図形の面積 $S$ は、公式 $\frac{1}{12} |\beta - \alpha|^4$ を用いて計算できるため、求める面積は次のようになる。

$$ S = \frac{1}{12} (\sqrt{3})^4 = \frac{9}{12} = \frac{3}{4} $$

解法2

曲線 $y = f(x)$ と直線 $y = d$ との交点の $x$ 座標を $n-1, n, n+1$($n$ は整数)とおくと、次が成り立つ。

$$ f(x) - d = (x - n + 1)(x - n)(x - n - 1) = x^3 - 3nx^2 + (3n^2 - 1)x - n(n^2 - 1) $$

$$ f(x) = x^3 - 3nx^2 + (3n^2 - 1)x - n(n^2 - 1) + d $$

一方で、曲線 $y = f(x)$ は $x^3$ の係数が $1$ であり、$x$ 軸に接するため、接点の $x$ 座標を $\alpha$、もう一つの交点の $x$ 座標を $\beta$ とおくと、次のように表せる。

$$ f(x) = (x - \alpha)^2 (x - \beta) = x^3 - (2\alpha + \beta)x^2 + (\alpha^2 + 2\alpha\beta)x - \alpha^2\beta $$

これら2つの式は $x$ についての恒等式であるから、係数を比較して以下の連立方程式を得る。

$$ \begin{cases} 2\alpha + \beta = 3n \\ \alpha^2 + 2\alpha\beta = 3n^2 - 1 \\ \alpha^2\beta = n(n^2 - 1) - d \end{cases} $$

第1式より、$\beta = 3n - 2\alpha$ である。これを第2式に代入する。

$$ \alpha^2 + 2\alpha(3n - 2\alpha) = 3n^2 - 1 $$

$$ -3\alpha^2 + 6n\alpha = 3n^2 - 1 $$

$$ 3(\alpha^2 - 2n\alpha + n^2) = 1 $$

$$ 3(\alpha - n)^2 = 1 $$

これを解くと、$\alpha = n \pm \frac{1}{\sqrt{3}}$ を得る。 このとき $\beta$ は次のように求まる。

$$ \beta = 3n - 2\left( n \pm \frac{1}{\sqrt{3}} \right) = n \mp \frac{2}{\sqrt{3}} \quad \text{(複号同順)} $$

曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸で囲まれる図形の面積 $S$ は、$\alpha, \beta$ の値のみによって定まる。

$$ |\beta - \alpha| = \left| \left( n \mp \frac{2}{\sqrt{3}} \right) - \left( n \pm \frac{1}{\sqrt{3}} \right) \right| = \left| \mp \frac{3}{\sqrt{3}} \right| = \sqrt{3} $$

したがって、求める面積 $S$ は面積公式を用いて次のようになる。

$$ S = \frac{1}{12} |\beta - \alpha|^4 = \frac{1}{12} (\sqrt{3})^4 = \frac{9}{12} = \frac{3}{4} $$

解説

平行移動により定数 $n$ の影響を消去して考えるアプローチ(解法1)が最も計算の負担が少なく、見通しが良い。 図形の面積が平行移動によって不変であることを積極的に活用することが、この問題の重要な着眼点である。 また、計算の最終盤で「3次関数のグラフと接線で囲まれた部分の面積公式(いわゆる $\frac{1}{12}$ 公式)」を用いることで、定積分の煩雑な計算を回避し、時間短縮を図ることができる。

答え

$$ \frac{3}{4} $$

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