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大阪大学 1989年 文系 第3問 解説

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大阪大学 1989年 文系 第3問 解説

方針・初手

問題文の条件から、未知数 $a, b, c, d$ に関する関係式を立式する。 「$x=3$ で極小値 $0$ をとる」という条件は、$f'(3) = 0$ かつ $f(3) = 0$ であることを意味するが、これは必要条件にすぎないため、求まった関数が実際に $x=3$ で極小値をとるかの確認を最後に必ず行う。 面積計算では、$x=3$ で $x$ 軸に接することがわかっているため、速やかに因数分解を行い、積分区間と被積分関数の符号(上下関係)を決定する。

解法1

(1)

与えられた関数は $f(x) = ax^3 + bx^2 + cx + d$ であり、これを微分すると

$$ f'(x) = 3ax^2 + 2bx + c $$

となる。

$x=3$ のとき極小値 $0$ をとるため、$f(3) = 0$ および $f'(3) = 0$ が成り立つ。

$$ 27a + 9b + 3c + d = 0 \quad \cdots \text{①} $$

$$ 27a + 6b + c = 0 \quad \cdots \text{②} $$

また、曲線 $y=f(x)$ 上に点 $(1, 8)$ があるので、$f(1) = 8$ である。

$$ a + b + c + d = 8 \quad \cdots \text{③} $$

曲線上の点 $(1, 8)$ における接線の傾きは $f'(1) = 3a + 2b + c$ となる。よって、この接線の方程式は

$$ y - 8 = (3a + 2b + c)(x - 1) $$

と表せる。この接線が点 $(3, 0)$ を通るので、代入して整理する。

$$ 0 - 8 = (3a + 2b + c)(3 - 1) $$

$$ 6a + 4b + 2c = -8 $$

$$ 3a + 2b + c = -4 \quad \cdots \text{④} $$

これで未知数4つに対して4つの式が得られたため、連立方程式を解く。 ②より $c = -27a - 6b$ を④に代入する。

$$ 3a + 2b + (-27a - 6b) = -4 $$

$$ -24a - 4b = -4 $$

$$ b = 1 - 6a \quad \cdots \text{⑤} $$

⑤を $c = -27a - 6b$ に代入して $c$ を $a$ で表す。

$$ c = -27a - 6(1 - 6a) = 9a - 6 \quad \cdots \text{⑥} $$

次に、①と③から $d$ を消去するため、① $-$ ③ を計算する。

$$ 26a + 8b + 2c = -8 $$

$$ 13a + 4b + c = -4 $$

これに⑤と⑥を代入する。

$$ 13a + 4(1 - 6a) + (9a - 6) = -4 $$

$$ 13a + 4 - 24a + 9a - 6 = -4 $$

$$ -2a - 2 = -4 $$

$$ a = 1 $$

$a = 1$ を⑤、⑥に代入すると、$b = -5$、$c = 3$ となる。 さらに、これらを③に代入して $d$ を求める。

$$ 1 - 5 + 3 + d = 8 $$

$$ d = 9 $$

よって、$f(x) = x^3 - 5x^2 + 3x + 9$ と求まる。 このとき、

$$ f'(x) = 3x^2 - 10x + 3 = (3x - 1)(x - 3) $$

となり、$f'(x) = 0$ の解は $x = \frac{1}{3}, 3$ である。

$f(x)$ は $x = \frac{1}{3}$ で極大値をとり、$x = 3$ で極小値 $0$ をとるため、題意を満たす。

(2)

(1)より、$f(x) = x^3 - 5x^2 + 3x + 9$ である。 曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸との交点の $x$ 座標は方程式 $f(x) = 0$ の解である。

$x=3$ で極小値 $0$ をとる(すなわち $x$ 軸に接する)ことから、$f(x)$ は $(x - 3)^2$ を因数にもつため、次のように因数分解できる。

$$ f(x) = (x - 3)^2(x + 1) $$

したがって、交点の $x$ 座標は $x = -1, 3$ である。

$-1 \leqq x \leqq 3$ の区間において、$f(x) = (x - 3)^2(x + 1) \geqq 0$ であるため、曲線 $y=f(x)$ は $x$ 軸よりも上側にある。 よって、求める面積 $S$ は

$$ S = \int_{-1}^{3} (x^3 - 5x^2 + 3x + 9) dx $$

これを計算して

$$ \begin{aligned} S &= \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{5}{3}x^3 + \frac{3}{2}x^2 + 9x \right]_{-1}^{3} \\ &= \left( \frac{81}{4} - 45 + \frac{27}{2} + 27 \right) - \left( \frac{1}{4} + \frac{5}{3} + \frac{3}{2} - 9 \right) \\ &= \frac{80}{4} - 18 + \frac{24}{2} - \frac{5}{3} + 9 \\ &= 20 - 18 + 12 - \frac{5}{3} + 9 \\ &= 23 - \frac{5}{3} \\ &= \frac{64}{3} \end{aligned} $$

解説

(1)において、「$x=\alpha$ で極小値をとる」という条件を「$f'(\alpha) = 0$」として計算を進めるが、これはあくまで必要条件であり、$f'(\alpha)=0$ であっても極大値であったり、極値をもたなかったりする場合がある。そのため、求めた定数に対して関数の増減を調べ、実際に題意を満たすことの確認(十分性の確認)を必ず記述する必要がある。

(2)の定積分計算では、次のような「$\frac{1}{12}$ 公式」を用いると計算を簡略化できる。

$$ \int_{\alpha}^{\beta} (x - \alpha)(x - \beta)^2 dx = \frac{1}{12}(\beta - \alpha)^4 $$

本問に適用すると、$\alpha = -1, \beta = 3$ として

$$ S = \int_{-1}^{3} (x + 1)(x - 3)^2 dx = \frac{1}{12} \{ 3 - (-1) \}^4 = \frac{256}{12} = \frac{64}{3} $$

と一気に面積を求めることができ、計算ミスを減らす有効な手段となる。

答え

(1)

$$ a = 1, b = -5, c = 3, d = 9 $$

(2)

$$ \frac{64}{3} $$

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