大阪大学 1981年 文系 第3問 解説

方針・初手
- 曲線 $C$ の方程式から導関数を求め、原点 $O$ における接線 $l$ の方程式を求める。
- 曲線 $C$ と接線 $l$ の交点の方程式を解き、点 $P$ の座標を求める。
- $S_1$ は直角三角形の面積として立式する。座標から辺の長さを求める際、絶対値を忘れないようにする。
- $S_2$ は3次曲線と接線で囲まれる部分の面積であり、交点の大小関係に応じて場合分けをして定積分するか、面積公式を利用する。
解法1
(1)
$f(x) = x(x-1)(x-a) = x^3 - (a+1)x^2 + ax$ とおく。
$f'(x) = 3x^2 - 2(a+1)x + a$
原点 $O(0, 0)$ における接線 $l$ の傾きは $f'(0) = a$ となる。
よって、接線 $l$ の方程式は $y = ax$ である。
曲線 $C$ と接線 $l$ の交点の $x$ 座標は、方程式 $x^3 - (a+1)x^2 + ax = ax$ の解である。
これを解くと、$x^2(x - (a+1)) = 0$ より $x = 0, a+1$ となる。
点 $P$ は $O$ 以外の交点であるから、$x_P = a+1$ である。
点 $P$ が存在するためには $a+1 \neq 0$ すなわち $a \neq -1$ である必要がある。問題文の条件より $a \neq 0$ でもあるので、$a$ は $a \neq 0$ かつ $a \neq -1$ を満たす実数である。
点 $P$ の $y$ 座標は $l$ 上にあるので $y_P = a(a+1)$ となる。
よって、$P(a+1, a(a+1))$ である。
点 $Q$ は点 $P$ から $x$ 軸に下ろした垂線の足であるから、$Q(a+1, 0)$ である。
$\triangle OPQ$ は $\angle OQP = 90^\circ$ の直角三角形であるから、底辺 $OQ$ と高さ $PQ$ の長さはそれぞれ以下のようになる。
$OQ = |a+1|$
$PQ = |a(a+1)|$
したがって、$\triangle OPQ$ の面積 $S_1$ は次のように表される。
$$ S_1 = \frac{1}{2} \cdot OQ \cdot PQ = \frac{1}{2} |a+1| \cdot |a(a+1)| = \frac{1}{2} |a| (a+1)^2 $$
次に、$S_2$ を求める。
曲線 $C$ と接線 $l$ で囲まれる図形は、$x=0$ と $x=a+1$ の間にできる。
被積分関数は $f(x) - ax = x^2(x - (a+1))$ となる。
(i)
$a+1 > 0$ (すなわち $a > -1$ かつ $a \neq 0$)のとき
$0 \leqq x \leqq a+1$ において $x^2(x - (a+1)) \leqq 0$ であるから、区間内で接線 $l$ が曲線 $C$ の上側(または同じ高さ)にある。
$$ S_2 = \int_{0}^{a+1} \{ ax - f(x) \} dx = \int_{0}^{a+1} -x^2(x - (a+1)) dx $$
$$ S_2 = \int_{0}^{a+1} (-x^3 + (a+1)x^2) dx = \left[ -\frac{1}{4}x^4 + \frac{a+1}{3}x^3 \right]_0^{a+1} $$
$$ S_2 = -\frac{1}{4}(a+1)^4 + \frac{1}{3}(a+1)^4 = \frac{1}{12}(a+1)^4 $$
(ii)
$a+1 < 0$ (すなわち $a < -1$)のとき
$a+1 \leqq x \leqq 0$ において $x^2(x - (a+1)) \geqq 0$ であるから、区間内で曲線 $C$ が接線 $l$ の上側(または同じ高さ)にある。
$$ S_2 = \int_{a+1}^{0} \{ f(x) - ax \} dx = \int_{a+1}^{0} x^2(x - (a+1)) dx $$
$$ S_2 = \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{a+1}{3}x^3 \right]_{a+1}^0 = 0 - \left( \frac{1}{4}(a+1)^4 - \frac{1}{3}(a+1)^4 \right) $$
$$ S_2 = \frac{1}{12}(a+1)^4 $$
(i), (ii) いずれの場合も、$S_2 = \frac{1}{12}(a+1)^4$ となる。
(2)
$S_1 = S_2$ より、(1) で求めた式を等置する。
$$ \frac{1}{2} |a| (a+1)^2 = \frac{1}{12} (a+1)^4 $$
$a \neq -1$ より $(a+1)^2 > 0$ であるから、両辺を $(a+1)^2$ で割って整理する。
$$ 6 |a| = (a+1)^2 $$
この方程式を、$a$ の符号によって場合分けして解く。
(i)
$a > 0$ のとき
方程式は $6a = a^2 + 2a + 1$ となる。
$$ a^2 - 4a + 1 = 0 $$
これを解いて、$a = 2 \pm \sqrt{3}$ を得る。
$2 - \sqrt{3} > 2 - 2 = 0$ より、これらはどちらも $a > 0$ を満たす。
(ii)
$a < 0$ のとき
方程式は $-6a = a^2 + 2a + 1$ となる。
$$ a^2 + 8a + 1 = 0 $$
これを解いて、$a = -4 \pm \sqrt{15}$ を得る。
$3 < \sqrt{15} < 4$ であるから、$-4 + \sqrt{15} < 0$ および $-4 - \sqrt{15} < 0$ となり、条件 $a < 0$ を満たす。
さらに、$a = -1$ と仮定すると $-1 = -4 \pm \sqrt{15}$ すなわち $3 = \pm \sqrt{15}$ となり矛盾するので、$a \neq -1$ も満たす。
以上より、求める $a$ の値は $a = 2 \pm \sqrt{3}, -4 \pm \sqrt{15}$ である。
解法2
(1) の $S_2$ についての別解
曲線 $C$ の方程式は $f(x) = x^3 - (a+1)x^2 + ax$ である。
接線 $l$ の方程式は $y = ax$ であり、$C$ と $l$ の交点の $x$ 座標は $x = 0$ (重解)および $x = a+1$ である。
面積 $S_2$ は、3次関数と接線で囲まれた図形の面積であるため、交点の $x$ 座標の大小関係によらず、以下の積分公式を用いて求めることができる。
$$ S_2 = \frac{|1|}{12} |(a+1) - 0|^4 = \frac{1}{12} (a+1)^4 $$
(※以降の解答は解法1と同様)
解説
- $S_1$ を求める際、点 $P, Q$ の座標に文字が含まれているため、線分の長さを表すときに絶対値記号が必要になる点に注意が必要である。$a$ の正負や大小関係を勝手に断定しないことが重要である。
- $S_2$ の計算では、解法2で示したように「3次関数と接線で囲まれる面積」の $\frac{1}{12}$ 公式($\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2 (\beta-x) dx = \frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4$)を用いると計算が非常に見通しよくなる。記述式解答では解法1のように積分計算の過程を示す方が安全だが、公式を知っていれば計算ミスを防ぐ強力な武器となる。
- (2) で絶対値を外す際の場合分けでは、出てきた解が場合分けの前提条件($a > 0$ や $a < 0$ かつ $a \neq -1$ など)を満たしているかどうかの確認を忘れないようにする。
答え
(1)
$S_1 = \frac{1}{2} |a| (a+1)^2$, $S_2 = \frac{1}{12} (a+1)^4$
(2)
$a = 2 \pm \sqrt{3}, -4 \pm \sqrt{15}$
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