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大阪大学 1985年 文系 第1問 解説

数学2/微分法数学2/積分法数学1/方程式不等式テーマ/接線・法線テーマ/面積・体積
大阪大学 1985年 文系 第1問 解説

方針・初手

$f(x) = x(x^2 - 10x + k)$ と因数分解できることに着目する。 $f(x) = 0$ の解の1つは $x=0$ であり、残りの解は2次方程式 $x^2 - 10x + k = 0$ の解となる。

(1) では、この2次方程式が相異なる2つの実数解をもち、それらと $0$ との間隔がすべて1以上になるような $k$ の条件を求める。解の配置問題として2次関数のグラフの性質を利用するか、解と係数の関係を利用する。

(2) では、$f(x)=0$ が重解をもつ条件から $k$ を特定し、定積分によって面積を求める。積分計算の工夫として $(x-\alpha)^n$ の形を作り出すと計算が容易になる。

解法1

(1)

$f(x) = 0$ は次のように因数分解できる。

$$ x(x^2 - 10x + k) = 0 $$

これより、$f(x) = 0$ の実数解は、$x = 0$ および2次方程式 $g(x) = x^2 - 10x + k = 0$ の実数解である。 方程式 $f(x) = 0$ が3個の実数解をもつため、2次方程式 $g(x) = 0$ は $0$ でない相異なる2つの実数解をもつ必要がある。 $g(x) = 0$ の判別式を $D$ とすると、

$$ \frac{D}{4} = 25 - k > 0 \iff k < 25 $$

また、$k$ は正数($k > 0$)であるから、$g(0) = k > 0$ となり、$x=0$ は $g(x)=0$ の解ではない。したがって、実数解が3個になる条件は $0 < k < 25$ である。

このとき、$g(x) = 0$ の2つの解を $\alpha, \beta$ ($\alpha < \beta$)とすると、解と係数の関係より、

$$ \begin{cases} \alpha + \beta = 10 \\ \alpha \beta = k \end{cases} $$

が成り立つ。$k > 0$ より $\alpha \beta > 0$ であり、$\alpha + \beta = 10 > 0$ であるから、$0 < \alpha < \beta$ である。 したがって、$f(x) = 0$ の3個の実数解は小さい順に $0, \alpha, \beta$ と並ぶ。 これらが互いに1以上離れているための条件は、

$$ \begin{cases} \alpha - 0 \geqq 1 \\ \beta - \alpha \geqq 1 \end{cases} $$

である。

第1の条件 $\alpha \geqq 1$ について、$y = g(x)$ のグラフは下に凸であり、軸は $x = 5$ であるから、$\alpha \geqq 1$ となるのは $g(1) \geqq 0$ のときである。

$$ g(1) = 1 - 10 + k = k - 9 \geqq 0 \iff k \geqq 9 $$

第2の条件 $\beta - \alpha \geqq 1$ について、両辺は正なので2乗しても同値である。

$$ (\beta - \alpha)^2 \geqq 1 $$

解と係数の関係を用いて変形すると、

$$ (\alpha + \beta)^2 - 4\alpha\beta \geqq 1 $$

$$ 10^2 - 4k \geqq 1 $$

$$ 4k \leqq 99 \iff k \leqq \frac{99}{4} $$

以上の条件 $0 < k < 25$、$k \geqq 9$、$k \leqq \frac{99}{4}$ をすべて満たす $k$ の範囲を求めると、

$$ 9 \leqq k \leqq \frac{99}{4} $$

(2)

曲線 $y = f(x)$ がある点で $x$ 軸に接するのは、方程式 $f(x) = 0$ が重解をもつときである。 $f(x) = x(x^2 - 10x + k) = 0$ であり、$k > 0$ より $x=0$ が重解になること(すなわち $g(0) = k = 0$ となること)はないため、$g(x) = 0$ が重解をもつ必要がある。 (1) で求めた判別式 $D = 0$ より、

$$ k = 25 $$

このとき、$g(x) = x^2 - 10x + 25 = (x - 5)^2$ となるので、

$$ f(x) = x(x - 5)^2 $$

曲線 $y = f(x)$ と $x$ 軸の交点は $x = 0, 5$ であり、区間 $0 \leqq x \leqq 5$ において $f(x) \geqq 0$ である。 よって、求める面積を $S$ とすると、

$$ S = \int_{0}^{5} x(x - 5)^2 dx $$

部分積分、または被積分関数を変形して計算する。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{0}^{5} \{ (x - 5) + 5 \} (x - 5)^2 dx \\ &= \int_{0}^{5} \{ (x - 5)^3 + 5(x - 5)^2 \} dx \\ &= \left[ \frac{1}{4}(x - 5)^4 + \frac{5}{3}(x - 5)^3 \right]_{0}^{5} \\ &= 0 - \left( \frac{(-5)^4}{4} + \frac{5(-5)^3}{3} \right) \\ &= - \left( \frac{625}{4} - \frac{625}{3} \right) \\ &= -625 \left( \frac{3 - 4}{12} \right) \\ &= \frac{625}{12} \end{aligned} $$

解法2

(1) について、解の公式を用いて直接計算する方法を示す。

$x^2 - 10x + k = 0$ の解は、

$$ x = 5 \pm \sqrt{25 - k} $$

方程式が3個の実数解をもつため、根号の中身は正である。すなわち $25 - k > 0$ より $k < 25$。 $k$ は正数より $0 < k < 25$ である。 このとき、3個の実数解は $x = 0, 5 - \sqrt{25 - k}, 5 + \sqrt{25 - k}$ となる。 $0 < k < 25$ において $5 - \sqrt{25 - k} > 0$ は明らかであるから、小さい順に並べると、

$$ 0 < 5 - \sqrt{25 - k} < 5 + \sqrt{25 - k} $$

これらが互いに1以上離れている条件は、以下の2つの不等式が同時に成り立つことである。

$$ (5 - \sqrt{25 - k}) - 0 \geqq 1 $$

$$ (5 + \sqrt{25 - k}) - (5 - \sqrt{25 - k}) \geqq 1 $$

第1の不等式を解く。

$$ 4 \geqq \sqrt{25 - k} $$

両辺ともに正であるから2乗して、

$$ 16 \geqq 25 - k \iff k \geqq 9 $$

第2の不等式を解く。

$$ 2\sqrt{25 - k} \geqq 1 $$

両辺を2乗すると、

$$ 4(25 - k) \geqq 1 $$

$$ 100 - 4k \geqq 1 \iff k \leqq \frac{99}{4} $$

$0 < k < 25$ と合わせて、求める条件は、

$$ 9 \leqq k \leqq \frac{99}{4} $$

解説

(1) は3次方程式の解の配置問題であるが、$x$ で因数分解できるため2次方程式の問題に帰着する。解と係数の関係や2次関数のグラフを用いた解法(解法1)、解の公式を用いて直接不等式を解く解法(解法2)のいずれでも見通しよく解くことができる。

(2) は3次関数と $x$ 軸で囲まれた面積の基本問題である。交点の $x$ 座標を求め、区間における関数の符号(上下関係)を把握して積分する。積分計算において $x$ を $(x-5)+5$ と変形して $(x-5)^n$ の形を作り出すと、展開して項を増やすよりも計算ミスを防ぐことができる。

答え

(1)

$$ 9 \leqq k \leqq \frac{99}{4} $$

(2)

$k = 25$ 面積は $\frac{625}{12}$

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