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大阪大学 1995年 文系 第3問 解説

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大阪大学 1995年 文系 第3問 解説

方針・初手

(1) 3点 $O, P, Q$ を共有することから、$x^3 - f(x) = 0$ が $x=0, a, b$ を解にもつことに着目して因数定理を用いると素早く求められる。もちろん、$f(x) = px^2+qx+r$ とおいて連立方程式を解いてもよい。

(2) (1) で求めた $f(x)$ を定積分の式に代入して計算する。得られた等式を $b$ について解き、問題の条件 $a \neq \pm b$ や $a \neq 0$ に適するかを確認する。

解法1

(1)

曲線 $y = x^3$ と 放物線 $y = f(x)$ は、3点 $O(0, 0), P(a, a^3), Q(b, b^3)$ を共有する。 $O, P, Q$ は相異なる点であるため、$x=0, a, b$ は互いに異なる実数である。

したがって、3次方程式 $x^3 - f(x) = 0$ は $x = 0, a, b$ を解にもつ。 最高次($x^3$)の係数は $1$ であるから、次のように因数分解できる。

$$ x^3 - f(x) = x(x-a)(x-b) $$

右辺を展開すると、

$$ x^3 - f(x) = x^3 - (a+b)x^2 + abx $$

これより、$f(x)$ は次のように求められる。

$$ f(x) = (a+b)x^2 - abx $$

ここで、$a \neq -b$ より $x^2$ の係数 $a+b$ は $0$ ではないため、$f(x)$ は確かに2次式である。

(2)

与えられた積分の条件式は以下の通りである。

$$ \int_0^a \{x^3 - f(x)\} dx = 0 $$

(1) の結果より $x^3 - f(x) = x(x-a)(x-b)$ であるから、これを代入して計算する。

$$ \int_0^a (x^3 - (a+b)x^2 + abx) dx = 0 $$

積分を実行すると、

$$ \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{a+b}{3}x^3 + \frac{ab}{2}x^2 \right]_0^a = 0 $$

$$ \frac{1}{4}a^4 - \frac{a+b}{3}a^3 + \frac{ab}{2}a^2 = 0 $$

点 $P$ は原点 $O$ と異なるため、$a \neq 0$ である。 両辺に $\frac{12}{a^2}$ を掛けて整理すると、

$$ 3a^2 - 4a(a+b) + 6ab = 0 $$

$$ 3a^2 - 4a^2 - 4ab + 6ab = 0 $$

$$ -a^2 + 2ab = 0 $$

$$ a(2b - a) = 0 $$

$a \neq 0$ であるから、

$$ 2b - a = 0 $$

これを $b$ について解くと、

$$ b = \frac{1}{2}a $$

ここで、問題の条件 $a \neq \pm b$ を満たすか確認する。 もし $b = a$ とすると $\frac{1}{2}a = a$ より $a=0$ となり不適である。 もし $b = -a$ とすると $\frac{1}{2}a = -a$ より $a=0$ となり不適である。 したがって、$b = \frac{1}{2}a$ は条件 $a \neq \pm b$ を満たす。

解法2

(1)

$f(x)$ は2次式であり、放物線 $y = f(x)$ が原点 $O(0, 0)$ を通ることから、定数項は $0$ である。 よって、$p \neq 0$ として $f(x) = px^2 + qx$ とおける。

放物線は $P(a, a^3), Q(b, b^3)$ を通るので、

$$ \begin{cases} pa^2 + qa = a^3 \\ pb^2 + qb = b^3 \end{cases} $$

点 $P, Q$ は原点と異なるため、$a \neq 0, b \neq 0$ である。 各式の両辺をそれぞれ $a, b$ で割ると、

$$ \begin{cases} pa + q = a^2 \\ pb + q = b^2 \end{cases} $$

辺々を引くと、

$$ p(a - b) = a^2 - b^2 $$

条件 $a \neq \pm b$ より $a \neq b$ であるから、$a - b \neq 0$ である。 両辺を $a-b$ で割ると、

$$ p = a + b $$

これを $pa + q = a^2$ に代入して $q$ を求める。

$$ (a+b)a + q = a^2 $$

$$ a^2 + ab + q = a^2 $$

$$ q = -ab $$

したがって、$f(x)$ は次のように定まる。

$$ f(x) = (a+b)x^2 - abx $$

条件 $a \neq -b$ より $p = a+b \neq 0$ となり、$f(x)$ が2次式であることと矛盾しない。

(2)

条件より、

$$ \int_0^a \{x^3 - ((a+b)x^2 - abx)\} dx = 0 $$

$$ \left[ \frac{1}{4}x^4 - \frac{a+b}{3}x^3 + \frac{ab}{2}x^2 \right]_0^a = 0 $$

$$ \frac{1}{4}a^4 - \frac{a+b}{3}a^3 + \frac{ab}{2}a^2 = 0 $$

$a \neq 0$ より両辺を $a^2$ で割り、$12$ を掛けると、

$$ 3a^2 - 4a(a+b) + 6ab = 0 $$

$$ -a^2 + 2ab = 0 $$

$$ a(2b - a) = 0 $$

$a \neq 0$ より $2b - a = 0$ となり、$b = \frac{1}{2}a$ を得る。 これは条件 $a \neq \pm b$ を満たす。

解説

(1) では、関数の差 $x^3 - f(x)$ が $x$ 軸と交わる $x$ 座標が共有点の $x$ 座標になることを用いると、連立方程式を解く手間が省ける。このような「差の関数」を因数分解された形で設定する手法は、微積分や図形と方程式の分野で非常に頻出かつ強力な解法である。

(2) では、定積分を計算して得られた関係式を整理するだけである。最後に問題文の前提条件である「$a \neq \pm b$」や「$O$ とは異なる点($a \neq 0, b \neq 0$)」との無矛盾性を確認する記述を答案に入れておくと、論理的な隙がなくなる。

答え

(1)

$f(x) = (a+b)x^2 - abx$

(2)

$b = \frac{1}{2}a$

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