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大阪大学 1992年 文系 第2問 解説

数学2/図形と式数学2/積分法数学1/図形計量テーマ/軌跡・領域テーマ/面積・体積
大阪大学 1992年 文系 第2問 解説

方針・初手

中心 $P$ の座標を $(x, y)$ とおき、円 $C$ に内接すること、直線 $l$ に接することの2つの条件から関係式を立てて、点 $P$ の軌跡を求める。軌跡の式が求まった後は、指定された領域における交点の $x$ 座標を求め、定積分により面積を計算する。

解法1

点 $P$ の座標を $(x, y)$ とし、円 $P$ の半径を $r$ とおく。

条件より、点 $P$ の $y$ 座標について $y > \frac{1}{2}$ である部分を考えるため、点 $P$ は直線 $l: y = \frac{1}{2}$ より上側にある。 したがって、円 $P$ が直線 $l$ に接することから、半径 $r$ は

$$ r = y - \frac{1}{2} $$

と表される。このとき、$y > \frac{1}{2}$ より $r > 0$ は満たされている。

次に、円 $P$ は円 $C: x^2 + y^2 = 1$ (中心が原点 $O$、半径 $1$)に内接する。 2つの円が内接する条件は、中心間の距離が半径の差の絶対値と等しいことである。 点 $P$ が円 $C$ の内部にあることから、円 $P$ の半径 $r$ は円 $C$ の半径 $1$ よりも小さく、中心間の距離 $OP$ について

$$ OP = 1 - r $$

が成り立つ。 これに $OP = \sqrt{x^2 + y^2}$ と $r = y - \frac{1}{2}$ を代入すると

$$ \sqrt{x^2 + y^2} = 1 - \left( y - \frac{1}{2} \right) = \frac{3}{2} - y $$

となる。点 $P$ が円 $C$ の内部にあるとき $y \leqq 1$ であるため、右辺 $\frac{3}{2} - y > 0$ は満たされている。両辺を2乗して整理すると

$$ x^2 + y^2 = \left( \frac{3}{2} - y \right)^2 $$

$$ x^2 + y^2 = \frac{9}{4} - 3y + y^2 $$

$$ 3y = -x^2 + \frac{9}{4} $$

$$ y = -\frac{1}{3}x^2 + \frac{3}{4} $$

これが点 $P$ の軌跡の方程式である。

次に、この軌跡のうち $y > \frac{1}{2}$ の部分と直線 $l: y = \frac{1}{2}$ によって囲まれる図形の面積 $S$ を求める。 放物線 $y = -\frac{1}{3}x^2 + \frac{3}{4}$ と直線 $y = \frac{1}{2}$ の交点の $x$ 座標は

$$ -\frac{1}{3}x^2 + \frac{3}{4} = \frac{1}{2} $$

$$ \frac{1}{3}x^2 = \frac{1}{4} $$

$$ x^2 = \frac{3}{4} $$

$$ x = \pm\frac{\sqrt{3}}{2} $$

となる。 区間 $-\frac{\sqrt{3}}{2} \leqq x \leqq \frac{\sqrt{3}}{2}$ において $-\frac{1}{3}x^2 + \frac{3}{4} \geqq \frac{1}{2}$ であるから、求める面積 $S$ は

$$ S = \int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} \left\{ \left(-\frac{1}{3}x^2 + \frac{3}{4}\right) - \frac{1}{2} \right\} dx $$

$$ S = \int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} \left( -\frac{1}{3}x^2 + \frac{1}{4} \right) dx $$

$$ S = -\frac{1}{3} \int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} \left( x^2 - \frac{3}{4} \right) dx $$

$$ S = -\frac{1}{3} \int_{-\frac{\sqrt{3}}{2}}^{\frac{\sqrt{3}}{2}} \left(x - \frac{\sqrt{3}}{2}\right)\left(x + \frac{\sqrt{3}}{2}\right) dx $$

ここで、定積分の公式 $\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)(x-\beta) dx = -\frac{1}{6}(\beta-\alpha)^3$ を用いると

$$ S = -\frac{1}{3} \cdot \left(-\frac{1}{6}\right) \left( \frac{\sqrt{3}}{2} - \left(-\frac{\sqrt{3}}{2}\right) \right)^3 $$

$$ S = \frac{1}{18} (\sqrt{3})^3 $$

$$ S = \frac{1}{18} \cdot 3\sqrt{3} $$

$$ S = \frac{\sqrt{3}}{6} $$

解説

「定円に内接し、定直線に接する円の中心の軌跡」は、放物線の一部となることが知られている古典的なテーマである。 本問では、図形の定義に従って中心間の距離の式を正しく立式できれば、自然と放物線の式が得られる。その後の面積計算も標準的な放物線と直線で囲まれた図形の面積であるため、いわゆる $\frac{1}{6}$ 公式を利用して手際よく正確に計算したい。

答え

$$ \frac{\sqrt{3}}{6} $$

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