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大阪大学 2009年 文系 第1問 解説

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大阪大学 2009年 文系 第1問 解説

方針・初手

(1) は微分を用いて接線の方程式を求め、三次曲線と連立して交点を求める基本的な問題である。三次曲線とその接線の交点は、因数定理を用いて接点の $x$ 座標の重解をもつ性質を利用すると計算が早い。

(2) は (1) で求めた点 $B$ における接線の傾きを求め、2直線の直交条件「傾きの積が $-1$」を用いる。

(3) は (2) で得られた $a$ と $k$ の関係式を $a$ の方程式とみなし、指定された条件 ($a \neq 0$) をみたす実数 $a$ が存在するような $k$ の条件を考える。偶数次のみの式になるため、$t = a^2$ とおいて2次方程式の解の配置問題に帰着させる。

解法1

(1)

$f(x) = x^3 - kx$ とおく。これを $x$ について微分すると、

$$ f'(x) = 3x^2 - k $$

となる。点 $A(a, a^3 - ka)$ における接線 $l_1$ の傾きは $f'(a) = 3a^2 - k$ であるから、 $l_1$ の方程式は、

$$ y - (a^3 - ka) = (3a^2 - k)(x - a) $$

$$ y = (3a^2 - k)x - 2a^3 $$

$l_1$ と $C$ の交点の $x$ 座標は、次の方程式の解である。

$$ x^3 - kx = (3a^2 - k)x - 2a^3 $$

整理すると、

$$ x^3 - 3a^2 x + 2a^3 = 0 $$

直線 $l_1$ は $C$ と $x=a$ で接するため、この方程式は $(x-a)^2$ を因数にもつ。

$$ (x-a)^2(x+2a) = 0 $$

これを解くと $x = a, -2a$ を得る。

点 $B$ は点 $A$ 以外の交点であり、 $a \neq 0$ より $-2a \neq a$ であるため、点 $B$ の $x$ 座標は $-2a$ である。

(2)

(1) より、点 $B$ の $x$ 座標は $-2a$ であるから、点 $B$ における接線 $l_2$ の傾きは、

$$ f'(-2a) = 3(-2a)^2 - k = 12a^2 - k $$

となる。

$l_1$ と $l_2$ が直交するため、それぞれの傾きの積が $-1$ となる。

$$ (3a^2 - k)(12a^2 - k) = -1 $$

展開して整理すると、

$$ 36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0 $$

これが求める条件である。

(3)

(2) で求めた条件式をみたす実数 $a \neq 0$ が存在するための $k$ の条件を求める。

$t = a^2$ とおくと、実数 $a \neq 0$ が存在することは、 $t > 0$ となる実数 $t$ が存在することと同値である。

(2) の条件式は $t$ を用いて次のように表される。

$$ 36t^2 - 15kt + k^2 + 1 = 0 $$

この $t$ についての2次方程式が $t > 0$ の範囲に少なくとも1つの実数解をもてばよい。

$g(t) = 36t^2 - 15kt + k^2 + 1$ とおく。

放物線 $y = g(t)$ は下に凸であり、 $g(0) = k^2 + 1$ である。任意の実数 $k$ に対して $k^2 + 1 > 0$ であるため、 $g(0) > 0$ が常に成り立つ。

したがって、 $g(t) = 0$ が正の解と負の解を1つずつもつことはなく、正の解をもつならば、それは正の重解をもつか、異なる2つの正の解をもつ場合である。

よって、求める条件は、放物線 $y = g(t)$ の軸が $t > 0$ の範囲にあり、かつ $g(t) = 0$ の判別式 $D$ が $D \ge 0$ をみたすことである。

$g(t)$ を平方完成すると、

$$ g(t) = 36 \left( t - \frac{5}{24}k \right)^2 - 36 \left( \frac{5}{24}k \right)^2 + k^2 + 1 $$

となるため、軸の方程式は $t = \frac{5}{24}k$ である。軸が正である条件は、

$$ \frac{5}{24}k > 0 $$

すなわち $k > 0$ である。

また、 $g(t) = 0$ の判別式 $D$ について、

$$ D = (-15k)^2 - 4 \cdot 36 \cdot (k^2 + 1) \ge 0 $$

$$ 225k^2 - 144k^2 - 144 \ge 0 $$

$$ 81k^2 - 144 \ge 0 $$

$$ 9k^2 - 16 \ge 0 $$

これを解いて、

$$ k \le -\frac{4}{3}, \quad \frac{4}{3} \le k $$

求める $k$ の値の範囲は、 $k > 0$ と上の不等式の共通範囲をとって、

$$ k \ge \frac{4}{3} $$

となる。

解説

三次曲線の接線に関する頻出問題である。(1) において三次曲線とその接線の交点を求める際、連立した3次方程式が接点の $x$ 座標を重解としてもつ性質 $(x-\alpha)^2(x-\beta)=0$ を利用することで、計算ミスを減らし素早く解くことができる。

(2) では2直線の直交条件 $m_1 m_2 = -1$ を正確に適用できるかが問われる。

(3) は偶数次方程式の解の配置問題へと帰着させる。 $t = a^2$ とおきかえることで2次方程式の問題に落とし込むのは定石である。このとき、おきかえた文字 $t$ の変域に注意する必要がある。本問では $a \neq 0$ より $t > 0$ となる。さらに $g(0) > 0$ が常に成立することに気づけば、解の配置の条件がシンプルになる。

答え

(1)

$$ -2a $$

(2)

$$ 36a^4 - 15ka^2 + k^2 + 1 = 0 $$

(3)

$$ k \ge \frac{4}{3} $$

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