大阪大学 2009年 文系 第2問 解説

方針・初手
2つの直交条件 $\overrightarrow{AD} \perp \overrightarrow{OB}$、$\overrightarrow{BC} \perp \overrightarrow{OA}$ を内積が $0$ であるという式に翻訳し、与えられた条件 $t = \frac{|\vec{a}|}{2|\vec{b}|}$ と連立して解いていく。 交点 $P$ の位置ベクトルは、2つの直線 $AD$、$BC$ 上にあることから2通りの経路で立式し、係数を比較するという定石通りの手法で求める。
解法1
(1), (2)
問題文の条件より、点 $C$ は辺 $OA$ を $1:2$ に内分するので、
$$ \overrightarrow{OC} = \frac{1}{3} \vec{a} $$
であり、点 $D$ については、
$$ \overrightarrow{OD} = t \vec{b} $$
である。
$\overrightarrow{AD} \perp \overrightarrow{OB}$ より $\overrightarrow{AD} \cdot \overrightarrow{OB} = 0$ である。すなわち、
$$ (t \vec{b} - \vec{a}) \cdot \vec{b} = 0 $$
$$ t |\vec{b}|^2 - \vec{a} \cdot \vec{b} = 0 $$
$$ \vec{a} \cdot \vec{b} = t |\vec{b}|^2 \quad \cdots \text{①} $$
また、$\overrightarrow{BC} \perp \overrightarrow{OA}$ より $\overrightarrow{BC} \cdot \overrightarrow{OA} = 0$ である。すなわち、
$$ \left(\frac{1}{3} \vec{a} - \vec{b}\right) \cdot \vec{a} = 0 $$
$$ \frac{1}{3} |\vec{a}|^2 - \vec{a} \cdot \vec{b} = 0 $$
$$ \vec{a} \cdot \vec{b} = \frac{1}{3} |\vec{a}|^2 \quad \cdots \text{②} $$
①、②より、
$$ t |\vec{b}|^2 = \frac{1}{3} |\vec{a}|^2 $$
ここで、条件 $t = \frac{|\vec{a}|}{2|\vec{b}|}$ より、
$$ |\vec{a}| = 2t|\vec{b}| $$
これを上の式に代入して、
$$ t |\vec{b}|^2 = \frac{1}{3} (2t|\vec{b}|)^2 $$
$$ t |\vec{b}|^2 = \frac{4}{3} t^2 |\vec{b}|^2 $$
三角形 $OAB$ が存在することから $|\vec{b}| \neq 0$ であり、$|\vec{a}| > 0$ より $t > 0$ である。したがって、両辺を $t |\vec{b}|^2$ で割って、
$$ 1 = \frac{4}{3} t $$
$$ t = \frac{3}{4} $$
これより (2) の答えが得られる。
求めた $t$ の値を用いると、
$$ |\vec{a}| = 2 \cdot \frac{3}{4} |\vec{b}| = \frac{3}{2} |\vec{b}| $$
また、①より、
$$ \vec{a} \cdot \vec{b} = \frac{3}{4} |\vec{b}|^2 $$
したがって、$\vec{a}$ と $\vec{b}$ のなす角である $\angle AOB$ を $\theta$ とおくと、
$$ \cos \theta = \frac{\vec{a} \cdot \vec{b}}{|\vec{a}| |\vec{b}|} = \frac{\frac{3}{4} |\vec{b}|^2}{\frac{3}{2} |\vec{b}| \cdot |\vec{b}|} = \frac{\frac{3}{4}}{\frac{3}{2}} = \frac{1}{2} $$
$0^\circ < \theta < 180^\circ$ より、
$$ \theta = 60^\circ $$
これより (1) の答えが得られる。
(3)
点 $P$ は直線 $AD$ 上にあるため、実数 $k$ を用いて次のように表せる。
$$ \overrightarrow{OP} = (1-k) \overrightarrow{OA} + k \overrightarrow{OD} = (1-k) \vec{a} + \frac{3}{4} k \vec{b} $$
また、点 $P$ は直線 $BC$ 上にあるため、実数 $l$ を用いて次のように表せる。
$$ \overrightarrow{OP} = l \overrightarrow{OC} + (1-l) \overrightarrow{OB} = \frac{1}{3} l \vec{a} + (1-l) \vec{b} $$
$\vec{a}$ と $\vec{b}$ はともに零ベクトルではなく、互いに平行でもない(一次独立である)から、係数を比較して、
$$ \begin{cases} 1-k = \frac{1}{3} l \\ \frac{3}{4} k = 1-l \end{cases} $$
第1式より $l = 3 - 3k$。これを第2式に代入して、
$$ \frac{3}{4} k = 1 - (3 - 3k) $$
$$ \frac{3}{4} k = -2 + 3k $$
$$ \frac{9}{4} k = 2 $$
$$ k = \frac{8}{9} $$
よって、
$$ \overrightarrow{OP} = \left(1-\frac{8}{9}\right) \vec{a} + \frac{3}{4} \cdot \frac{8}{9} \vec{b} = \frac{1}{9} \vec{a} + \frac{2}{3} \vec{b} $$
解説
直交条件から内積の関係式を導き、ベクトルの大きさの比と連立させる標準的な平面ベクトルの問題である。(1)と(2)は立式する過程で相互に絡み合っているため、実質的には同時に求まることになる。
(3)は「交点の位置ベクトルは2通りに表して一次独立性を用いて係数比較する」という最も基本的かつ頻出の手法を用いるだけで解答できる。 また、図形的意味を考えると、点 $D$ は辺 $OB$ 上の点であり $AD \perp OB$、点 $C$ は辺 $OA$ 上の点であり $BC \perp OA$ であるから、直線 $AD$ と直線 $BC$ の交点 $P$ は $\triangle OAB$ の「垂心」に他ならない。本問は誘導に沿って計算していくと自然と垂心の位置ベクトルが求まる構成になっている。
答え
(1)
$$ \angle AOB = 60^\circ \text{(または } \frac{\pi}{3} \text{)} $$
(2)
$$ t = \frac{3}{4} $$
(3)
$$ \overrightarrow{OP} = \frac{1}{9} \vec{a} + \frac{2}{3} \vec{b} $$
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