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京都大学 1989年 文系 第3問 解説

数学2/積分法数学1/二次関数数学2/図形と式テーマ/面積・体積
京都大学 1989年 文系 第3問 解説

方針・初手

与えられた曲線の式を扱いやすい形に変形することが第一歩である。 $y = -x^3 - 3x^2 - 3x - 2$ は $-(x+1)^3 - 1$ と平方(立方)完成のような変形ができる。同様に、$x = \sqrt{y+3} - 1$ も $x+1$ の塊を作るように変形すると、$y = (x+1)^2 - 3$ という見慣れた放物線の一部であることがわかる。 式に $x+1$ という共通の塊が現れるため、$x$ 軸方向に平行移動する(または $X = x+1$ と置換する)と、交点の導出や積分計算が劇的に楽になる。

解法1

与えられた曲線を $C_1, C_2$、直線を $l$ とおく。式を変形すると以下のようになる。

$C_1$: $y = -x^3 - 3x^2 - 3x - 2 = -(x^3 + 3x^2 + 3x + 1) - 1 = -(x+1)^3 - 1$

$C_2$: $x = \sqrt{y+3} - 1$、すなわち $x+1 = \sqrt{y+3} \geqq 0$ より $x \geqq -1$。両辺を2乗すると $y = (x+1)^2 - 3 \quad (x \geqq -1)$

$l$: $y = 0$

まず、これらの図形の交点の $x$ 座標を求める。

$C_1$ と $l$ の交点:

$$ -(x+1)^3 - 1 = 0 \iff (x+1)^3 = -1 \iff x+1 = -1 \iff x = -2 $$

$C_2$ と $l$ の交点:

$$ (x+1)^2 - 3 = 0 \iff x+1 = \pm \sqrt{3} $$

$x \geqq -1$ より $x = \sqrt{3}-1$

$C_1$ と $C_2$ の交点:$X = x+1$ とおくと $X \geqq 0$ であり、

$$ -X^3 - 1 = X^2 - 3 \iff X^3 + X^2 - 2 = 0 \iff (X-1)(X^2 + 2X + 2) = 0 $$

$X$ は実数であるから $X=1$、すなわち $x = 0$(このとき $y = -2$)。

3曲線で囲まれる領域の面積 $S$ は、$X = x+1$ と置換すると積分区間はそれぞれ $-1 \to 1$、$1 \to \sqrt{3}$ となる。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{-1}^{1} (X^3 + 1) dX + \int_{1}^{\sqrt{3}} (-X^2 + 3) dX \\ &= 2 \int_{0}^{1} 1 \, dX + \left[ -\frac{1}{3}X^3 + 3X \right]_1^{\sqrt{3}} \\ &= 2 + \left( -\sqrt{3} + 3\sqrt{3} \right) - \left( -\frac{1}{3} + 3 \right) \\ &= 2 + 2\sqrt{3} - \frac{8}{3} \\ &= 2\sqrt{3} - \frac{2}{3} \end{aligned} $$

解法2

面積を $y$ 軸方向の積分で計算することもできる。 囲まれた領域は $-2 \leqq y \leqq 0$ の範囲に存在し、右側の境界は $C_2$、左側の境界は $C_1$ である。

$$ \begin{aligned} S &= \int_{-2}^{0} \left\{ (\sqrt{y+3} - 1) - (-(y+1)^{\frac{1}{3}} - 1) \right\} dy \\ &= \int_{-2}^{0} \left\{ (y+3)^{\frac{1}{2}} + (y+1)^{\frac{1}{3}} \right\} dy \\ &= \left[ \frac{2}{3}(y+3)^{\frac{3}{2}} + \frac{3}{4}(y+1)^{\frac{4}{3}} \right]_{-2}^{0} \\ &= \left( 2\sqrt{3} + \frac{3}{4} \right) - \left( \frac{2}{3} + \frac{3}{4} \right) \\ &= 2\sqrt{3} - \frac{2}{3} \end{aligned} $$

解説

見かけの式に圧倒されず、$x+1$ の形を作り出して置換(または平行移動)を行うことで、計算ミスを防ぐことができるかが問われる問題である。 解法1のように $x$ 軸方向で積分する場合は、上下の曲線が入れ替わる $x=0$ で区間を分割する必要がある。一方で、解法2のように $y$ 軸方向で積分する場合は、常に「右引く左」の関係が変わらないため、1つの積分で記述できるというメリットがある。

答え

$$ 2\sqrt{3} - \frac{2}{3} $$

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