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大阪大学 1978年 理系 第5問 解説

数学3/微分法数学3/積分法数学3/極限テーマ/接線・法線
大阪大学 1978年 理系 第5問 解説

方針・初手

法線の方程式を立て、$x$ 軸との交点 $Q_n$ の座標を計算することで、問題の条件式を $f_n(x)$ とその導関数 $f'_n(x)$ に関する微分方程式に帰着させる。得られた方程式の両辺を積分し、初期条件と符号の条件を用いて $f_n(x)$ を決定する。後半の極限計算では、分母分子を $n$ で割る基本変形を行うが、パラメータ $a$ の値による場合分けを忘れないようにする。

解法1

(1) 動点 $P_n(x, f_n(x))$ における $C_n$ の接線の傾きは $f'_n(x)$ である。 $f'_n(x) \neq 0$ のとき、法線の方程式は、

$$ y - f_n(x) = -\frac{1}{f'_n(x)} (X - x) $$

と表される。この法線が $x$ 軸と交わる点が $Q_n(q_n(x), 0)$ であるから、$y=0, X=q_n(x)$ を代入して、

$$ -f_n(x) = -\frac{1}{f'_n(x)} (q_n(x) - x) $$

よって、

$$ q_n(x) - x = f_n(x)f'_n(x) $$

また、$f'_n(x) = 0$ のとき、法線は $x$ 軸に垂直な直線 $X = x$ となり、$x$ 軸との交点 $Q_n$ の $x$ 座標は $q_n(x) = x$ となる。このとき $q_n(x) - x = 0$ であり、$f_n(x)f'_n(x) = f_n(x) \cdot 0 = 0$ となるため、この場合も $q_n(x) - x = f_n(x)f'_n(x)$ が成り立つ。

これらを問題の条件式に代入すると、

$$ f_n(x)f'_n(x) = \frac{-n^2 x(nx^2 - 1)}{(nx^2 + 1)^3} $$

両辺を $x$ について積分すると、

$$ \int f_n(x)f'_n(x) dx = \int \frac{-n^2 x(nx^2 - 1)}{(nx^2 + 1)^3} dx $$

左辺は、

$$ \int f_n(x)f'_n(x) dx = \frac{1}{2} \{f_n(x)\}^2 + C \quad (C \text{ は積分定数}) $$

となる。右辺の積分について、$nx^2 + 1 = t$ とおくと、$2nx dx = dt$ より $x dx = \frac{1}{2n} dt$ であり、$nx^2 - 1 = t - 2$ と表せるから、

$$ \int \frac{-n^2 (nx^2 - 1)}{(nx^2 + 1)^3} x dx = \int \frac{-n^2 (t - 2)}{t^3} \cdot \frac{1}{2n} dt $$

$$ = -\frac{n}{2} \int \left( \frac{1}{t^2} - \frac{2}{t^3} \right) dt $$

$$ = -\frac{n}{2} \left( -\frac{1}{t} + \frac{1}{t^2} \right) $$

$$ = \frac{n}{2} \left( \frac{t - 1}{t^2} \right) $$

$t = nx^2 + 1$ を代入し直すと、

$$ \frac{n}{2} \cdot \frac{nx^2}{(nx^2 + 1)^2} = \frac{n^2 x^2}{2(nx^2 + 1)^2} $$

したがって、

$$ \frac{1}{2} \{f_n(x)\}^2 = \frac{n^2 x^2}{2(nx^2 + 1)^2} + C $$

$f_n(0) = 0$ であるから、$x = 0$ を代入すると、$0 = 0 + C$ より $C = 0$ となる。よって、

$$ \{f_n(x)\}^2 = \frac{n^2 x^2}{(nx^2 + 1)^2} $$

条件より、$x > 0$ のとき $f_n(x) > 0$、$x < 0$ のとき $f_n(x) < 0$ であり、$n \geqq 1$ より常に $nx^2 + 1 > 0$ であることを考慮すると、$f_n(x)$ は $x$ と同符号になる。したがって、

$$ f_n(x) = \frac{nx}{nx^2 + 1} $$

これは $x=0$ で $f_n(0)=0$ も満たす。

(2) (1) の結果より、

$$ \lim_{n \to \infty} f_n(a) = \lim_{n \to \infty} \frac{na}{na^2 + 1} $$

(i)

$a = 0$ のとき $f_n(0) = 0$ であるから、

$$ \lim_{n \to \infty} f_n(0) = 0 $$

(ii)

$a \neq 0$ のとき 分母・分子を $n$ で割ると、

$$ \lim_{n \to \infty} \frac{na}{na^2 + 1} = \lim_{n \to \infty} \frac{a}{a^2 + \frac{1}{n}} $$

$n \to \infty$ のとき $\frac{1}{n} \to 0$ であるから、

$$ \lim_{n \to \infty} \frac{a}{a^2 + \frac{1}{n}} = \frac{a}{a^2} = \frac{1}{a} $$

以上より、求める極限は $a = 0$ のとき $0$、$a \neq 0$ のとき $\frac{1}{a}$ である。

解説

法線の方程式を文字で置いて条件式を整理すると、$y y' = g(x)$ の形の微分方程式が現れる。この形は両辺を $x$ で積分することで容易に関数の2乗の形に持ち込める、高校数学でも頻出の典型的な微分方程式である。 置換積分を行う際は、式の一部を $t$ と置いて微分形を作ることでスムーズに計算が進む。 後半の極限計算では、分母の最高次(ここでは $n$ の1次)で分母分子を割るのが定石だが、$a=0$ の場合にそのまま割ると「分母が $0$ になる」という不都合が生じるため、$a=0$ と $a \neq 0$ で場合分けをして極限を求める必要がある点に注意する。

答え

(1)

$$ f_n(x) = \frac{nx}{nx^2 + 1} $$

(2)

$$ \begin{cases} 0 & (a = 0 \text{ のとき}) \\ \frac{1}{a} & (a \neq 0 \text{ のとき}) \end{cases} $$

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