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大阪大学 1985年 理系 第3問 解説

数学2/三角関数数学2/微分法数学1/方程式不等式テーマ/最大・最小テーマ/存在証明
大阪大学 1985年 理系 第3問 解説

方針・初手

関数 $f(x)$ の導関数 $f'(x)$ を計算し、その増減を調べることから始める。 (1) は極値の存在条件なので、$f'(x)=0$ が $0 < x < 1$ で解をもち、かつその前後で $f'(x)$ の符号が変化する条件を求める。 (2) は方程式の解の存在条件である。端点の値 $f(1)=0$ となることに気づくことが最大のポイントであり、これと $f(x)$ の増減($f'(x)$ の単調性)を組み合わせて中間値の定理を用いる。

解法1

関数 $f(x)$ を微分する。

$$ f'(x) = a \cdot \frac{1}{\cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right)} \cdot \frac{\pi}{4} - 1 = \frac{a\pi}{4\cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right)} - 1 $$

(1)

$f(x)$ が $0 < x < 1$ において極値をもつための条件は、この範囲において $f'(x) = 0$ となる $x$ が存在し、かつその前後で $f'(x)$ の符号が変化することである。

$f'(x) = 0$ とすると、

$$ \cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right) = \frac{a\pi}{4} $$

$0 < x < 1$ のとき、$0 < \frac{\pi}{4}x < \frac{\pi}{4}$ であるから、

$$ \frac{1}{\sqrt{2}} < \cos\left(\frac{\pi}{4}x\right) < 1 $$

各辺を2乗して、

$$ \frac{1}{2} < \cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right) < 1 $$

したがって、$f'(x)=0$ が $0 < x < 1$ の範囲に解をもつための $a$ の条件は、

$$ \frac{1}{2} < \frac{a\pi}{4} < 1 $$

$$ \frac{2}{\pi} < a < \frac{4}{\pi} $$

このとき、$a > 0$ であることに注意する。 $x$ が $0$ から $1$ まで増加するとき、$\cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right)$ は単調に減少するため、$a>0$ のもとで $f'(x) = \frac{a\pi}{4\cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right)} - 1$ は単調に増加する。

よって、$f'(x)=0$ を満たす $0 < x < 1$ における唯一の解を $x=\alpha$ とおくと、$x$ が $\alpha$ を境に増加するとき、$f'(x)$ は負から正へと符号を変える。 したがって、$f(x)$ は $x=\alpha$ で極小値(極値)をもつ。 ゆえに、求める $a$ の範囲は $\frac{2}{\pi} < a < \frac{4}{\pi}$ である。

また、$0 \leqq x \leqq 1$ における $f(x)$ の増減表は以下のようになる。

$x$ $0$ $\cdots$ $\alpha$ $\cdots$ $1$
$f'(x)$ $-$ $0$ $+$
$f(x)$ $\searrow$ 極小 $\nearrow$

この増減表から、関数 $f(x)$ は $0 \leqq x < \alpha$ で単調に減少し、$\alpha < x \leqq 1$ で単調に増加するため、$x=\alpha$ での極小値はそのまま $0 \leqq x \leqq 1$ における最小値となる。(証明終)

(2)

まず、$x=1$ のときの $f(x)$ の値を調べる。

$$ f(1) = a \tan\left(\frac{\pi}{4}\right) - 1 - a + 1 = a \cdot 1 - a = 0 $$

よって、$f(1)=0$ は $a$ の値によらず常に成り立つ。

方程式 $f(x)=0$ が $0 < x < 1$ で解をもつための $a$ の条件を、場合分けして調べる。

(i)

$a \leqq 0$ のとき

$0 < x < 1$ において、$\frac{a\pi}{4\cos^2\left(\frac{\pi}{4}x\right)} \leqq 0$ であるから、$f'(x) \leqq -1 < 0$ となる。 したがって、$f(x)$ は $0 < x < 1$ で単調に減少する。 $f(1)=0$ であるため、$0 < x < 1$ において常に $f(x) > 0$ となり、解をもたない。

(ii)

$a > 0$ のとき

(1) より、$f'(x)$ は $0 < x < 1$ において単調に増加する。 また、端点における微分係数は、

$$ f'(0) = \frac{a\pi}{4} - 1 $$

$$ f'(1) = \frac{a\pi}{2} - 1 $$

である。

(ア)

$f'(1) \leqq 0$ すなわち $0 < a \leqq \frac{2}{\pi}$ のとき

$0 < x < 1$ において $f'(x) < f'(1) \leqq 0$ となるため、$f(x)$ は単調に減少する。 $f(1)=0$ より、$0 < x < 1$ で $f(x) > 0$ となり、解をもたない。

(イ)

$f'(0) \geqq 0$ すなわち $a \geqq \frac{4}{\pi}$ のとき

$0 < x < 1$ において $f'(x) > f'(0) \geqq 0$ となるため、$f(x)$ は単調に増加する。 $f(1)=0$ より、$0 < x < 1$ で $f(x) < 0$ となり、解をもたない。

(ウ)

$f'(0) < 0$ かつ $f'(1) > 0$ すなわち $\frac{2}{\pi} < a < \frac{4}{\pi}$ のとき

$f'(x)$ は単調増加であり、符号が負から正へ変わるため、(1) のように $0 < x < 1$ に $f'(\alpha)=0$ となる $\alpha$ がただ1つ存在する。 $f(x)$ は $0 \leqq x \leqq \alpha$ で単調減少し、$\alpha \leqq x \leqq 1$ で単調増加する。

$f(1)=0$ であるから、$f(\alpha) < f(1) = 0$ となる。 $\alpha \leqq x < 1$ の範囲では $f(x) < 0$ であり、解をもたない。

$0 < x < \alpha$ の範囲について考えると、中間値の定理より、$f(0) > 0$ であれば、この区間に $f(x)=0$ となる解がただ1つ存在する。

$$ f(0) = a \tan 0 - 0 - a + 1 = 1 - a $$

これが正となる条件は $1 - a > 0$ より $a < 1$ である。 $\frac{2}{\pi} < a < \frac{4}{\pi}$ との共通範囲を求めると、$1 < \frac{4}{\pi}$ であるから、

$$ \frac{2}{\pi} < a < 1 $$

以上 (i), (ii) より、方程式 $f(x)=0$ が $0 < x < 1$ において解をもつ $a$ の範囲は $\frac{2}{\pi} < a < 1$ である。 また、このとき解は $0 < x < \alpha$ の区間における単調減少の過程で生じるもののみであり、ただ1つに限られる。(証明終)

解説

三角関数を含む方程式の解の存在や極値に関する微分法の標準的な問題である。 この問題の最大のポイントは、$f(1)=0$ という定点に気づくことである。問題文の $0 < x < 1$ という区間指定にヒントが隠されており、端点の値を調べることで (2) の議論が飛躍的に見通しよくなる。 $f'(x)$ の符号変化を直接求めることが少し手間になるため、「$f'(x)$ の単調性」を利用してグラフの増減の様子を把握する手法が効果的である。

答え

(1)

$\frac{2}{\pi} < a < \frac{4}{\pi}$

(2)

範囲:$\frac{2}{\pi} < a < 1$

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