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大阪大学 1988年 理系 第5問 解説

数学3/微分法数学2/微分法数学2/図形と式テーマ/接線・法線
大阪大学 1988年 理系 第5問 解説

方針・初手

曲線 $C$ 上の点 $P$ の座標を $(t, f(t))$ とおき、接線と法線の方程式から交点 $Q, R, S$ の座標をそれぞれ求める。条件式 $\frac{PQ}{PR} = \frac{PS}{PQ}$ は $PQ^2 = PR \cdot PS$ と変形できるため、各線分の長さを $t$ と $f(t), f'(t)$ を用いて表し、この等式に代入することで $f(t)$ に関する微分方程式を導く。その後、得られた微分方程式を変数分離形として解き、初期条件から積分定数を決定する。

解法1

(1)

曲線 $C: y = f(x)$ 上の点 $P(t, f(t))$($0 < t < 4$)における接線 $l$ の方程式は、傾きが $f'(t)$ であるから、

$$ y - f(t) = f'(t)(x - t) $$

となる。接線 $l$ と $x$ 軸との交点 $Q$ の $x$ 座標は、$y = 0$ を代入して、

$$ -f(t) = f'(t)(x - t) $$

$$ x = t - \frac{f(t)}{f'(t)} $$

よって、$Q \left( t - \frac{f(t)}{f'(t)}, 0 \right)$ である。

同様に、接線 $l$ と $y$ 軸との交点 $R$ の $y$ 座標は、$x = 0$ を代入して、

$$ y = f(t) - t f'(t) $$

よって、$R (0, f(t) - t f'(t))$ である。

また、点 $P$ を通り $l$ に垂直な法線の方程式は、傾きが $-\frac{1}{f'(t)}$ であるから、

$$ y - f(t) = -\frac{1}{f'(t)}(x - t) $$

となる。法線と $x$ 軸との交点 $S$ の $x$ 座標は、$y = 0$ を代入して、

$$ -f(t) = -\frac{1}{f'(t)}(x - t) $$

$$ x = t + f(t)f'(t) $$

よって、$S (t + f(t)f'(t), 0)$ である。

ここで、点 $P$ を始点とするベクトル $\vec{PQ}, \vec{PR}, \vec{PS}$ を成分表示すると、以下のようになる。

$$ \vec{PQ} = \left( -\frac{f(t)}{f'(t)}, -f(t) \right) $$

$$ \vec{PR} = \left( -t, -t f'(t) \right) $$

$$ \vec{PS} = \left( f(t)f'(t), -f(t) \right) $$

これらのベクトルの大きさを計算する。問題の条件より $0 < t < 4$、$f(t) > 0$、$f'(t) < 0$ であることに注意して根号を外す。

$$ PQ = \sqrt{ \left( -\frac{f(t)}{f'(t)} \right)^2 + (-f(t))^2 } = \sqrt{ \frac{f(t)^2}{(f'(t))^2} (1 + \{f'(t)\}^2) } = -\frac{f(t)}{f'(t)} \sqrt{1 + \{f'(t)\}^2} $$

$$ PR = \sqrt{ (-t)^2 + (-t f'(t))^2 } = \sqrt{ t^2 (1 + \{f'(t)\}^2) } = t \sqrt{1 + \{f'(t)\}^2} $$

$$ PS = \sqrt{ (f(t)f'(t))^2 + (-f(t))^2 } = \sqrt{ f(t)^2 (\{f'(t)\}^2 + 1) } = f(t) \sqrt{1 + \{f'(t)\}^2} $$

与えられた条件式 $\frac{PQ}{PR} = \frac{PS}{PQ}$ は $PQ^2 = PR \cdot PS$ となるため、上で求めた長さを代入する。

$$ \frac{f(t)^2}{(f'(t))^2} (1 + \{f'(t)\}^2) = t \sqrt{1 + \{f'(t)\}^2} \cdot f(t) \sqrt{1 + \{f'(t)\}^2} $$

$$ \frac{f(t)^2}{(f'(t))^2} (1 + \{f'(t)\}^2) = t f(t) (1 + \{f'(t)\}^2) $$

常に $1 + \{f'(t)\}^2 \neq 0$ であり、また $f(t) > 0$ であるため、両辺を $f(t)(1 + \{f'(t)\}^2)$ で割って整理する。

$$ \frac{f(t)}{(f'(t))^2} = t $$

$$ \{f'(t)\}^2 = \frac{f(t)}{t} $$

ここで $f'(t) < 0$ であるから、両辺の平方根をとって負の符号を選ぶ。

$$ f'(t) = -\sqrt{\frac{f(t)}{t}} $$

これが区間 $0 < t < 4$ のすべての $t$ について成り立つため、変数 $t$ を $x$ に置き換えて、求める微分方程式を得る。

$$ f'(x) = -\sqrt{\frac{f(x)}{x}} $$

(2)

(1) で求めた微分方程式を変数分離形で解く。

$$ \frac{f'(x)}{\sqrt{f(x)}} = -\frac{1}{\sqrt{x}} $$

両辺を $x$ について積分する。

$$ \int \{f(x)\}^{-\frac{1}{2}} f'(x) dx = \int -x^{-\frac{1}{2}} dx $$

$$ 2 \sqrt{f(x)} = -2 \sqrt{x} + C \quad (C \text{ は積分定数}) $$

初期条件 $f(1) = 1$ を代入して $C$ を求める。

$$ 2 \sqrt{1} = -2 \sqrt{1} + C $$

$$ 2 = -2 + C \iff C = 4 $$

これを代入して整理する。

$$ 2 \sqrt{f(x)} = -2 \sqrt{x} + 4 $$

$$ \sqrt{f(x)} = 2 - \sqrt{x} $$

定義域 $0 < x < 4$ において、$0 < \sqrt{x} < 2$ であるため $2 - \sqrt{x} > 0$ は常に成り立つ。両辺を 2乗して $f(x)$ を求める。

$$ f(x) = (2 - \sqrt{x})^2 $$

このとき、$f(x) > 0$ であり、導関数 $f'(x) = 2(2 - \sqrt{x}) \cdot \left(-\frac{1}{2\sqrt{x}}\right) = 1 - \frac{2}{\sqrt{x}}$ も $0 < x < 4$ において負となるため、問題の条件をすべて満たす。

解説

接線と法線の方程式から交点を求め、図形的な条件を数式に翻訳して微分方程式を立式する典型問題である。計算量がやや多いため、線分の長さを求める際に文字の符号(特に $f'(t) < 0$ であることによる絶対値の処理)に注意して根号を外すことが重要である。図を書いて相似を利用すると計算をショートカットすることも可能だが、ベクトルを用いて成分計算する方が確実で迷いが少ない。(2) の微分方程式の解法は標準的な変数分離形であり、定義域における符号の確認($2 - \sqrt{x} > 0$ など)を怠らないようにしたい。

答え

(1)

$$ f'(x) = -\sqrt{\frac{f(x)}{x}} $$

(2)

$$ f(x) = (2 - \sqrt{x})^2 $$

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