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東北大学 1963年 文系 第5問 解説

数学2/指数対数数学2/図形と式テーマ/不等式の証明
東北大学 1963年 文系 第5問 解説

方針・初手

「比例部分の法則(原理)」とは、関数上の $2$ 点を直線で結び、その線分上の点の $y$ 座標を近似値として用いる方法(線形補間)のことです。

この問題では、関数 $y = \log x$ 上の $2$ 点 $(11, \log 11)$ と $(12, \log 12)$ を通る直線の式を求め、それを近似値とします。真の値($\log x$)と近似値との差を式で表し、与えられた条件から $a$ についての方程式を立てます。得られた $a$ の値(無理数)について、平方根の近似値を評価して小数第1位を確定させます。

解法1

$\log x$ の底を $1$ より大きい実数(常用対数など)とします。

関数 $y = \log x$ のグラフ上の $2$ 点 $(11, \log 11)$,$(12, \log 12)$ を結ぶ直線の式を $y = g(x)$ とすると、比例部分の法則によって求められる値は $g(x)$ であり、次のように表されます。

$$ g(x) = \log 11 + \frac{\log 12 - \log 11}{12 - 11} (x - 11) = \log 11 + (x - 11)(\log 12 - \log 11) $$

関数 $y = \log x$ は上に凸であるから、$11 \le x \le 12$ において常に $\log x \ge g(x)$ が成り立ちます。したがって、真の値との差は $\log x - g(x)$ となります。

$\log a$ と $\log(a+0.5)$ を求めるときの、それぞれの真の値との差が等しいという条件から、次の方程式が成り立ちます。

$$ \log a - g(a) = \log(a+0.5) - g(a+0.5) $$

式を整理して、関数の差の形にまとめます。

$$ \log a - \log(a+0.5) = g(a) - g(a+0.5) $$

右辺の $g(a) - g(a+0.5)$ を計算します。

$$ \begin{aligned} g(a) - g(a+0.5) &= \{ \log 11 + (a - 11)(\log 12 - \log 11) \} - \{ \log 11 + (a + 0.5 - 11)(\log 12 - \log 11) \} \\ &= (a - (a + 0.5)) (\log 12 - \log 11) \\ &= -0.5 (\log 12 - \log 11) \end{aligned} $$

これを先ほどの方程式に代入します。

$$ \log \frac{a}{a+0.5} = -0.5 (\log 12 - \log 11) $$

対数の性質を用いて、右辺を $1$ つの対数にまとめます。

$$ \log \frac{a}{a+0.5} = \log \left( \frac{12}{11} \right)^{-0.5} = \log \sqrt{\frac{11}{12}} $$

対数の底は $1$ より大きいので、真数同士を比較できます。

$$ \frac{a}{a+0.5} = \sqrt{\frac{11}{12}} = \frac{\sqrt{33}}{6} $$

分母を払って $a$ について解きます。

$$ 6a = \sqrt{33}(a + 0.5) $$

$$ (6 - \sqrt{33})a = \frac{\sqrt{33}}{2} $$

$$ a = \frac{\sqrt{33}}{2(6 - \sqrt{33})} $$

分母を有理化します。

$$ \begin{aligned} a &= \frac{\sqrt{33}(6 + \sqrt{33})}{2(6 - \sqrt{33})(6 + \sqrt{33})} \\ &= \frac{6\sqrt{33} + 33}{2(36 - 33)} \\ &= \frac{6\sqrt{33} + 33}{6} \\ &= \frac{11}{2} + \sqrt{33} \\ &= 5.5 + \sqrt{33} \end{aligned} $$

次に、$a$ の値を小数第1位まで決定するために、$\sqrt{33}$ の近似値を評価します。

$$ 5.7^2 = 32.49, \quad 5.8^2 = 33.64 $$

これにより $5.7 < \sqrt{33} < 5.8$ となるため、$a$ の範囲は $11.2 < a < 11.3$ であることが分かります。しかし、これでは小数第2位を四捨五入したときに $11.2$ になるか $11.3$ になるかが確定しません。そこで、四捨五入の境界となる $5.75$ との大小を比較します。

$$ 5.75^2 = \left( \frac{23}{4} \right)^2 = \frac{529}{16} = 33.0625 $$

$33 < 33.0625$ であるから、$\sqrt{33} < 5.75$ が成り立ちます。また、念のため下限もより細かく評価します。

$$ 5.74^2 = \left( \frac{287}{50} \right)^2 = \frac{82369}{2500} = 32.9476 $$

$32.9476 < 33$ であるから、$5.74 < \sqrt{33}$ です。以上より、以下の不等式が得られます。

$$ 5.74 < \sqrt{33} < 5.75 $$

各辺に $5.5$ を足すことで、$a$ の範囲が求まります。

$$ 11.24 < 5.5 + \sqrt{33} < 11.25 $$

すなわち、$11.24 < a < 11.25$ となります。これは問題の条件である $11 < a < 11.5$ を満たしています。

この $a$ の値を小数第2位で四捨五入すると、確実に $11.2$ となります。

解説

「比例部分の法則(原理)」という言葉から、「2点を結ぶ直線による一次近似(線形補間)」であることを読み取れるかが最大の鍵です。

真の値と近似値との差の式を立てる際、曲線の凹凸に注意して絶対値を外しますが、最終的に求めたいのは「差が等しい」という条件なので、どちらから引いても方程式の結果は同じになります。計算の終盤で無理数の近似値を小数で求める際は、単に幅を狭めるだけでなく「四捨五入の境界値(今回の場合は小数第2位が5となる値)」との大小関係をピンポイントで調べると、効率よく値を確定させることができます。

答え

$11.2$

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