東北大学 1996年 文系 第4問 解説

方針・初手
(1) は、関数 $f(x)$ が $x=a$ で極大値をとるための必要条件 $f'(a)=0$ から $b$ を求め、それが必要十分であることを増減表で確認する。その後、極大値 $f(a)$ を計算する。
(2) は、曲線と直線の交点の $x$ 座標を求め、定積分によって面積を計算する。その面積を $a^2$ と等置して $a$ についての方程式を解く。
解法1
(1)
$f(x) = x^3 - 6ax^2 + bx + 1$ を微分すると、
$$ f'(x) = 3x^2 - 12ax + b $$
$f(x)$ は $x=a$ において極大値をとるため、$f'(a) = 0$ が必要である。
$$ f'(a) = 3a^2 - 12a^2 + b = -9a^2 + b = 0 $$
よって、
$$ b = 9a^2 $$
このとき、
$$ f'(x) = 3x^2 - 12ax + 9a^2 = 3(x^2 - 4ax + 3a^2) = 3(x-a)(x-3a) $$
$f'(x) = 0$ とすると、$x = a, 3a$ となる。
$a > 0$ であるから $a < 3a$ であり、$f(x)$ の増減表は次のようになる。
| $x$ | $\cdots$ | $a$ | $\cdots$ | $3a$ | $\cdots$ |
|---|---|---|---|---|---|
| $f'(x)$ | $+$ | $0$ | $-$ | $0$ | $+$ |
| $f(x)$ | $\nearrow$ | 極大 | $\searrow$ | 極小 | $\nearrow$ |
増減表より、$f(x)$ は $x=a$ で極大値をとるため、条件を満たしている。
このときの極大値 $f(a)$ は、
$$ f(a) = a^3 - 6a^3 + 9a^3 + 1 = 4a^3 + 1 $$
(2)
曲線 $y=f(x)$ と直線 $y=f(a)$ の交点の $x$ 座標を求める。
$$ x^3 - 6ax^2 + 9a^2x + 1 = 4a^3 + 1 $$
$$ x^3 - 6ax^2 + 9a^2x - 4a^3 = 0 $$
$x=a$ で極大値 $f(a)$ をとることから、直線 $y=f(a)$ と曲線 $y=f(x)$ は $x=a$ で接するため、左辺は $(x-a)^2$ を因数にもつ。
$$ (x-a)^2(x-4a) = 0 $$
よって、交点の $x$ 座標は $x = a, 4a$ である。
$a > 0$ より $a < 4a$ であり、区間 $a \leqq x \leqq 4a$ において $f(a) \geqq f(x)$ であるから、求める面積 $S$ は、
$$ S = \int_{a}^{4a} \{ f(a) - f(x) \} dx $$
$$ S = \int_{a}^{4a} -(x-a)^2(x-4a) dx $$
ここで、被積分関数を変形して積分する。
$$ \begin{aligned} S &= \int_{a}^{4a} -(x-a)^2 \{ (x-a) - 3a \} dx \\ &= \int_{a}^{4a} \{ -(x-a)^3 + 3a(x-a)^2 \} dx \\ &= \left[ -\frac{1}{4}(x-a)^4 + a(x-a)^3 \right]_{a}^{4a} \\ &= -\frac{1}{4}(3a)^4 + a(3a)^3 \\ &= -\frac{81}{4}a^4 + 27a^4 \\ &= \frac{27}{4}a^4 \end{aligned} $$
この面積が $a^2$ に等しいので、
$$ \frac{27}{4}a^4 = a^2 $$
$a > 0$ より $a^2 > 0$ であるから、両辺を $a^2$ で割って整理すると、
$$ a^2 = \frac{4}{27} $$
$a > 0$ より、
$$ a = \frac{2}{3\sqrt{3}} = \frac{2\sqrt{3}}{9} $$
解説
- 極値をとる条件について、$f'(a)=0$ は必要条件にすぎないため、増減表などで極大値をとることの十分性の確認を行う必要がある。
- (2) の定積分の計算において、$\int_{\alpha}^{\beta} (x-\alpha)^2 (x-\beta) dx = -\frac{1}{12}(\beta-\alpha)^4$ の公式(いわゆる $\frac{1}{12}$ 公式)を知っていれば計算を短縮できるが、解答のように $(x-\alpha)$ の塊を作って展開する方法も汎用性が高く確実である。
- 曲線 $y=f(x)$ と極値を通る水平な直線の交点において、極値をもつ $x$ 座標と接点の $x$ 座標の関係を利用した $2:1$ の比率(3次関数の性質)を用いることでも、$x=4a$ を素早く見つけることができる。
答え
(1) $b = 9a^2$, 極大値 $f(a) = 4a^3 + 1$
(2) $a = \frac{2\sqrt{3}}{9}$
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