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東北大学 2008年 理系 第1問 解説

数学2/式と証明テーマ/整式の証明
東北大学 2008年 理系 第1問 解説

方針・初手

まず条件

$$ x^4f!\left(\frac1x\right)=f(x) $$

から、$f(x)$ の次数に強い制約がかかることを見る。実際、$f(x)$ を一般の多項式としておくと、左辺に負の冪が現れてはいけないため、次数は $4$ 以下に限られる。

そのうえで、次数 $4$ 以下の一般形を書き、条件

$$ x^4f!\left(\frac1x\right)=f(x),\qquad f(1-x)=f(x),\qquad f(1)=1 $$

を順に係数比較して求める。

解法1

(1) 条件 (i) をみたす多項式の次数が $4$ 以下であることの証明

$f(x)$ の次数を $n$ とし、

$$ f(x)=a_nx^n+a_{n-1}x^{n-1}+\cdots +a_1x+a_0 \qquad (a_n\ne 0) $$

とおく。

このとき

$$ f!\left(\frac1x\right) = a_nx^{-n}+a_{n-1}x^{-(n-1)}+\cdots +a_1x^{-1}+a_0 $$

であるから、

$$ x^4f!\left(\frac1x\right) = a_nx^{4-n}+a_{n-1}x^{5-n}+\cdots +a_1x^3+a_0x^4 $$

となる。

ところが条件 (i) より

$$ x^4f!\left(\frac1x\right)=f(x) $$

であり、右辺は多項式である。したがって左辺にも負の冪の項が現れてはならない。

もし $n\ge 5$ なら、左辺の最初の項 $a_nx^{4-n}$ は負の冪をもつ。しかも $a_n\ne 0$ であるから、この項は消えない。これは左辺が多項式であることに反する。

よって

$$ n\le 4 $$

である。したがって、条件 (i) をみたす多項式 $f(x)$ の次数は $4$ 以下である。

(2) 条件 (i), (ii), (iii) をすべてみたす多項式 $f(x)$ を求める

① 条件 (i) から形をしぼる

(1) より、$f(x)$ は高々 $4$ 次である。そこで

$$ f(x)=ax^4+bx^3+cx^2+dx+e $$

とおく。

すると

$$ x^4f!\left(\frac1x\right) = x^4\left(a\frac1{x^4}+b\frac1{x^3}+c\frac1{x^2}+d\frac1x+e\right) = a+bx+cx^2+dx^3+ex^4 $$

である。

これが $f(x)$ に等しいので、係数比較により

$$ a=e,\qquad b=d $$

を得る。したがって

$$ f(x)=a(x^4+1)+b(x^3+x)+cx^2 $$

と書ける。

② 条件 (ii) を用いる

条件 (ii) は

$$ f(1-x)=f(x) $$

である。

上の形を用いて $f(1-x)-f(x)$ を計算すると、

$$ f(1-x)-f(x) = (-4a-2b)x^3+(6a+3b)x^2+(-4a-5b-2c)x+(a+2b+c) $$

となる。

これが恒等的に $0$ だから、各係数はすべて $0$ である。よって

$$ -4a-2b=0,\qquad -4a-5b-2c=0 $$

を満たす。

最初の式から

$$ b=-2a $$

である。これを次の式に代入すると

$$ -4a-5(-2a)-2c=0 $$

すなわち

$$ 6a-2c=0 $$

となるので、

$$ c=3a $$

を得る。

したがって

$$ f(x)=a(x^4+1)-2a(x^3+x)+3ax^2 = a(x^4-2x^3+3x^2-2x+1) $$

である。

③ 条件 (iii) を用いる

条件 (iii) は $f(1)=1$ であるから、

$$ 1=f(1)=a(1-2+3-2+1)=a $$

となり、

$$ a=1 $$

を得る。

よって求める多項式は

$$ f(x)=x^4-2x^3+3x^2-2x+1 $$

である。

さらに整理すると、

$$ x^4-2x^3+3x^2-2x+1=(x^2-x+1)^2 $$

であるから、

$$ f(x)=(x^2-x+1)^2 $$

と書いてもよい。

解説

条件 (i)

$$ x^4f!\left(\frac1x\right)=f(x) $$

は、係数が左右対称になることを意味している。実際、$4$ 次以下と分かったあとに一般形を書けば、定数項と $x^4$ の係数、$x$ と $x^3$ の係数がそれぞれ一致する。

また条件 (ii)

$$ f(1-x)=f(x) $$

は、グラフが直線 $x=\frac12$ に関して対称であることを表す。これにより係数の間にさらに関係式が生じ、最後に条件 (iii) の値条件で定数倍が決まる。

この問題では、先に (i) から次数を落とす ことが最も重要である。ここを押さえれば、あとは係数比較で素直に決まる。

答え

$$ \text{(1) 条件 (i) をみたす } f(x) \text{ の次数は } 4 \text{ 以下である。} $$

$$ \text{(2) 条件 (i), (ii), (iii) をすべてみたす多項式は } f(x)=x^4-2x^3+3x^2-2x+1=(x^2-x+1)^2 $$

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