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東北大学 1969年 理系 第6問 解説

数学2/指数対数数学3/積分法数学2/図形と式テーマ/接線・法線テーマ/面積・体積
東北大学 1969年 理系 第6問 解説

方針・初手

(1) 2つの曲線が点 $(b, c)$ で接するための条件は、「点 $(b, c)$ を共有すること」および「その点における接線の傾きが一致すること」である。とくに、一方が円である場合は「接点における法線が、円の中心を通る」という幾何的性質を用いると、連立方程式を簡潔に立てることができる。

(2) (1) の結果を用いて、指定された区間 $0 \leqq x \leqq 1$ における2つの曲線の位置関係と、$x$ 軸との交点を確認する。求める図形の領域を特定し、回転体の体積を $y$ 座標の2乗の定積分(外側の体積から内側の空洞の体積を引く形)として計算する。

解法1

(1)

曲線 $y = ae^x \ (a > 0)$ を $C_1$、円 $(x - 2)^2 + y^2 = 2$ を $C_2$ とする。 $C_1$ と $C_2$ が点 $(b, c)$ で接するための条件は、以下の3つが同時に成り立つことである。

  1. 点 $(b, c)$ が $C_1$ 上にある。
  2. 点 $(b, c)$ が $C_2$ 上にある。
  3. 点 $(b, c)$ における $C_1$ の接線と $C_2$ の接線が一致する。

条件1より、

$$ c = ae^b \quad \cdots \text{①} $$

条件2より、

$$ (b - 2)^2 + c^2 = 2 \quad \cdots \text{②} $$

次に条件3について考える。$C_1$ の導関数は $y' = ae^x$ であるから、点 $(b, c)$ における接線の傾きは $ae^b = c$ である。 $a > 0$ であるため①より $c > 0$ となり、接線は $x$ 軸に垂直ではない。 したがって、点 $(b, c)$ における $C_1$ の法線の傾きは $-\frac{1}{c}$ となる。 $C_1$ と $C_2$ が点 $(b, c)$ で同一の接線をもつとき、この接点は円 $C_2$ 上にあるため、接点における法線は円の中心 $(2, 0)$ を通る。 点 $(b, c)$ を通り傾き $-\frac{1}{c}$ の法線の方程式は、

$$ y - c = -\frac{1}{c}(x - b) $$

これが点 $(2, 0)$ を通るので、

$$ -c = -\frac{1}{c}(2 - b) $$

整理して、

$$ c^2 = 2 - b \quad \cdots \text{③} $$

③を②に代入すると、

$$ \begin{aligned} (b - 2)^2 + (2 - b) &= 2 \\ b^2 - 4b + 4 + 2 - b &= 2 \\ b^2 - 5b + 4 &= 0 \\ (b - 1)(b - 4) &= 0 \end{aligned} $$

よって、$b = 1$ または $b = 4$ である。

(i) $b = 4$ のとき ③より $c^2 = 2 - 4 = -2$ となるが、これを満たす実数 $c$ は存在しないため不適である。

(ii) $b = 1$ のとき ③より $c^2 = 1$ となる。①より $c = ae^1 = ea$ であり、$a > 0$ かつ $e > 0$ であるから $c > 0$ である。 したがって、$c = 1$ と定まる。 これを①に代入すると、$1 = ae$ より $a = \frac{1}{e}$ である。

以上より、$a, b, c$ の値は定まった。

(2)

(1) の結果より、$b = 1$ であり、2つの曲線はそれぞれ以下のように表される。

$$ C_1 : y = \frac{1}{e}e^x = e^{x-1} $$

$$ C_2 : (x - 2)^2 + y^2 = 2 $$

これらが $0 \leqq x \leqq 1$ で囲む図形について考える。 $C_2$ と $x$ 軸($y = 0$)の交点の $x$ 座標は、$(x - 2)^2 = 2$ より $x = 2 \pm \sqrt{2}$ である。 $x \leqq 1$ の範囲での交点は $x = 2 - \sqrt{2}$ である。 また、$C_1$ は常に $y > 0$ で単調増加し、$C_1$ と $C_2$ は $x = 1$ のみで共有点(接点)をもつため、この区間において $C_1$ は $C_2$ や $x$ 軸よりも上方にある。

したがって「この2つの曲線の部分と $x$ 軸および $y$ 軸とで囲まれた図形」は、

求める立体の体積 $V$ は、$C_1$ を回転させた体積 $V_1$ から、円 $C_2$ の内部を回転させた体積 $V_2$ を除いたものとして計算できる。

$$ V = V_1 - V_2 $$

$$ V_1 = \pi \int_{0}^{1} \left(e^{x-1}\right)^2 dx $$

$$ V_2 = \pi \int_{2-\sqrt{2}}^{1} \left\{2 - (x - 2)^2\right\} dx $$

まず $V_1$ を計算する。

$$ \begin{aligned} V_1 &= \pi \int_{0}^{1} e^{2x-2} dx \\ &= \pi \left[ \frac{1}{2} e^{2x-2} \right]_{0}^{1} \\ &= \frac{\pi}{2} (1 - e^{-2}) \end{aligned} $$

次に $V_2$ を計算する。

$$ \begin{aligned} V_2 &= \pi \int_{2-\sqrt{2}}^{1} \left\{2 - (x - 2)^2\right\} dx \\ &= \pi \left[ 2x - \frac{(x - 2)^3}{3} \right]_{2-\sqrt{2}}^{1} \end{aligned} $$

$x = 1$ のときの値は、

$$ 2(1) - \frac{(-1)^3}{3} = 2 + \frac{1}{3} = \frac{7}{3} $$

$x = 2 - \sqrt{2}$ のときの値は、

$$ 2(2 - \sqrt{2}) - \frac{(-\sqrt{2})^3}{3} = 4 - 2\sqrt{2} - \frac{-2\sqrt{2}}{3} = 4 - \frac{4\sqrt{2}}{3} $$

これらを引き算して、

$$ \begin{aligned} V_2 &= \pi \left\{ \frac{7}{3} - \left( 4 - \frac{4\sqrt{2}}{3} \right) \right\} \\ &= \pi \left( \frac{4\sqrt{2} - 5}{3} \right) \end{aligned} $$

以上より、求める体積 $V$ は、

$$ \begin{aligned} V &= \frac{\pi}{2} (1 - e^{-2}) - \pi \left( \frac{4\sqrt{2} - 5}{3} \right) \\ &= \pi \left( \frac{1}{2} - \frac{1}{2e^2} - \frac{4\sqrt{2}}{3} + \frac{5}{3} \right) \\ &= \pi \left( \frac{13}{6} - \frac{4\sqrt{2}}{3} - \frac{1}{2e^2} \right) \end{aligned} $$

解説

(1) は、関数と円が接する条件を立式する典型的な問題である。2直線の傾きが等しいという条件をそのまま微分係数で比較することも可能だが、本解法のように「接点における法線が円の中心を通る」という図形的な性質に帰着させると、式が非常にシンプルになり計算ミスを防ぎやすくなる。

(2) は、立体の体積を求める積分計算である。問題文の「この2つの曲線の部分と $x$ 軸および $y$ 軸とで囲まれた図形」という表現から、どの範囲を積分すべきかを正確に読み取ることがポイントとなる。円の方程式から $x$ 切片を求め、積分区間が $x=0$ から $x=2-\sqrt{2}$ と、$x=2-\sqrt{2}$ から $x=1$ で境界が変わることを把握して定積分を構成することが求められる。

答え

(1)

$$ a = \frac{1}{e}, \quad b = 1, \quad c = 1 $$

(2)

$$ \pi \left( \frac{13}{6} - \frac{4\sqrt{2}}{3} - \frac{1}{2e^2} \right) $$

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